2013年6月30日日曜日

イツワ製麺所食堂 東神奈川店



以前から気になっていたつけ麺屋に行きました。横浜市北部ランキングでは常に上位につけるこのお店。場所は東神奈川駅から徒歩圏にあるものの、この界隈に足を運ぶことは少ない。とは言えども激戦区である白楽エリアも隣接していることから、週末にわざわざ車で行ってきました。コインパーキングが周辺にありますがあいにく満車状態。パーキングを探すのに一苦労しました。



複数のメニューが揃っています。ラーメンとつけ麺に大別されるものの、それぞれが細分化されており、何を頼めばいいのか分かりません。取りあえずつけ麺が有名なことから「イツワつけ麺(温麺)」を注文。つけ麺の量は200g、250g、300gを同料金で選べることから迷わず300gにします。



薬味となるもやし、水菜、筍が入った小鉢に、だし汁に浸かったままの中太ストレート麺、みるからにサラリとしてそうなつけ汁。麺に使われている小麦は良質のものを選び抜き、だし汁は可能な限り化学調味料を使っていないとのこと。

つけ麺にしては珍しく細めでストレートな麺をつけ汁に浸して食べてみれば…新鮮な小麦の香りが口の中に広がっていく。つけ汁にはドロドロしたところが全くなく、ほんのりと酸味が効いており、様々なスパイスによる複雑な辛みが食欲を増進させていく。濃厚魚介豚骨系に慣れた身にしてみれば、このスープはものすごく新鮮、だけども複雑に仕込まれた味。敢えて言えばトムヤンクンを非常に食べやすくして、日本風に醤油と塩で味付けしたようなスープ。サラサラなので麺への絡みつきが少ないと思いきや、麺があまりにも香ばしくてスープの味が逆に引き立てているという感じだ。つけ麺でここまで感動したのは初めてで、高評価なのも納得できる美味しさでした。

住所:神奈川県横浜市神奈川区二ツ谷町6-1
イツワ製麺所食堂 東神奈川店ラーメン / 東神奈川駅仲木戸駅反町駅 ) 
夜総合点★★★☆☆ 3.6 
昼総合点★★★☆☆ 3.6

2013年6月27日木曜日

Mash : Shin Nishimura


Mash : Shin Nishimura

1年以上も前にリリースされたShin Nishimuraの新作を今さらながら。BPMゆったり目の流麗なシンセ音が印象的なテックハウスから始まり、パーカッシヴな硬質ミニマルへと続き、ボイスサンプルを使ったこれまたストイックなミニマルへと。更にはShin Nishimuraのルーツとも言えるアシッドベースがフィーチャーされ、徐々にBPMが緩やかに速くなっていく。やはり場数を踏んできた現場主義の男が作る作品だけあって、徐々に盛り上がっていき最後はハッピーな感覚に満ちている様はまるでパーティだ。

このアルバムはストイックに作られたミニマルトラックで構成されているが、作品を覆っているのはオプティミスティックな感覚だ。決してダークなものではない。ベルリンから発せられるテクノとは違い、UK寄りの硬質なテクノで彩られている。ジャケットや裏ジャケットのデザインはロンドンの地下鉄をモチーフにしていることから、つまりはそういうことなんだろう。高校時代にShin Nishimuraがクラブミュージックへ覚醒した彼の地ロンドンに思いを馳せているはずだ。しかもジャケットデザインはモッズカラーだけでなく、青い海に囲まれた日本をも意識しているという。「Frustration (No Nuke's Re-Edit)」というトラック名からも分かる通り、この作品はShin Nishimuraの心意気が詰まったアルバムだ。

2013年6月24日月曜日

らーめん田



品川区に西大井という駅があります。品川から一駅、大崎から一駅、武蔵小杉からも一駅という便利な駅なのですが、いかんせん地味な印象が拭えない。というよりも陸の孤島と呼んでもいいぐらいにひっそりとした駅。何故ならば横須賀線も湘南新宿ラインも停まる回数が少ないのです。ただし忘れていけないのが、この界隈は戸越・中延・大井町エリアというラーメン激戦区。東京でもトップレベルのラーメン店がひしめき合っているエリアなのです。そんな地域に一際燦然と輝いているのが「らーめん田」。西大井駅から徒歩5分ほどの距離にあります。



