2012年1月29日日曜日

ラーメン凪 豚王 渋谷本店


渋谷にある名店「凪」。駅から徒歩10分なので、立地条件は決していいとは言えない。それでも昼時になるとこの界隈で働く人たちや学生、凪を愛する人達が行列を作ります。夜になるとアルコール類も提供しており、飲み足りない酔客で賑わっています。



メニューは写真にある通り、様々なタイプのラーメンを揃えていますが、ここの基本は豚骨。まずは豚王を食べなければ意味が無い。



席に着くと、お好みを記入する紙を渡される。これに麺の固さ、味の濃さ、香味油の量、にんにくの量、チャーシュー・ネギの有無を記入するのだ。麺の固さはバリカタにし、他は全て普通にした。事前にクーポンをゲットしていたので、半熟玉子をつけてもらう。ご覧の通り、薄切り大きめのチャーシューが乗っており、こいつが柔らかくて食べ応え十分。他にはとんこつラーメンの王道とも言えるネギときくらげが乗っています。麺も長浜豚骨の王道といえる極細麺。何にもましてこのお店が他店よりも抜きん出ているのはスープだと思う。豚骨独特の臭みを打ち消しておりながら、ワイルドでコクのある旨み。とろっとしてクリーミーでありながらも、全くしつこさを感じさせない。しかも唐辛子ベースのスパイスが予め投入されており、これが食欲を増進させてスープ全部飲み干し系。当然、バリカタ替え玉を追加注文して、更なる満足感を得る。いや本当に美味しいです。

ホームページ:http://www.n-nagi.com/
住所:東京都渋谷区東1-3-1
ラーメン凪 豚王 渋谷本店ラーメン / 渋谷駅表参道駅

2012年1月25日水曜日

Heartbeat Presents Mixed By Francois K. Vol.2


Heartbeat Presents Mixed By Francois K.×AIR Vol.2

AIRがお届けするミックスシリーズにてDerrick Mayが第二弾(過去レビュー)をリリースしましたが、同時期に説明不要の御大FKも第二弾をリリース。こいつが手元に届いてからほぼ毎日聴いているのですが、何故か全く腹に落ちてこない。つまらないミックスとかそういう訳じゃなく、逆に毎日の通勤電車で聴いているにも関わらず全く飽きてこない。何故なんだろう?と家のステレオで聴いたら謎が氷解した。このミックスはイヤホンのようなプアなリスニング環境で聴かれるべきものじゃないんだ。音にこだわり抜いている職人気質の男が手掛けるミックスだけに、高音質環境かつ爆音で聴かれてこそ真価を発揮する作品だったんだ。

ここにはDerrick Mayのような獰猛さはない。それどころか真逆とも言える、FK独特のダビーでひんやりした音響空間が構築されている。それというのも、単なるDJとしてだけでなく、古くからエンジニアやリミキサー、もしくはアーティストとしてダンスミュージックにコミットしている御仁だからこそ。緻密に高音質ファイル/DJミックス用ソフトウェア/コントローラ/エフェクターを駆使した世界レベルのクオリティが担保されている。重低音が効いているサウンドシステムで爆音キメて聴いて欲しい。全編通して綴られる絹のようにスムースなミックスは、音楽を通じた快楽と愉悦を僕らに与えてくれる。

Tracklist

01.Soft Waves : Francois K.
02.Untitled 1 : Donato Dozzy
03.Mass Conserved : Area
04.Acdise #2 : Gonno
05.Memories V2 : Cobblestone Jazz
06.Tronic Illusion : Mirko Loko&Stacey Pullen
07.Every Soul Needs a Guide : Vince Watson
08.Can You Feel Me : Godson
09.Epic : Roberto Bosco
10.Bad Dog : Jerome Sydenham
11.Neptune : Antonio De Angelis
12.Stolen-Dub2 : Paul Woolford&Psycatron
13.Choices : Benny Rodrigues
14.Existence : KiNK
15.Create Balance(Steve Lawler Mix) : Shlomi Aber
16.Solar Surge : Deetron
17.Never : Scuba
18.Radiance : Surgeon

2012年1月21日土曜日

江戸前煮干中華そば きみはん 五反田店

つけめんTETSUという有名店が千駄木にある。品川駅の近くにある麺達七人衆というラーメンストリートにも出店している。その「つけめんTETSU」が別ブランドとして「きみはん」というラーメン屋を鶯谷に出店した。その「きみはん」が五反田駅ガード下にもオープンした。ちょっと話がややこしいけど、要は新しいラーメン屋が五反田に出来ました、という話です。


