2012年9月7日金曜日

A Joyful Noise : Gossip


A Joyful Noise : Gossip

Beth Dittoのソロ作(過去レビュー)を通過してリリースされた新作は、ポストパンク・リバイバル急先鋒ともいえる作品に仕上がっていた。プロデューサーに起用されているのは、カイリー・ミノーグやペット・ショップ・ボーイズ作品で仕事をしているBrian Higgins。ガレージパンクバンドである彼らが元々持ち合わせていたポップネスやディスコの香りを上手く引き出すことに成功しています。この作品では打ち込みや電子音を多用し、まさしくポストパンク以降80年代ディスコ~レイヴまでの流れを現代に蘇らせています。更には新世代アイコンであるBeth Dittoのボーカルがこの方向性に見事にハマっている!特に「Move in the Right Direction」はまるでNew Orderの「Blue Monday」のように素晴らしい。一聴すればパワーポップそのものなんだけど、彼らの本質であるパンキッシュな感覚が随所ににじみ出ている良作。

これを聴いて思い出したのが、僕が10代前半だった時の友人の言葉。今振り返れば笑ってしまうエピソードなんだけど、当時の僕はヘヴィメタルとパンクの区別がつかなかった。音楽に詳しい友人に聞いてみたところ「ヘヴィメタルは様式美の音楽、パンクは思想」という答えが返ってきた。おそらく受け売りなんだろうけど、本質を突いた言葉だった。つまりパンクとはレベル・ミュージック (rebel music、反抗の音楽)であり、方法論ではない。この音楽も、このバンドも、Beth Dittoもパンクだったのだ。

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