2013年9月28日土曜日

Bali (Day 3-4)

【day 3】

3日目の午前中はホテルでくつろいだ後、島で一番栄えているクタまで足を伸ばしました。ヌサドゥアからクタまでタクシーで1,000円ほど。タクシーの運転手は「あそこには行ったか?なかなか良いので連れてってやろうか?」等あの手この手を使って遠回りさせようとする。はっきりと「俺はxxxに行きたいんだ」と言い切ることが大切なのです。



クタの目抜き通りであるレギャン通りをひやかします。クルマやバイクの喧騒、観光客、サーフショップの数がものすごい。かなり観光ズレしてるなー。



ポピーズ通りという狭い路地に入ります。こんなに狭くてもお店が密集しており、バイクがかなりのスピードで駆け抜けていきます。ここではひったくりやスリが多そうです。治安の悪い地区をガイドに尋ねたら、即答でクタって言ってたもんな。



海岸沿いのラヤ・パンタイクタ通りに出ます。ファーストフードやサークルKの看板がやたらと目につく。僕が求めているのはこんな場所じゃないんだよな。神々の島はどこに行った。




遠浅で広々としたクタビーチに出ました。わらわら寄ってくる物売りを無視し、水平線に落ちてゆく夕日を眺めます。



インド洋に沈んでいく夕日。観光地にひしめいている俗物たちを排除すれば、この島にいる神々たちを感じられるのかもしれない。

【day 3】

バリ島中心部から離れたところを観光するには、オプショナルツアーに参加するか、車をチャーターすることになる。行きたいところをリクエストしたり、あれこれ融通の効くことを考えるとカーチャーターがお勧めです。8時間チャーターして約8,000円/車。ガイドもしてもらえるので、我々観光客にしてはリーズナブルな金額といえる。ただし、彼らへのキックバックが発生するお土産屋や観光スポットにもしれっと連れて行かれるのは仕方ないところ。

さて、この日はヌサドゥア地区から車で2時間ほどかかるキンタマーニ高原に行き、その後観光スポットのウブドへ。キンタマーニ高原…名前が有名だよね。



途中、休憩で地元コーヒー園に立ち寄る。



やはりバリコーヒーやジャワコーヒーが有名ですよね。



コーヒー園の裏手は鬱蒼としたジャングルです。



おばあさんがこれみよがしにコーヒー豆を煎っています。



コピ・ルアクを淹れてもらいました。コピ・ルアクとはジャコウネコの糞から採られる未消化のコーヒー豆のこと。産出量が少なく、世界で最も高価なコーヒーだそう。これ一杯で500円だもんね。当然ここでもキックバックが発生しているに違いない。





キンタマーニ高原につきました。霊峰であるバトゥール山と、カルデラ湖であるバトゥール湖を眺めながらランチを取ります。確かに神々のパワー漲るスポットだと言える。ここまでたどり着くのに約2時間。舗装状況の悪さや車の乗り心地の悪さで結構疲れています。





ウブドに向かう途中、棚田で有名なテガラランに立ち寄ります。ここはバリ島観光スポットの中でも外せないところだと言える。



さて、ウブド。神々が宿る伝統芸能の中心地なんて言われていながら、とんでもない車とバイクの量。すさまじい観光客の群れ。なんだここ。こんなところは求めていなーい。それにしても欧米からの観光客がひたすら多い。アジア系では中国、台湾、韓国からが多く、我が同胞日本人はそれほど目立たない。パワースポット的で神秘的な場所を想像していただけに、この残念な喧騒は僕の期待を裏切ってくれた。





ウブドの中心とも言えるサレン・アグン宮殿で癒されます。こういった朽ちた感じの遺跡とか、鬱蒼とした森林の街を想像していたんだけど、クタ並に観光ズレしているウブドでした。





この日は中秋の名月。ホテルに戻ると、空にはまんまるのお月様が煌々と輝いていた。バリで満月を見れたのはラッキーだったかもしれない。



ビーチ沿いのレストランでは中国の中秋節を祝うイベントが行われていました。

2013年9月25日水曜日

Bali (Day 1-2)

今年の夏休みはバリ島に行ってきました。これまでバリ島に行ったことがなかったんですが、僕の周りには行ったことのある人が結構多い。しかも神々の島とか呼ばれている。これは気になる。実はインドネシアって人口は世界で4番目、イスラム教国家としては世界最大の国なのね。バリ島に限ってはヒンドゥー教ですが。

【day 1】

今回の旅行は羽田空港国際線ターミナルを初利用。夜中の1:00に離陸し、朝の7:30に現地到着です。羽田は自宅からアクセスが良く、バリ島は時差が殆ど無いので、それほど疲れずに済みます。






