2013年6月27日木曜日

Mash : Shin Nishimura


Mash : Shin Nishimura

1年以上も前にリリースされたShin Nishimuraの新作を今さらながら。BPMゆったり目の流麗なシンセ音が印象的なテックハウスから始まり、パーカッシヴな硬質ミニマルへと続き、ボイスサンプルを使ったこれまたストイックなミニマルへと。更にはShin Nishimuraのルーツとも言えるアシッドベースがフィーチャーされ、徐々にBPMが緩やかに速くなっていく。やはり場数を踏んできた現場主義の男が作る作品だけあって、徐々に盛り上がっていき最後はハッピーな感覚に満ちている様はまるでパーティだ。

このアルバムはストイックに作られたミニマルトラックで構成されているが、作品を覆っているのはオプティミスティックな感覚だ。決してダークなものではない。ベルリンから発せられるテクノとは違い、UK寄りの硬質なテクノで彩られている。ジャケットや裏ジャケットのデザインはロンドンの地下鉄をモチーフにしていることから、つまりはそういうことなんだろう。高校時代にShin Nishimuraがクラブミュージックへ覚醒した彼の地ロンドンに思いを馳せているはずだ。しかもジャケットデザインはモッズカラーだけでなく、青い海に囲まれた日本をも意識しているという。「Frustration (No Nuke's Re-Edit)」というトラック名からも分かる通り、この作品はShin Nishimuraの心意気が詰まったアルバムだ。

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