2012年7月1日日曜日

超時空コロダスタン旅行記 : アポジー&ペリジー


超時空コロダスタン旅行記 : アポジー&ペリジー

80年代テクノ歌謡のカルト的名盤である「超時空コロダスタン旅行記」。名義はニッカウイスキーのCMに登場した2体のロボット「アポジー&ペリジー」となっていますが、アポジー:三宅裕司、ペリジー:戸川純という組み合わせ。そしてプロデュースは細野晴臣であり、かのYENレーベルからリリース。他に参加しているのは上野耕路、越美晴、Testpatternといった面子で、80年代が夢見ていた宇宙旅行の世界を完全構築。

何よりもこのアルバムをとんでもない価値に高めているのが名曲「月世界旅行」。ジム・オルーク(ex ソニック・ユース)がこの曲を聴き、戸川純のボーカルスタイルに衝撃を覚えた後に戸川マニアとなったのは有名な話。作詞:松本隆、作曲:細野晴臣というガチな組み合わせが叩きだす80年代テクノ歌謡は、とてつもなくキャッチーでポップ。そんなメロディに乗るのが我らが歌姫 戸川純。これがもう不安定極まりないボーカルスタイル。途中の変なところで息継ぎしたり、音程が微妙に外れていそうで外れていなかったり、リズムと微妙にずれていそうでずれていなかったり。ここまで不安定に歌い切るのはもはや確信犯。ずば抜けたテクニックがないと、ここまでギリギリに歌い切るのは絶対に無理。この曲以外にアヴァンギャルドな純ちゃんのボーカルを楽しめるのは「ペリジーのテーマ」と「真空キッス」の3曲。戸川マニアにしてみればちょっと物足りませんが、未来が確実に未来であった80年代に思いを馳せるには最高の教本です。

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