ここがオープンする前は別のラーメン屋がありました。2011年4月にきみはんがオープンしたんですが、ガード下という陰気くさい場所のせいもあり、最初はそれほど客がいなかったように思います。同僚と五反田ラーメン談義をしている時、「ガード下のラーメン屋が旨いらしい」という話になり足を運んだ次第。ちなみにこの店の並びには、行列のできるうどん屋がある。そちらも未開拓なので行ってみたいところ。


この日は寒かったにも関わらず、昼時になると行列が出来ていた。10分ほど寒さをこらえて食券を買う。ここのメニューは大きく4つに分かれる。中華そば、つけめん、やきそば、チャーハンだ。ラーメン屋に足を運んでラーメンを喰わないわけにはいかないだろうて!と絶叫しながら特製中華そばをオーダー。


卓上には能書きが置いてある。何だかチャーハンややきそばもお奨めらしい。同僚は普通の中華そばに加えて、お得セットとして半チャーハンをオーダーしておった。


こいつが特製中華そば。ご覧の通り、具がたっぷり搭載されている。デフォルトの具材としてはチャーシュー、メンマ、海苔、ネギ、ナルトが使われているが、特製になるとチャーシューと海苔が増量され、更には味付け玉子とエビワンタンが加わる。チャーシューはオーソドックスながら、非常に食べ応えのある食感と量。味付け玉子は上等なものを使っているらしく、口内に放り込むと甘さが広がる。エビワンタンも2個ながら、ぷりぷりした食感により存在感をアピール。

スープは煮干しと鶏がらベースということだが…一口啜ってみてガツンとした感動を覚えた。さっぱりしているにも関わらず、濃厚な奥深さとコクを感じる。ちらほら入っている柚子により更にさっぱり感は増しているんだが、煮干しのパンチによって絶妙なバランスを保っている。麺はツルッとした中太ストレート麺。昔ながらの風情を醸し出しながら、全く新しい次元へと突入している至高の逸品。いや本当に美味しくて、スープを全部飲み干した後に同僚と顔を見合わせた。店を出るなり「ぐぅぅぅ、何だここは!旨いではないか!」と叫んだのは言うまでもない。

半チャーハンをオーダーした同僚は、そちらのクオリティも絶賛していた。従って、翌日も訪問して、半チャーハンとやきそばを頼んでしまった。


実にいい色に炒められたチャーハンが出てくるではないか。ぴりりとしたスパイスさ加減と、チャーハン全体の旨味が渾然一体となってbeatjunkieを直撃。チャーハンは中華料理の中でも難しい部類に入る食べ物。お米の周りはパリパリとしていながら、お米そのものの水分は失われてはいけないからだ。かと言って、お米の水分によってべちょべちょになってしまうのも考えもの。その意味では、お米、チャーシュー、卵のバランスが非常に良くなっている。このチャーハンは是非お奨めしたい。


更にやきそば。いわゆるソース焼きそばとは違ってツユが多め。ただし味そのものは昔懐かしいやきそばそのもの。しかも麺はラーメン二郎のようなワシワシした太めのもので、こいつのツユとの絡みが絶妙。言うなれば焼きそばと焼きうどんの中間のようなメニュー。単なるサイドメニューではなく、こだわりが感じられるものとなっていた。無料で野菜増量もできるとのこと。 僕は普通盛りを頼んだんだけど、野菜マシでも十分いける。ちなみに、この日に同僚が喰らったつけ麺も相当イケるとのこと。


従って、3回目の訪問時につけ麺をオーダーした。「江戸前煮干し味玉つけめん」なる品で、普通盛り・大盛り・特盛りのどれを選んでも同額900円。特盛400g あつもりを頼んだところ、どんぶりにどかーんとした麺が盛られてきた。麺はつけ麺にありがちな極太でなかったのが意外で、全体に梅だれが軽く和えてある。つけ汁に漬ける時、2/3程を漬けると煮干しと梅のハーモニーが楽しめると書いてあるので、その通りに食べてみる。なるほどスープに全部浸すと梅の香りが逃げてしまうので、その通りに食べるのがいいでしょう。煮干し系スープはそれほど濃い目ではなく、全体的にあっさりしているので特盛りでも全然イケる。ガツンとした普通のつけ麺とは違い、さすがつけ麺が本業のお店だけあってなかなか食わせてくれる。