現地に到着してからガイドさんにピックアップしてもらいます。チェックインまで時間があるので、スパやら食事やらで時間つぶし。今回宿泊するヌサドゥア地区近辺のレストランでランチです。シーフードのナシゴレンを頼んで、ビンタンビールで乾杯。インドネシア料理って炒めものが多いので、どのお店も大差ないことに後々気づく。




ヌサドゥア地区に入るには厳重なセキュリティゲートを通過しなければならない。過去のバリ島爆弾テロ事件があってかららしい。しかもこの地区ではAPECが行われるそうな。今回宿泊するホテルは「Meliá Bali」というところです。


広々とした開放感溢れるロビー。



そして吹き抜けのある宿泊棟。敷地面積からいってメガリゾートホテルと言っていい。




ホテル入口ではガムランに合わせて、女性二人がバリ舞踊を披露していました。とは言っても気の抜けたビールのように緊張感がないのが南国らしい。

【day 2】

バリ島の移動手段は車が中心。しかもそれぞれの地区がかなり離れているので、ホテル内でのんびり過ごすことが必然的に多くなる。この日はプールでひたすら太陽を浴びながら、ビンタンビールをがぶ飲みしました。何もしないで、何も考えないで、ひたすら南国の光を浴びる。何もしないのが贅沢なのです。














ホテル近くのビーチでは地元の若者達が黄昏れていました。

2013年9月22日日曜日

らーめん 辰屋



先日、都心に向かう途中、世田谷にある二郎インスパイア系「らーめん辰屋」を訪問。電車で行く場合は東急世田谷線に乗る必要があるので、アクセスにやや難がある。それにしてもこの界隈は「蓮爾 さんこま店 」、「らーめん 陸 」、「千里眼 」などの名立たるインスパイア系が多い。



入店して「醤油らーめん ヤサイ少なめで」と注文する。ここのはヤサイがかなりのボリュームらしく、少なめにするぐらいが丁度いいと聞いていたからだ。しばらくして「辰醤油らーめん」というメニューが本命であることに気づき、慌てて店主に問い合わせる。

筆者「あの、すいません」
店主「今話しかけないで!」

...一斉に客の白い目が僕に注がれる。(ちっ、これだから一見さんに敷居の高い二郎系は嫌いなんだよ)と思いつつ、恐縮しながら店主が聞き返してくるのを待つ。

店主「さっき何か言ってたの、あなただっけ?」
筆者「はい、醤油らーめんと辰醤油らーめんって違いますか?」
店主(当たり前だ)というようにおもむろに頷く
筆者「辰醤油に変えてもらっていいですか?」
店主「ああ、もう出来ないね」
筆者「分かりました、すいません」



出てきたのは二郎インスパイア系とは大きくかけ離れた、見るも無残なしょぼいラーメンだった。



取りあえず天地返しをするが、うどんのような麺の太さだけが二郎系の片鱗を残す。肉もしょぼくでヤサイも少なくて、スープのだしも感じられない。普通の醤油らーめんとしては食べるには惨め過ぎるものだ。その時気付いた。二郎系とはボリュームがあってこそ、全てを縮小すると無残な食べ物に成り果ててしまうのだ。かと言って、この店の売りである辰醤油らーめんを食べないで評価を下すのはフェアと言えない。再来店を決意した。



そして次週、食べそこねた看板メニュ「辰醤油らーめん」を食べるために再来店した。他客が「醤油らーめんと辰醤油らーめんの違いは何ですか?」と聞いているので耳をそばだてる。店主曰く「鰹節がかかっているかどうかだよ」とのこと。そびえ立つマシマシレベルの野菜の上には鰹節がまぶされており、しかもデフォルトでニンニクと刻みタマネギが添えられている。玉子と繊維質たっぷりでほろほろ柔らかい2枚のブタを先に食べてから天地返しを行うと、うどんのような極太麺がこんにちは。



この極太麺は適度な柔らかさに茹でられており、しかもスープがじんわり染みこんでいてかなり旨い。麺を重視しているという店主の薀蓄も頷ける。スープはライトボディのマイルド豚骨醤油味でやや薄味ながら、ニンニクと玉ねぎ、鰹節が混ぜあわさることにより、旨味とコクが溢れるスープへと変貌する。ヤサイもキャベツ比率が高くて、しゃっきりしたモヤシの量も充分だ。確かに二郎インスパイア系といいながら二郎とは全く別物。前回食べたしょぼすぎる醤油らーめんとも全く違う。敢えて二郎インスパイア系とカテゴライズするが、その中でも上位にランキングされるであろう名店だ。

