2014年1月16日木曜日

Ordinary Love : U2

僕が思春期を送った80年代は世界情勢的にかなり不安定な時代だった。世界は東西の二つに大きく分かれ、いつ戦争が起きても不思議はない時代だった。南アフリカ共和国は人種隔離政策(アパルトヘイト)という今では考えられないような政策をとっていたが、その体制を終結に導いたのが27年もの長きに渡って投獄されていた不屈の闘士ネルソン・マンデラ氏だった。

それだけ長きに渡り投獄されれば、常人は相手を憎悪する。だがマンデラ氏はキリスト教の重要な教義である「赦し」を貫いた。相手を赦すのではない、罪深い人間とその罪を赦すのだ。憎悪は負の連鎖しか生まない。連鎖を断ち切るには「赦し」が必要なのだ。だが、これほど難しいことはない。これを実行するために重要なのが隣人を愛することなのだ。普通の愛(Ordinary Love)で。


Ordinary Love : U2

U2 3年ぶりの新曲はマンデラ氏の伝記映画「マンデラ 自由への長い道(Mandela : Long Walk to Freedom)」に提供されたもの。2013年のレコードストアデイに10インチヴァイナル限定でリリースされたが、今では配信でも入手することが出来る。この曲がリリースされてから、わずか1週間足らずでマンデラ氏は逝ってしまった。80年代からマンデラ氏を支持し続け、それ以降も親交を深めていたU2だけに、今こそこの曲が持つ意味は大きいと言える。

0 件のコメント:

コメントを投稿