複数の中核メニューがありながらも、どれもイケるなんて稀有な存在感を放つお店であるのは間違いない。今の勤務地にいる限り、このお店のヘヴィユーザになるのは決定。

住所:東京都品川区東五反田2-1-1 JR五反田駅高架下
江戸前煮干中華そば きみはん 五反田店ラーメン / 五反田駅大崎広小路駅大崎駅

2012年1月17日火曜日

(Ăhk-to͝ong Ba͞y-bi) Covered


(Ăhk-to͝ong Ba͞y-bi) Covered

去年はAchtung Baby(過去レビュー)がリリースされて20年経過ということもあり、様々なバージョンの記念盤(過去レビュー)がリイシューされました。それに加えて、英国雑誌の「Q」が付録としてトリビュート盤をリリース。出版前に海外プレオーダーすれば、送料込み1,800円ほどで入手できましたが、今となって入手困難状態。フィジカル作品を入手するにはamazonマーケットプレイス等で大枚を払わなければならない。だけどご心配するなかれ、今ではiTunesで手に入れることができます。ちなみに、本作はチャリティ盤となっており、デジタル音源からの収益はアイルランドNPO「Concern Worldwide」と送られ、貧困撲滅運動に充てられるようです。

さて、このトリビュート盤に参加しているアーティスト群については下記トラックリストをみてほしい。よくもまあこんな豪華なアーティスト/バンドを集めたもんだ、と感心してしまった。それだけ、このアルバムは数々の人たちに愛されてきたんだな、とも思える。ただし、カバーというのは非常に難しい作業だと思う。前にも書いたことがあるんだけど、オリジナルを踏襲しつつも新しい領域へと昇華させる作業だと思うから。

その意味で、これらカバー集の中で出色の出来だったのがPatti SmithとJack White。前者はまさしく女王の風格ありすぎとすら思えるほど。タイトルのように、世界が終わる日に聴こえてきそうな、世界の果てから聴こえてきそうな、ジャズナンバーへと変貌を遂げている。オリジナルとは対極の作風にありながら、同一の世界観を持つという恐るべし仕上がりになっていた。後者のJack Whiteは、邦題である「恋は盲目」が馬鹿馬鹿しくなるほどの壮絶ロックンロールナンバー。ボーカルとギターが鬼気迫る迫力を持っており、言葉を失うほどの素晴らしさ。

同世代的なNine Inch Nails、Garbage、Depeche Modeについて言えば、非常に無難なカバー具合。彼らがU2をカバーしているな、ぐらいの出来に終わっており、もっと老獪さを見せても良かったんじゃないかな?特にNINなんて豪快なインダストリアルサウンドを期待していたんだけど、狂気を内包する物静かなトラックになっていた。
U2の後続アーティストは全く期待はずれ。オリジナルに敬意を払いすぎているのか、忠実になりすぎている(悪く言えば模倣に終わっている)The KillersやGlasvegasについては失笑すら覚えてしまう。てな具合に、評価が大きく3つに別れるトラック群だったのが興味深い。中でも異彩を放っていたのが「Even Better Than The Real Thing」のスチュアート・プライスによるリミックス。かつてのリミックス作品が単なるハウス焼き直しだったのに比べて、このリミックスはキックが図太いエレクトロナンバーになっており、数あるリミックスの中でも素晴らしい。

Tracklist

Nine Inch Nails - Zoo Station
U2 (Jacques Lu Cont Mix) - Even Better Than The Real Thing
Damien Rice - One
Patti Smith - Until The End Of The World
Garbage - Who's Gonna Ride Your Wild Horses
Depeche Mode - So Cruel
Snow Patrol - Mysterious Ways
The Fray - Trying To Throw Your Arms Around The World
Gavin Friday - The Fly
The Killers - Ultraviolet (Light My Way)
Glasvegas - Acrobat
Jack White - Love Is Blindness

2012年1月13日金曜日

極楽汁麺 らすた


学生街の日吉にある「らすた」。元々は日吉の武蔵家という家系ラーメンの店を目指していたんですが、この店の前を通り過ぎた瞬間に、インスピレーションみたいなものが働いた。このお店って数多のラーメン本などで有名だよね。


