2012年11月22日木曜日

Fetch : Moritz Von Oswald Trio

新しいiMacから光学ドライブが消えました。ドライブをなくしてデザインを優先させた以上に、データはネットから入手されるべきというアップルのメッセージと言えます。確かに音楽や映像、新聞、本といったコンテンツは90年代の予言通りにネット配信されています。それでも音楽CDは本当になくなってしまうのか?なるほど僕だってCDを買うにしても、その殆どをリッピングしてiPodで聴きます。家で聴くことはあまりない。それでも空気を媒介にして音楽を聴きたくなる時もある。そんな時にAACといった配信データを家のステレオで聴くと、CD音源との音質差に愕然とする。音楽CD市場が縮小することはあっても、消失することはないと思います。

何故こんなことを書くかというと、Moritz Von Oswald Trioの新譜こそ最高のリスニング環境にて爆音で聴かれるべきだと思うから。



Fetch : Moritz Von Oswald Trio

もはや説明不要のトリオ・ザ・テクノですが、一過的のプロジェクトではなく恒常的ユニットとして活動し続けています。今回リリースされた新作では、これまで以上にエクスペリメンタルな雰囲気をまとっていました。「Jam」、「Dark」、「Club」、「Yangissa」という4つのトラックから成っていますが、「Jam」でその真骨頂を最大限に発揮。本作ではベース、サキソフォン、クラリネットやトランペットといった生楽器がフィーチャーされているのですが、「Jam」でマイルス・デイヴィスのエレクトリック・ジャズ期(Bitches Brewあたり)を彷彿とさせます。とは言っても全編を貫くのはゆるりとしたBPMの四つ打ちで、このあたりはMoritz Von Oswaldの面目躍如というところ。生音は完全にダブ化されたパーツとして、湿り気と硬質な感覚が共存している音響空間をひたすら漂います。ミニマルでありながらもここまで即興性を重視した音楽って何なんだ?もう一度言いますが、こういった音楽こそ爆音でキメてほしいと思います。







0 件のコメント:

コメントを投稿