どんな味なのか事前に調べたところ、鶏白湯ベースの醤油ラーメンと塩ラーメンを出してくれるとのこと。ただし僕が行った日にはメニューに醤油味はなかったので「鶏塩」を注文。加えて温玉と大盛でオーダーしたところ、「普通盛りでも200gありますが大丈夫ですか?」と聞かれたので、素直にオススメに従った。撮影する時はひと声かけるのがここのマナーと聞いていたが、メニューには「撮影はご自由にどうぞ」と書かれていた。それでも一応、着丼した際に一声かけると「どうぞどうぞ」という返事。先月から解禁したそうで、それまで変なお客さんに困っていたとのこと。このようにブログやSNSで頻繁に紹介されることで、ラーヲタがマナーをわきまえずワラワラと集まってくるようになったのだろう。若い店主が丁寧にラーメンを作っていく様をみて、身につまされる気持ちになった。

さて、見るからに美味しそうな鶏白湯スープを啜ってみれば、なんとも優しく上品なトロミあるスープが口の中に広がっていく。さっぱりしているんだけど、クリーミーで鶏の旨み溢れる絶品スープ。チャーシューは大ぶりの豚バラが柔らかくホロホロになるまで煮こまれており、クオリティ的に非常に高い。メンマも甘みがあってこだわりを感じさせる出来栄え。麺は中細ストレートでほどよい固さが小麦の味を際立たせる。すいすいズバスバいったところで、別皿で出された温玉を追加してスープを頂く。なんてほっとするスープなんだろう、細く刻まされネギとの相性も抜群だ。お客さんへの優しい気配りと徹底してこだわる姿勢の店主。ラーメンの味は当然ながら美味しすぎるんだけど、それ以上にここの店主は素晴らしい。

住所:東京都品川区二葉2-24-8
らーめん田ラーメン / 西大井駅下神明駅戸越公園駅 ) 
夜総合点★★★☆☆ 3.7 
昼総合点★★★☆☆ 3.7

2013年6月21日金曜日

Fabric 62 : DJ Sneak


Fabric 62 : DJ Sneak

ハウス発祥の地はシカゴ、テクノ発祥の地はデトロイトというのが定説。まだ、前者のルーツはR&Bの中でも取り分けディスコであり、後者のルーツはファンク(しかもデトロイトを基盤とするP-Funk)というのが定説。しかし今となってはテクノとハウスの境界線は不明瞭になっており、クラブミュージック愛好家でない限り境界線を明示するのは難しい。ただし今でもハウスの源流であったシカゴハウスは脈々と受け継がれており、シカゴハウス第二世代と言われるDJ Sneakのミックスを聴けばその黒光りするグルーヴを確かめることができる。

DJ Sneakとはプエルトリコ生まれのシカゴ在住DJであり、70年代に発祥したハウスの源流を80年代に本流へと育て上げた、生粋のガチなシカゴハウスDJだ。そのシカゴっぷりはこのミックスを聴けば分かる、間違いなく。叙情性など皆無、スウィングするベースラインと跳ね上がるビート。過去の膨大なR&B音源から切り取られたボイスサンプル、それをつなぎ合わせることによって紡ぎ出されるグルーヴ。どす黒く繋がれたトラック群の根底に流れるファンキーなディスコの香り。これこそブラックミュージックへのファットな愛情を示したミックスであり、泥臭くも100%ピュアネスな男気を感じさせる作品だ。

Tracklist

01 Strip Steve & Das Glow – Calcium
02 Markus Homm & Philipp Gonzales* – Got To Make It
03 Basti Grub Feat. Agent! – Walking In My Blues
04 Yeshua Murillo – I'm Gonna Make You Mine (Joss Moog Remix)
05 Arturo Garces – Light It Up
06 Tripmastaz – No Turning Back
07 Mike Jules – Crack Ass
08 Hector Couto – Creampie (Darius Syrossian Remix)
09 Mendo – Old School
10 Alex Tepper – In, Out, Life
11 DJ Sneak – My Love (Ramon Tapia Remix)
12 Sir James – Special (Ramon Tapia Remix)
13 Christian Burkhardt & Einzelkind – Cooper
14 Luca M – Funk My Sax
15 Muto – Wait A Minute
16 DJ W!ld* Feat. Hector Moralez – Take A Trip
17 Willie Graff & Tuccillo – To The Music (Tato Remix)
18 Cause & Affect – Beware Of The Swingers

