2012年8月12日日曜日

FREEDOMMUNE 0<ZERO> A NEW ZERO 2012

宇川直宏氏主宰のファイナルメディア「DOMMUNE 」が東日本大震災復興支援のために企画したフリーイベント「FREEDOMMUNE 0 」。去年2011年8月に川崎市東扇島東公園で行われる予定だったんですが、集中豪雨により中止となってしまいました。だがしかし、我らがDOMMUNEはそれだけでは終わらなかった!!!!!!!!!!!!!!!!!!天候に左右されない屋内型フリーフェスとして我々の前に戻ってきたのだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!時は8/11(土)18:00-30:00、場所は幕張メッセ、入場は去年のインビテーションカードはそのまま使えるのだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!

という訳で中年にもかかわらず、決死の徹夜を覚悟して行って来ました。いやホント、この歳になると徹夜が辛いのよ。でもこれだけ充実したアーティスト が参加するとなれば行かないわけにはいかんだろうて。



原発銀座生まれ、MOX燃料育ちのもんじゅ君も会場に駆けつけてくれました(右側に写っている人は僕と何の関係もありません)。夏目漱石の脳味噌も展示されていましたが、撮影しようとしたら「撮影禁止!」と怒られた。

【LOGIC SYSTEM】




21:00前に会場入りし、お目当ての一つでもあったLOGIC SYSTEMを観ます。いうまでもなく第四のYMOとも言われた松武秀樹氏で、小振りな箪笥のモーグ・シンセサイザーを駆使して演奏します。とは言えどもレトロなアナログ感は全くなく、現在の音にアップデートされているかのような図太い音を放っている。エレクトロの始祖と言えるようなトラックの中でもYMOの初期名曲「SIMOON」を演奏したのには驚いた。1時間弱の演奏が終わってMerzbowが極悪ノイズを放っている中、松武さんがケーブルを自分で丁寧に片付けている姿が印象的でした。ちゃんと自分で片付けるんだ!

【salyu x salyu with 小山田圭吾+鈴木正人+あらきゆうこ】





この日一番感動したステージ。salyuの名前は知っていても、その音楽を聴いたことはありませんでした。女性ボーカル4人による、神々しいまでに可憐でキュートなコーラス。Corneliusを迎えてのバンド形態ということもあり、独自の世界がここでも構築されています。これほど美しい歌声を聴いたのは久しぶりで、声の持つ圧倒的なパワーに会場全てが金縛り・棒立ち状態となっていました。ここで放たれるバイブレーションが多くの人を揺さぶり、揺さぶられた多くの人がバイブレーションを増幅してステージに伝える。そんな双方向のやり取りが明らかにわかるほど、ステージと会場が高次元で一体化した瞬間でした。

【ケンイシイ】




僅か1時間のプレイにもかかわらず、会場をひたすらアゲまくっていた男。相変わらずハードバンギングで、テクノの何たるかを知っている男に一分の隙もありません。プロレスに無上の愛を捧げているだけあって、ここで繰り広げられたスピンはオーディエンスに格闘技を挑んでいるかのようでした。

【Manuel Göttsching】



今回のヘッドライナーであるManuel Göttsching大先生が降臨。代表的名作である「E2-E4」(過去レビュー )を3/11後の日本に捧げる「E3-E11」へアップデートして演奏してくれるというではないか。本人登場前から会場は超満員になっており、スクリーンには例の市松模様が映し出されている。



60分にも渡る曲の前半は本人がラップトップを操作し、あまりにも有名なシーケンシャルフレーズを延々と繰り広げる。曲が進むに連れて微妙に風合いが変化していくミニマルミュージックが、観客の脳内麻薬分泌を促していく。曲後半になるとギターを手にし、哀愁漂うブルーズを紡ぎだす。それはまるで3/11の日本に向けた鎮魂歌のようだ。

全体的に見て年齢層高めの大人なフェス。フリーだからと言っても、参加者側もドネーションを忘れてはいけない。求めるだけではなく与えるのが大人の行動だと思う。それにしても、スポンサーの支援やら物販収益やらでここまでのフリーフェスを作り上げてしまう宇川直宏氏の行動力には頭が下がる。こういった良質フェスが継続運営されていくことを切に願うよ。

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