2014年1月4日土曜日

20th : V.A.


20th : V.A.

テクノレーベル「とれま」が20周年記念編集盤をリリース。20年も続いているテクノレーベルは日本では皆無であるという事実は、とれまこそが日本のテクノの大黒柱的存在という事実とほぼ同義。と言っても、この編集盤を聴けばそんな祝祭感や気負いなんてものは全くない。あるのは深夜2時以降に暗いところで鳴らされるマッドネスとカオスだけだ。

収録されているのはレーベル初期音源に加えて、未発表音源が2トラック(田中フミヤ自身の「1999」と「Do Op To Far」)。この中でも注目してもらいたいのが「Dove loves dub」と「From Time To Time」のトラックで、前者は石野卓球の変名、後者は砂原良徳のユニット。メジャーアーティストからの信頼を寄せられていた上に、共闘の同志でもあったわけだ。

田中フミヤ自身が担当しているミックスは、使われているのがとれま音源のみということもあり、本来持ち合わせているシームレス感覚は希薄だ。特に Dove loves dub の「Tokyo tone toner mix (tanzmuzik remix)」は非四つ打ちということもあり、一連の流れの中で異彩を放っている。それでもやはり、寄せては返す波のように美しいシンセ音と、緻密にプログラミングされたブレイクビーツは素晴らしい。このトラックを敢えてミックスする辺りに田中フミヤの冒険性を感じる。リマスタリングも施されているので、音質的にも過去の「とれまクラシックス 」に比べて格段の出来になっており、今の時代にも十分通用する内容になっている。

tracklist

01. Akio Milan Paak - Gulcia
02. Fumiya Tanaka - three storied pagoda (1997)
03. Hitian Twin - jajouvka funk mix
04. Fumiya Tanaka - 1999
05. Arp2600 - trancer-2600 (from time to time remix)
06. Fumiya Tanaka - pitch black
07. Karafuto - karafuto
08. Dove loves dub - Tokyo tone toner mix (tanzmuzik remix)
09. Speaker - mine
10. Fumiya Tanaka - Do op to far

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