2013年6月18日火曜日

蓮爾 さんこま店



二郎系の中にも直系、インスパイア系、フーズ系、堀切系など細分化された様々なジャンルが存在する。その中でもひときわ興味を引くのが「超二郎系」と呼ばれる存在。二郎を超越している?その代表格と呼ばれるのが「蓮爾」だ。登戸店とさんこま店があり、「さんこま」とは東急田園都市線の三軒茶屋駅と駒澤大学駅の中間に位置するからだろう。この界隈は若い人や学生さんが多く住んでいるからか、平日昼や夜になると行列ができるらしい。僕が行ったのは週末昼ということもあって、難なく着席することができました。



「超二郎系」ということなので、普通の小ラーメンを注文。この下のサイズになるとミニで、それぞれの麺量は370gと200g。ひよってトッピングは無しにした。ヤサイはモヤシ中心でやや少なめ、ブタはデロっとした大振りのものがどっかりと鎮座している。



天地返しで隠れている麺を引きずり出すと…ぬぼぼぼ!!超極太で太さ1cmはあろうかという麺が登場した。まさしくうどん並み、いやフィットチーネぐらいはあろうかという太さ。これまで数多のラーメンを食ってきたが、これほどぶっとい麺にお目にかかることはそうあるまい。重量級の麺をがつっと口に頬張れば、ワシワシ食感で顎がフゴォフゴォとなるほど疲れてくる。しかしながら小麦の香りが口いっぱいに広がって本当にウメェ!ひたすらワッシャワッシャと食い進む。

ブタは脂身部分がデロっと柔らかく、肉そのものもしっかり煮込まれておりトロっとした塩梅。こいつは数ある二郎系の中でも高品質と言える。スープも程よく乳化しており、旨味が十分に出ていて味わい深い。終盤になると、眉間に皺寄せながら苦悶の表情で何とか完食。なるほど「二郎はラーメンではなく二郎という食べ物である」という格言があるが、ここのはラーメンでも二郎でもない、第三の勢力「超二郎系」だということが身体で分かった。客を突き放すかのような態度といい、決してきれいとは言えない店の雰囲気といい、全ての面で二郎を超越していた。

住所:東京都世田谷区上馬1-4-13
蓮爾 さんこま店ラーメン / 駒沢大学駅西太子堂駅三軒茶屋駅 ) 
夜総合点★★★☆☆ 3.7 
昼総合点★★★☆☆ 3.7

2013年6月15日土曜日

Minimum Maximum : Kraftwerk

遅ればせながらご報告ですが、先月5/14に行われたクラフトワークのライブ@赤坂BLITZに行ってきました。NY、ロンドン、デュッセルドルフで行われたスペシャルライブ< Retrospective 1 2 3 4 5 6 7 8 >を日本で行ったもので、これを見逃したら死ぬまで見ることはないだろう、と思いつつ。アルバム8枚を日替わりで、なおかつこれまでの代表曲も演奏。更に、観客には3Dメガネが配布され、映像を立体で楽しめるというのが大きな目玉。僕が行ったのは「Techno Pop」(過去レビュー )を演奏する日。テクノオリジネーターをホールならではの音圧と、度肝を抜く立体映像で楽むことができた非日常体験でした。


Minimum Maximum : Kraftwerk

とは言っても、現地に行けなかった人はこのライヴDVDを観れば、多少のことを察することは出来るはず。こちらは2005年にリリースされたライヴ・ベスト盤「Minimum Maximum」(過去レビュー )の映像版。もちろん立体画像ではないし、ホームシアターで再生しても音圧はホールと比べるべくもない。ただし、このDVDで流れる映像や動きが少ない彼らのライヴアクションを確認することぐらいは出来るのだ。このDVDで使われている映像は、当日のライヴで流された映像と大きく変わっているわけじゃなく、CGにアップデートされていたのは「アウトバーン」や「ヨーロッパ特急」ぐらいなものか。5.1ch DTSなので、ホームシアター環境であればそれなりの臨場感も楽しむことが出来る。幸運にも現地のライヴを楽しむことができた人は、このDVDを観れば追体験することができる。このDVDを観て再確認したこと、それはやはり当日のライヴがとてつもなく素晴らしく、テクノであろうとも生で聴くのが一番ということだ。

