2013年2月28日木曜日

Politics of Envy : Mark Stewart

1年前にリリースされたアルバムを例によって完全放置プレイ。70's~80'sにおけるポストパンクバンド The Pop Group の中心人物である Mark Stewart 。ここまで凶々しく攻撃的なアルバムを作れるのは、彼をおいて他にありません。あまりにも殺伐した内容に驚愕しているこの頃です。


Politics of Envy : Mark Stewart

70年代に出稼ぎ目的で UK に渡った西インド諸島の移民たち。彼らが遠い祖国を懐かしみつつ楽しんだのがレゲエ~ダブ。英国の港町ブリストルはそのゲートウェイ的役割を果たしました。同時期、労働者階級の若者たちがレベル・ミュージックとして取り入れたのが、言わずと知れたパンクミュージック。両者は音楽的に異なるものの思想的に一致する故に、パンクバンドはダブ的要素を取り入れることとなります。その最右翼的ミュージシャンが Mark Stewart 。ここでは相変わらずガッチガチに硬くて重いダブサウンドを披露。しかも共同プロデューサーとして迎えられているのが Killing Joke の Youth 、ゲスト陣が以下トラックリストに記載されているミュージシャン陣とくれば、この作品が悪いわけがありません。

プライマルズをフィーチャーした「Autonomia」では、攻撃性が恐ろしいことになっているロックンロールを発砲。続く「Gang War」では生けるレジェンド Lee"Scratch"Perry や Tessa Pollitt (The Slits) を担ぎ上げ、ハイパーなトースティングで聴く者の脳髄を直撃。「Apocalypse Hotel」では Massive Attack の Daddy G をフィーチャーし、ブリストルサウンドのミッシングリンクを見事に繋ぎ上げる。「Letter to Hermione」では Keith Levene (P.I.L) と共に絶望の深淵を見せつける。とにかく全編に渡ってドープなダブエレクトロニクス~パンキッシュサウンドの嵐。調子の外れた Mark Stewart のボーカルが緊張感を最後までキープし続けます。

Tracklist

1. Vanity Kills (feat. Richard Hell & Kenneth Anger's Exploding Skull)
2. Autonomia (feat. Primal Scream)
3. Gang War (feat. Lee Perry & Tessa Pollitt)
4. Codex
5. Want (feat. Factory Floor)
6. Gustav Says
7. Baby Bourgeois
8. Method to the Madness
9. Apocalypse Hotel (feat. Daddy G)
10. Letter to Hermione (feat. Keith Levene)
11. Stereotype (feat. Factory Floor & Keith Levene & Gina Birch)

Bonus Disc: Experiments EP

1. Autonomia (Electro Edit)
2. Robo Want Part 1
3. Robo Want Part 2
4. Letter Dub (The Dispossessed)


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