住所:東京都世田谷区世田谷4-13-20
らーめん 辰屋ラーメン / 松陰神社前駅世田谷駅若林駅 ) 
夜総合点★★★☆☆ 3.6 
昼総合点★★★☆☆ 3.6

2013年9月19日木曜日

Made in Basing Street : Producers


Made in Basing Street : Producers

古い旅行写真を見返したとき、感傷的な気分になることはないか?その時に感じた料理の味や風のそよぎ、空気の匂いなどを瞬時に思い出すことはないか?僕はこのアルバムを聴いたとき、まさしくこのような感覚を覚えた。懐かしいんだけど今ここにいるような感覚。過去の自分が今ここに蘇ってくるような錯覚。そういった魔法がこのアルバムには詰め込まれている。

Producersは2006年にデビューを果たしたバンド。2012年には本デビューアルバムをリリースしているが、それまでシングルリリースや小規模なライブ活動と並行してアルバム制作を続けていた。と書くと、まるでこのバンドは売れてない新米バンドと思われがちだが実は違う。トレヴァー・ホーン、ロル・クレーム、ステファン・リプソン、アッシュ・ソーンを中心として結成された、文字通りプロデューサー達によるスーパーバンドなのだ。

トレヴァー・ホーンは「ラジオ・スターの悲劇」で有名なバグルスからキャリアを始め、イエスへ参加した後はZTTレコードを立ち上げてプロデュース業に専念することになる。ロル・クレームは「I'm Not In Love」で有名な10ccに参加した後、バンド活動だけでなく映像制作でも有名なゴドレイ&クレームのメンバーとなる男。ステファン・リプソンはZTTレコードに於けるトレヴァー・ホーンの右腕として活躍し、FGTHやペット・ショップ・ボーイズ等の作品制作に関与している。ドラムを担当するアッシュ・ソーンはこの中でも若手で、長い歴史を持つ英バンドSqueezeにドラマーとして参加した経歴を持ち、その他多くのアーティスト作品にスタジオミュージシャンとしている。

そんな熟練職人集団のようなバンドだけに、この作品の完成度はずば抜けて高い。英国一流のポップセンスを高らかに主張し、非の打ちどころがない演奏技術に舌を巻く。録音技術もおそろしいほど素晴らしく、その音質の良さや音響の組み立てっぷりに改めて感動する。全体的にZTT色はそれほど濃くなくて、思いっきりバンド風情なんだけど、ニューウェーブ的にカラフルなポップスやAOR、ブルース、カントリーといった様々な要素がたっぷりと詰め込まれている。80年代における色鮮やかでマジカルなポップ色が全開になっているので、あの時代を知っている人たちは(もちろん知らない人たちも)是非聴いてほしいアルバムです。

2013年9月16日月曜日

WIRE13


今年もWIREに行ってきました。今回が15周年ということなので、もはやここまでくると地元のお祭に参加するようなもの。皆勤賞ではないんだけど、初回のWIRE99から参加している身としてはちょっぴり感慨深いものがあります。今回のメンツは例年にも増して豪華。野球で言えば緊張感のあるペナントレースというよりも、オールスターゲームのような祝祭感のあるイベントみたいなもんです。

【Agoria】






あまり早く入場したくなかったんだけど、フランスからAgoria登場ということもあって19:00に会場入り。当然ながらこの時間帯の客入りは今ひとつ。Agoriaのプレイも主体性に欠けるような、つまりあっちゃこっちゃにモードを変えてしまうようなプレイで今ひとつ。軽く身体を揺らせながら、来るべきラインナップに備えます。

【Ken Ishii】











Agoriaの後には久々にMijk Van Dijkが登場してライブを披露していたんだけど、2人の女性ボーカリストに加えて、自身もマイクを取って歌うというちょっとお寒い状況でした。そんなライヴをやり過ごして20:55から東洋のテクノゴッド Ken Ishii が登場。ブースに現れた途端、アリーナの雰囲気がヒートアップするのが分かるほどだったのは流石の存在感。期待を裏切らない闘魂溢れるハードエッジなテクノを激しくスピン。更には大名曲「Extra」までスピンすると会場のボルテージは最高潮に達した。徹頭徹尾テクノ爆弾をフロアにドロップし続ける姿に神々しささえ覚えました。