2013年6月12日水曜日

ラーメン二郎 相模大野店

関東の、いや日本のラーメン界の覇権を握ろうとするラーメン二郎。その店舗展開スピードに遅れを取るまいと、僕にとって神奈川県の最終ピースとなる相模大野店に行ってきました。ちなみに神奈川県内にある他店舗は中山駅前店横浜関内店鶴見店京急川崎店湘南藤沢店 です。



相模大野の住宅街にある「スモジ」。ここの店主は元相撲取りで、相模は相撲という二文字によく似ていることからそう呼ばれています。日曜の朝11:00に言ったにもかかわらず、既に長い行列が出来ていました。しかもジロリアン達は静粛に、厳かに整列しており、まさしく巡礼者や修行僧のようなストイックな雰囲気が流れている。住宅街の中にあるので、近隣に迷惑をかけないようマナーが遵守されているのです。ここでもジロリアンマナーは健在なり。



約50分ほど待たされて、ようやく店の前まで辿り着きます。普通ならば黄色の看板に黒や赤のゴシック体が書かれているんだが、ここは何故かデザイン性のある看板。それにしても何故このように行列が長いのか?何を隠そう、大相撲千秋楽の日は、先着100名にいつもの「ブタ」が「炙りブタ」として出されるのです。しかも前評判によれば、スモジはブタが美味しくて有名らしい。これは小ブタを頼まずにはいられないというもの。ちなみに店主がマナーに厳しいとの前評判でしたが、それほどの厳しさは感じなかった。と言うか、みんなマナーがいいからね。それでも店内の緊張感は只事ではなかった。



こいつがレアアイテムの炙りブタ。いつものブタがバーナーでアブラれて、いや炙られております。ちなみに小ラーメンのブタは当然ながらこれよりも少なめ。しかも小ラーメンのブタと、小ブタラーメンのブタとでは、回転寿司で使われているようなお皿の色が違っているのが心憎い。山椒がパラパラとふりかけられており、ラーメンが着丼するまでつまみ食い。ほろっと柔らかいのに香ばしい味が口の中に広がります。脂身少なめのブタながら、その分際立った繊維質をじっくりと噛み締めるように味わいます。十分煮こまれて味がじんわり染みており、なるほどこれは開店早々に並ぶ価値がある逸品です。



ブタを食べ終えた頃にヤサイアブラマシの小ラーメンが着丼。プルプルッと野菜の上に乗っかっているアブラが見目麗しい。さっそくヤサイにがっつきたい、乳化度合いが低めのスープを啜りたいところだが、はやる心を抑えて天地返しを試みる。すると…



どんぶり下部から「ゴゴゴゴゴゴ」と引きずり出された大量の麺!おもむろに頬張れば、標準的なワシワシ感は少なく、ややデロっているヤワメな茹で加減の平打麺。小麦の香りが口の中に広がるにつれ、脳内アドレナリンが分泌されていくのが分かる。ヤサイはキャベツがやや多めで、シャキシャキ感は少々控えめ。スープの味はややカネシ醤油の味が控えめに感じたが、逆に言えばライトな味わい。ジャンク度は控えめなんだけど、いかんせん全体量がハンパない。食べ進むにつれてスープを吸って増殖していく麺をなんとか完食。最後に苦悶の表情でスープ表面に浮かんだ背脂を掬って飲むが、この時点で満腹度は最高潮に達した。これまで食べた二郎の中でも量的に破壊力満点であり、この日の夕方は強烈な胸焼けに苦しむこととなった。

