2013年7月20日土曜日

連続テレビ小説「あまちゃん」オリジナル・サウンドトラック


連続テレビ小説「あまちゃん」オリジナル・サウンドトラック

ドラマとしては異例の大ヒット、もはや社会現象にまでなりつつある連続テレビ小説「あまちゃん」がぶっちぎり状態になっています。何故ここまでヒットするのか?宮藤官九郎の脚本が面白いから、というだけではないようです。能年玲奈が演じるあまちゃんがピュアで天然な魅力を発揮しているから。小泉今日子が演じる母親 春子のやさぐれっぷりが半端無いから。薬師丸ひろ子が演じる、往年の清純派アイドルにして国民的大女優である鈴鹿ひろ美のワガママっぷりに腹抱えるから。随所に80年代ネタをちりばめて、突っ込みどころが満載だから。…魅力を上げればきりがないんだけど、王道の朝ドラでありながら全方位をカバーしているからだと思います。つまり従来の朝ドラファンも満足できる王道っぷり、僕らアラフォー世代を飽きさせない80年代文化やアイドル事情が盛り沢山。更にはAKB世代までも取り込みつつ、通常の見方ができながらもオタク的に突っ込んだ見方もできるという画期的ドラマなのです。

更にドラマで重要な役割を果たしているのが大友良英による音楽。こちらもドラマのサントラにしては異例の大ヒット。視聴者を元気にするオープニングテーマは誰の耳にも馴染みやすく、泣く子に聞かせればあっという間に笑顔になってしまう曲。スカとチャンチキをベースにしながら、どのジャンルにも属していないという不思議にアヴァンギャルドな曲です。そもそも大友良英はギタリスト、ターンテーブリストにしてアンダーグラウンド音楽の大家。フリージャズを基礎としながらノイズミュージックや現代音楽を追求するミュージシャンです。そんな人が作る音楽だからこそ、耳に馴染み易いながらもどこかひねくれて通をも唸らせる。まさしくドラマのあまちゃんそのものじゃないか。

東日本大震災の後、DOMMUNE FUKUSHIMA!というプロジェクトが立ち上がりました。これにも福島育ちの大友良英が参画していますが、立ち上げ時にライブストリーミングされた大友良英のギターが非常に印象的でした。無言でかき鳴らすフィードバックギターの洪水やノイズの嵐。明らかに大友良英は激怒していました、ギターから火が吹いているかのようでした。故郷が汚されたことに対して、ギターを通じて怒りを表明していました。でも普段は訥々とした喋りで優しさが伝わってくるかのよう。そんな故郷を愛する大友良英の素敵でアヴァンギャルドな音楽こそ、ドラマあまちゃんの重要な構成要素なのです。

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