全く事前知識のないまま、店に飛び込むことなどそうはない。お店の前に貼り出されているラーメン本の記事を読むと「地鶏と黒豚のスープ」だとか「選りすぐった特注太打麺」だとか書いてある。何だかよく分からないまま、取りあえずお店お奨めの「らすた麺」を麺固めで注文。サービスでライス(大)、(中)、(小)を頼めるのは良心的。


全面が海苔に覆われて供されたので、海苔を横に立てる。色々と能書きに惑わされたけど、目に飛び込んできたのは家系ラーメンそのまんま。スープを啜ってみると、これまた完全なるとんこつ醤油の家系。まろやかでコクはあるんだけど、油がやや多く、味はかなり濃い目。普通の家系に比べて、魚介系の主張をやや感じた。具には家系基本のほうれん草、チャーシュー、海苔以外に味付け玉子と刻みネギが乗っていた。麺は通常よりもやや中太で黄色っぽくやや縮れており、スープとの絡みや相性はなかなかいい。でも全体的にボリュームが少ないので、ライス(中)を注文した。それなりに喰わせる家系ではあるんだけど、ずば抜けているほどではない。うーん、僕のインスピレーションはやや外れたようだ。次は武蔵家に行こう。

住所:神奈川県横浜市港北区日吉本町1-5-41
極楽汁麺 らすたラーメン / 日吉駅

2012年1月11日水曜日

Panic Of Looking : Brian Eno



Panic Of Looking : Brian Eno and the word of Rick Holland

去年11月にBrian Enoがリリースした新作は、同年6月にリリースした傑作「Drums Between The Bells」(過去レビュー )の続編的EPだった。新世紀の賛美歌のような曲で幕を開け、音楽であることを拒み続けるかのような沈鬱なアンビエントトラックへと続く。仄暗い場所から聴こえてくるような電子音が連なって行き、それら楽曲には常にRick Hollandの詩がポエトリーリーディングされていく。耳を傾けて味わうことを許さないような、絵画的なアンビエントミュージックは何度繰り返しても腹に落ちてこない。これこそEnoの真骨頂で、理解されることを意図しない環境の一部で在り続ける音楽なのだ。現代における全音楽の、ありとあらゆる境界線上に位置する曖昧な音楽。

2012年1月9日月曜日

大一製麺処 つけ麺屋ちっちょ極

僕がラーメン屋を探すのに、食べログ以外にラーメンデータベースを活用しています。今回はそちらでヒットしたお店。それはそうと、最近食べログが吊るし上げ食らってますね。やらせ投稿だ何だと騒がれているけど、カスタマーレビューにやらせはつきもの。それを差し引いて本物の情報を釣る目が大切だと思います。


渋谷宇田川町の最深部にあるお店。目の鼻の先はNHKで、道路を隔てた向こうは超高級住宅地である松濤。正直言って立地条件は物凄く悪いです。駅から徒歩で10分ほど行ったところですからね。でもこの日は時間に余裕があったので、新規開拓すべく散歩がてら訪問しました。ちなみに写真に写っている人は僕と何の関係もない人。


何の前情報もなく行ったのですが、どうやらつけ麺屋らしい。つけ麺はちょっと…というbeatjunkieさんですが、ここまで来たのでお奨めを注文することにします。


特製つけ麺を券売機でオーダー。これで1,100円って高くないか?普通、つけ麺って言ったら普通盛り、中盛り、大盛り頼んでも一律同じ値段のお店がほとんど。まあ自分からオーダーしたものだからつべこべ言わずに喰らいます。

具材には味付け玉子、厚めのチャーシュー2枚、海苔、メンマそして何故かレモンが載っている。チャーシューは柔らかいなりに食べ応えがあって及第点。レモンを絞って麺にかけるのがお奨めだそう。麺はつけ麺の王道である極太縮れ麺。こいつをスープに浸して食べると…ふむふむなかなか旨い。スープにこだわりがあるだけあって、魚介系に偏っておらず、なおかつ動物系にも偏っておらず、非常にいいバランスを保っている。しかも全体的に甘みがあって美味。ちなみにスープの中にはキャベツ、角切りチャーシューとホルモンが入っている。このホルモンを口内に放り込むと独特の甘みが広がる。でもそれほど柔らかいものではなく、ごく普通のホルモンという感じ。