住所:神奈川県相模原市南区相模大野6-14-9
ラーメン二郎 相模大野店ラーメン / 相模大野駅 ) 夜総合点★★★☆☆ 3.6 昼総合点★★★☆☆ 3.6

2013年6月9日日曜日

Tresor Records 20th Anniversary : Mike Huckaby


Tresor Records 20th Anniversary : Mixed by Mike Huckaby

ハードミニマルヘッズ(特にアラフォー世代以上)にとっては呪文「パルプンテ」にも等しい単語「Tresor」。言うまでもなく90年代前半以降における超重要テクノレーベルであり、テクノ帝国ドイツの首都ベルリンにある超名門クラブです。既にリリースされてから1年以上も経過しているので、今更書くのもアレなんですが、20周年を記念するオフィシャルミックスCDを聴いてます。今の耳で聴けば相当オールドスクールで、時代の経過を感じさせるようなクラシックトラックをデトロイトのベテランDJである Mike Huckaby がスピンしています。デトロイトのDJがベルリンのレーベルから記念ミックスCDを出すのに違和感を覚える?欧州におけるベルリンと、米国におけるデトロイトの距離は余りにも離れすぎていますが、テクノ史を振り返れば両都市が密接な関係性を持っているのは言うまでもありません。何故か?それを紐解くとテクノという壮大な音楽史を振り返ることになってしまうのでここでは割愛。詳しいことを知りたい人は野田努 氏が書いた名著「ブラック・マシン・ミュージック 」を読まれたし。

このミックスを聴いていた先日、名門クラブとして名を馳せた西麻布のelevenが閉店しました。僕はelevenに名が変わってから行ったことはないんだけど、その前身は91年から続いた老舗クラブ「Space Lab Yellow」です。91年といえばテクノ/ハウスといったクラブミュージックが徐々に市民権を得た時期にあたり、「Tresor」の時代とも密接にリンクしています。両者に共通して言えるのは、クラブミュージックへ真摯にコミットしたクラバーの支持を得ていたことなんじゃなかろうか。振り返れば80年代は享楽的なディスコの時代で、それらのハコはナンパ箱として大いなる役割を担っており、現在のようにシリアスなクラブ的存在は皆無だった。西麻布の大人たちが集まる洒落乙なクラブはあったものの、それらは業界人やら洒落乙ピープルのインチキ臭い社交場として機能していたように思う。音楽へシリアスに向き合う人達はディスコやクラブなどへ行かず、ライブハウスへ足を運んでいた。90年代以降になって初めて、クラブミュージックがテクノ/ハウスのエレメントを注入されたことによりシリアス度が増していったんじゃなかろうか。その流れに沿うようにして、新宿リキッドルーム、青山マニアック・ラブや西麻布イエローがクラブミュージック発信基地の役割を担って行った。かつてのクラバー達が高年齢化していくのに伴い、そういったシリアスなクラブは徐々に姿を消していっている。日本におけるクラブカルチャーのアイコン的存在が閉店してしまったのは極めて残念なんだけど、特定のハコに対する思い入れっていうのはどの世代も持っているはず。将来のクラブ文化を担っていくであろう若い世代にも期待していこうじゃありませんか。

Tracklist

Bam Bam – Where Is Your Child (DJ Rush Remix)
Surgeon – Remnants Of What Once Was
Robert Hood – Master Builder
Mike Huckaby – The Tresor Track
Cisco Ferreira – Womans Scent (Hertz Remix)
Cristian Vogel – Absolute Time
Joey Beltram – Ball Park
Joey Beltram – Game Form (Mike Dearborn Remix)
Joey Beltram – Game Form (Original Mix)
Joey Beltram – Instant (Original Mix)
Bam Bam – Give It To Me
Bam Bam – Where Is Your Child (Original Mix)
Surgeon – Returning To The Purity Of Current
Jeff Mills – Late Night
Robert Hood – Minus
Robert Hood – The Core
Joey Beltram – Instant (Paul Johnson Remix)
Drexciya – Devil Ray Cove
Drexciya – Under Sea Disturbances
Drexciya – Digital Tsunami
Robert Hood – Chase
Surgeon – Black Jackal Throwbacks

2013年6月6日木曜日

陸 尾山台店

先日、ラーメン二郎 上野毛店(過去の記事 )に初めて行った時のこと。お客さんの中に場違いな男子中学生たちがいた。食べ盛りの彼らは肉食獣のように二郎を喰らい、店主はそんな彼らを優しい眼差しで見ていた。お店とお客さんの間に見えない距離感がある二郎だけど、上野毛店はやけにほっこりとした空間だった。



