2013年3月4日月曜日

改造への躍動 : ゲルニカ

テクノ・ディフィ二ティヴ」でこの作品も紹介されていたんだけど、これってテクノにカテゴライズされるのかしら…と思いつつ、確かにシンセポップには入るんだろうね。



改造への躍動 : ゲルニカ

ハルメンズのキーボード担当だった上野耕路、イラストレーターの太田螢一、そして戸川純によって結成されたユニットであるゲルニカ。1982年リリースのこのアルバムで戸川純はボーカリストデビューを果たしています。リリース元は破竹の快進撃だったYENレーベル、プロデュースは細野晴臣さんなので、彼らは将来を託された存在だったといえます。もちろん、3人の個性が高次元で拮抗しているからこそ、この作品が後にも先にもない異彩を放っているのは言うまでもありませんが。

大正浪漫やモダニズムデザインを基礎にして太田螢一が構築した世界観や歌詞、上野耕路が駆使するピアノ、キーボードとドラムマシンやオーケストレーション。そこへ李香蘭やイタリアオペラにインスパイアされた戸川純のボーカルが加わり、シンセポップやニューウェーヴといった単語では括り切れない特異な世界を表現しています。このアルバムが80年代初期に登場したからこそ、あのディケイドは日本にとって特別な時代だったんだなぁ、としみじみ。そう、それまで改造されつづけた日本経済は更に10年間躍動していったのだ。

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