でもね、繰り返して言うけどこれで1,100円はないだろう。確かに松濤界隈だから場所代が高いというのは分かっている。素材だってこだわり抜いているだろうし。でもこのデフレ時代に1,000円以上のラーメン/つけ麺は売れないと思うよ。それなりに美味しいけど、コストパフォーマンスに疑問を感じるお店でした。

住所:東京都渋谷区宇田川町37-18
つけ麺 ちっちょ極つけ麺 / 神泉駅代々木公園駅渋谷駅

2012年1月7日土曜日

My Name Is Tamar : Tamar Davis

このジャケットに賛否両論はあるかと思いますが、ここまで振り切れると僕の好きな部類に入りますよ。


My Name Is Tamar : Tamar Davis

Destiny's Childの前身ガールズグループであるGirl's Tymeに、10代前半の時に在籍していたというTamar Davis。その頃にプリンスがデモを聴き、君が大人になったらもう一度歌を聴いてみたい、と言ったとか。その後二人が邂逅し、プリンスが2006年にリリースした名作「3121」(過去レビュー)に収録されたグラミー賞ノミネート曲「Beautiful, Loved & Blessed」で共演を果たすこととなる。僕が彼女の歌声を聴いたのはその時で、キュートで美しいボーカルに痛く感動した。それからプリンス全面サポートのもと「Milk and Honey」でデビューを果たす予定だったんですが、アルバムが完成していながらもお蔵入り状態。その後プリンス周辺から彼女が姿を消すこととなった。二人が恋仲であり破局してしまったから、かどうかは僕は知りません。でもまあそういうことなんでしょうね。

で、昨年9月に待望のデビューアルバムがリリースされました。これにはプリンス殿下も全く関わっていない模様。単純に彼女のコケティッシュでキュートでラブリーな歌声が聴きたかったので購入。確かに素晴らしいボーカリストであることに間違いはないんですが、如何せんプロダクションが良くない。当たり前なんですが、殿下が作り上げる黒々としたファンキープロダクションは皆無。R&Bテイストを基調とし、ロッキンチューンもあれば怒涛の演歌のようなバラードもありと、全体的に取っ散らかった印象。ああ本当にプリンス関与の「Milk and Honey」が聴きたかったなあ。素晴らしいタレントの持ち主を上手く活かすにはプロモーションとプロダクションが必須、という好例なんでしょうね。今後の彼女の活躍を心から期待しています。

2012年1月5日木曜日

こってりらーめん なりたけ

当ブログを始めてもうすぐ6年です。「Yokohama Beat Junkie」なんてブログタイトルをつけていますが、僕の出身は千葉県です。とは言えども20代以降は引っ越しているので、最近千葉県に行く機会など殆ど無い。先日、仕事で津田沼に行ったのですが、そこに行ったのも10年ぶりぐらいだったと思う。で、昼時になって界隈のラーメン屋を探す行為にでるわけです。今回は背脂ちゃっちゃ系の「なりたけ」に行って来ました。地元ではかなりの人気を誇るお店らしい。


駅から5分ほど歩いたところにあります。


当然ながら、初めてのお店では基本メニューを注文することにしています。僕が頼んだのは醤油らーめん。背脂の量を「さっぱり」、「普通」、「ギタギタ」の3種類から選ぶことができるらしい。僕は背脂ちゃっちゃ系に目がないので「ギタギタ」にしようかと思いましたが、やはり最初は「普通」でいく。ランチサービスとして200円でご飯と餃子を追加できます。

さて、見た目からして千石自慢ラーメンやらーめん弁慶(過去の記事)の流れを汲んでいる。ネギともやしがドカッと投入されており、大ぶりメンマととろけるような柔らかチャーシューも変わらず。味の濃さも丁度いいクリーミーな豚骨スープ上に乳化した背脂がたっぷりと浮いており、味を更にまろやかにする。麺もコシがある中太縮れ麺で文句なし。これぞ背脂ちゃっちゃ系の完成形といえる。ただ一つ文句を言えば量がやや少ない。僕はご飯と餃子でお腹を補完できたけど、純粋にラーメンの味だけを楽しむのであれば大盛りを頼むべきだと思う。是非また行ってみたい、味わってみたい。でもこれから先、このラーメンを食べるためだけに津田沼に来ることなんてないんだろうな…。