そんな上野毛店で修業した方が独立して開いたのが二郎インスパイア系の「陸」だ。本店は世田谷通り沿いにあるんだが、僕は上野毛店にも近い尾山台店を訪問した。東急大井町線の尾山台駅から歩いて5分ほど、環八通り沿いにある。



このお店はブタの評判がなかなかいいので、「豚増しらーめん」を注文。通常の二郎のように「ニンニク入れますか?」とは聞かれない。その代わり、食券を手渡す時に麺の硬さ、ヤサイの量、アブラの量、味の濃さを指定する。この辺りは家系マナーに準じている。僕は麺硬め、ヤサイ多め、アブラ多めでお願いした。ヤサイは黄緑鮮やかなキャベツが添えられているが、全体的にモヤシの分量が多い。表面積の半分を占めているかと思われる豚バラロール6枚が圧倒的存在感を放っている。



搭載されている具を喰らう前に、隠れている麺を天地返しする。どんぶりの底からリフトアップされた大量の太め縮れ麺は小麦色。おもむろに口に放り込むと、小麦の香ばしい味と香りが広がる!硬めでお願いしたおかげで、適度な歯ごたえとポキポキ感が堪らない!程よく煮込まれたブタは味が十分に染みており、ジューシーなうまみと肉の柔らかさが実にハイクオリティ!もやしもシャキシャキ感が残っているので新鮮だ。とろみがかったスープは適度に乳化しているが、全く塩辛くなくてまろやかでマイルド&ライトな仕上がり。ボリューム的にかなりの量になるが、全体のバランスがいいので思う存分楽しめる。味の攻撃性は二郎には劣るが、裏を返せば角が取れて上品な仕上がり。量の破壊力はやはり間違いなく二郎インスパイア系だ。二郎界の中でもトップクラスのお店と言えるだろう。

住所:東京都世田谷区等々力1-30-16
陸 尾山台店ラーメン / 尾山台駅等々力駅九品仏駅 ) 
夜総合点★★★☆☆ 3.8 
昼総合点★★★☆☆ 3.8

2013年6月3日月曜日

Zug - Reshaped and Remodeled : Conrad Schnitzler / Ricardo Villalobos / Max Loderbauer


Zug - Reshaped and Remodeled : Conrad Schnitzler / Ricardo Villalobos / Max Loderbauer

タンジェリン・ドリームやクラスターといったバンドで活動を行い、ジャーマンプログレッシヴ・ロックの始祖として知られるコンラッド・シュニッツラー。惜しくも2011年に没していますが、彼の電子音楽的DNAを現在に継承しようと、リカルド・ヴィラロボスとマックス・ローダーバウアーが解体・再構築。以前、この二人はジャズ・レーベルである「ECM」の音源を再構築した「Re: Ecm」(過去レビュー)をリリースしていることから確信犯的タッグと言えるでしょう。今回の素材となっているのが、コンラッド・シュニッツラーが1974年にカセットテープでのみリリースしていたミニマルトラック「Zug」であり、有難いことにYouTubeで耳にすることが出来る。これがどのようにリシェイプ~リモデルされているのか聴いてみたところ…

M1は粘着力あるキックとフリーキーな電子音が飛び交うクラブトラックで、ヴィラロボス節がこの時点で全開。続くM2ではアブストラクトな音響が不気味に蠢いていおり、聴き手の不安感を煽っていく。M3ではBasic Channel以降のミニマル・ダブの始祖と言われているStefan BetkeことPoleが地下ダブを構築し、M4ではこの盤をリリースしたレーベル m=minimal のオーナー二人が重たいキックのミニマルへと再構築。徐々に近づいてくる機関車の警笛がやたらと不気味に響き、やがてこの盤の中で一番分かりやすい四つ打ちトラックへ変貌。いずれにしてもどのトラックも劇薬になりうるものなので、シチュエーションを選んで聴くのがいいでしょう。

1. Zug – Aktion Mix (19:24)
2. Zug – Sorgenkind Mix (14:12)
3. Zug – Pole Mix (07:03)
4. Zug – borngräber & strüver Mix (10:34)