【Westbam】









22:00には久しぶりのWestbamが登場。ブリーピーなボディミュージックやエレクトロは健在で、陽気に会場を盛り上げる。スクリーンには今年のWIREガールが投影されてますが、彼女たちを見るのも一つの楽しみ。今年のWIREデザインをあしらったドレスを着ながら、ダンスに疲れた野郎どもを最高の笑顔で癒やすのは萩原みのりさん。16歳というから初回WIRE99の時は、まだよちよち歩きだったのね。

【Giorgio Moroder feat. Chris Cox】







今回の目玉の一つ。もはや偉人といっていいジョルジオ・モロダー大先生の登場です。今年になって来日公演を行い、ダフト・パンクともコラボレーションを行うなど、73歳とは思えない活動っぷり。この会場の中でも間違いなく最高齢アーティストです。アリーナ後方には踊り疲れた人達が休める席が設けられているんだけど、その中に明らかにおじいちゃんなお客さんがいたんだよね。ジョルジオ・モロダー目当てで来場していたんだろうか。確かに以下のセットリストを見れば、その年代がいるのも頷ける。

なにしろドナ・サマーの「I Feel Love」だよ!羽賀研二 リマールの「ネバーエンディングストーリー」だよ!「フラッシュダンス」だよ!ベルリンの「愛は吐息のように~トップガン・愛のテーマ~」だよ!最後はブロンディの「コール・ミー」だよ!僕を含めたベストヒットUSA世代は大歓喜し、失禁しながら踊り狂ったことだろう。更にイカすのがWIREガールがモロダー大先生仕様になっていること。ドナ・サマーの姿も映し出されて、ディスコティークな雰囲気が溢れでたフロアになっていました。

setlist :

From Here to Eternity : Giorgio Moroder
Utopia : Giorgio Moroder
Love to Love You Baby : Donna Summer
Neverending Story : Limahl
Hot Stuff : Donna Summer
E=MC² : Giorgio Moroder
Together in Electric Dreams : Giorgio Moroder and Philip Oakey
Flashdance : Irene Cara
Take My Breath Away : Berlin
I Feel Love : Donna Summer
Giorgio By Moroder : Daft Punk
Call Me : Blondie

【石野卓球】



オーガナイザーである石野卓球が登場したのが23:50。この頃、アリーナを埋める観客数はピークに達していたに違いない。相変わらずの安定感で、Westbamのプレイにも似ているファニーで陽気なテクノをスピンし続ける。僕が期待していたのはそこではなく、テレビブロス誌上の天久聖一vs石野卓球インタビューに載っていたあること。

卓球「そう、今年のWIREは万博スタイルでいこうと思ってる。会場にはさまざまなパビリオンが建てられ、その中央には巨大なシンボルがそびえ立つ」

天久「それは太陽の塔的な?」

卓球「いや、WIREのシンボルはふきの塔さ」

天久「ふきの塔?」

卓球「春になると地面を割って現れるふきのとう、その生命力にあやかって会場の中央には屋根を破った巨大なふきの塔が建てられる予定なんだ」


やはり石野卓球は裏切らない、夢は時間を裏切らない。ご覧のとおり、スクリーンには「ふきの塔」が映し出されている。去年と同様、ここに食いついた客は殆どいないと思われる。

【Hell】





ミュンヘンから登場する毎度の伊達男ヘル。この男にしか醸し出せないセクシーで耽美なテクノがWIRE女子の股間を直撃。いつのも地獄皇帝のようにニューウェーヴ的な香りはやや控えめになっており、暗黒感を漂わせたダークなテクノが中心にスピンされていた。

【Len Faki】





2:00からベルクハイン直系のLen Fakiが登場し、疲れきった観客の身体にムチを入れていく。これ以上ないほどのホラーで暗黒なアンダーグラウンドテクノで、真夜中の祝祭はピークを迎えようとしていた。

【Josh Wink】






3:00にはフィラデルフィアからのベテランJosh Winkが登場。この頃になると後方席には死体の山ができあがり、フロアには徐々に狂人が現れる。通路で踊りまくる奴、走りまくる奴、虚空を見つめ続ける奴…まさに会場はピークに達していた。

【田中フミヤ】



メインフロアのトリはSven Vathだったので、田中フミヤのプレイを聴くためにセカンドフロアへ移動。WIRE皆勤にも関わらず、ここ数年のプレイを聴くのはご無沙汰。オーガニックな曲を選びぬき、繋ぎ目が殆ど分からないほどシームレスにビルドアップ。相変わらず有機的な音をストイックに積み上げて、気がつけばオーディエンス皆がいつの間にか持っていかれるという始末。メインフロアでは確認できない、狭いセカンドフロアでしか確認できない田中の中の田中のストイシズム溢れるプレイ。一番最後に最高のプレイを堪能できて本当に良かった。