住所:千葉県船橋市前原西2-11-7
なりたけラーメン / 津田沼駅新津田沼駅前原駅

2012年1月3日火曜日

Heartbeat Presents Mixed By Derrick May×Air Vol.2

あけましておめでとうございます。今年一番の記事は素晴らしいミックスCDの紹介から始めたいと思います。去年いろいろありすぎた、僕ら日本人を鼓舞するような内容になっているからです。



Heartbeat Presents Mixed By Derrick May×Air Vol.2

去年起きた大震災後、多くのアーティストが来日をキャンセルした。TVやネットで地震、津波、最悪の原発事故の映像を目の当たりにしているのだから、渡航自粛するのは当然と言えば当然なんだろう。僕ら日本人でさえ逃げ出したくなる状況だったのだから、そんな彼らを責めることなんて誰もできない。でもその中で、僕ら日本人を勇気づけるために、何度も日本に足を運んだアーティストもたくさんいた。Derrick Mayもその一人だ。

寡作なDJが13年ぶりというミックスCD(過去レビュー )をリリースしたのが2年前のこと。そして間髪入れず2年後に同様のミックスCDをリリースしたのだから、これはもう何らかの意図を感じてしまう。ミックスは80年代中期の大ヒットアンセムであるFGTHの「Welcome To The Pleasuredome」のア・カペラバージョンから幕を開ける。FGTHと言えば放送禁止曲にもなった性愛賛歌「Relax」で一躍時代の寵児となったバンドで、この「Welcome To The Pleasuredome」も快楽志向の性愛賛歌。そこからKaito(ヒロシワタナベ)のリミックスワークスへ続いていき、キックが入る瞬間で全身鳥肌。その後はアフロでトライバルで黒々としたDerrick May真骨頂とも言えるミックスが洪水のように続いていく。前にも書いたことがあるけど、彼のミックスを耳にする度に密林を物凄いスピードで駆け抜けていくような錯覚に陥る。あくまでもアナログにこだわる故に、技巧的とは言えないけどエモーショナルなイコライジングさばきは聴く者を高揚させる。最後は再びヒロシワタナベで、「Light To Bright」が高らかに夜明けを告げるかのようにスピンされる。最後の最後は代官山AIRでライヴ収録された2トラックが収められている。

テクノという音楽にメッセージ性はない。少なくとも個々のトラックにそのような機能はない。何故ならクラブミュージックは、踊ることに特化した機能性のある音楽だからだ。でもそういったトラックをミックスしていくことで、DJが意図しているメッセージというのは伝わってくる。このミックスだって「快楽宮へようこそ」と始まり、ヒロシワタナベリミックスへ続き、再びヒロシワタナベの眩しい光のようなトラックで締めくくられる。Derrick Mayの、僕ら日本人へのメッセージとも言えるような内容じゃないか?僕らはダンスしなければいけない、踊ることを忘れてはいけない、と彼は伝えてくれる。

Tracklist

1 Frankie Goes To Hollywood – Welcome To The Pleasuredome (Fruit Mix Acappella)
2 Rennie Foster – Falling Skywards (Kaito Remix)
3 Yotam Avni – Pentimento (Unreleased Mix)
4 Unknown Artist – Unknown
5 Skudge – The Floorfiller (Skudge Floor Filler Remix)
6 Kuniyuki* – The Session (Kuniyuki Self Remix)
7 Cobblestone Jazz – Memories (From Where You Are)
8 ATFC – I Called You
9 Unknown Artist – Unknown
10 Unknown Artist – Unknown
11 Digitaline – Africa
12 Kuniyuki* – Dear African Sky (Henrik Schwarz Remix)
13 MRSK – Close
14 Gary Martin – Samedi (Rennie Foster's Futago Tech Mix)
15 Unknown Artist – Unknown
16 Eduardo De Calle* – Edit 002
17 Federico Gandin – Moving Points
18 Gabriele Carasco Rene – The Piano Review
19 Agoria Featuring Carl Craig – Speechless
20 Wally Lopez & Ismael Rivas – I Like It (Factmania Remix)
21 Owiny Sigoma Band – Doyoi Nyajo Nam (Quantic Remix)
22 Innercity* – Future (Kenny Larkin Remix)
23 Unknown Artist – Unknown
24 Hiroshi Watanabe – Light To Bright
Live At AIR
25 Peven Everett – I Can't Believe I Loved Her (Unreleased Mix)
26 Uner – Bassboot