2014年3月30日日曜日

Renaissance : The Masters Series by François K

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昨年4月(というか殆ど一年前)にリリースされた、巨匠 Francois Kevorkian のミックス CD を絶賛ヘビーローテーション中。何しろ2枚組という大ボリュームだけあって、腹の中で消化しきるのに時間がかかります。これというのも膨大な経験と知識に裏打ちされた DJ による、多岐に渡ったジャンルレスな選曲だからこそ。スキルフルで、信頼性と安定性に満ちたプレイが成されています。Disc-1では Jazzanova や自身のクールでディープなハウスや序章を告げ、徐々に硬度を増していく。中盤の Scuba によるトラック~ Locked Groove によるトラックでドラマティックな転換を披露し、インダストリアルに前半の終盤を締める。浮遊感溢れるトラックで Disc-2 が始まり、エスノな香りを仄かに燻らせつつ、正攻法なミックスで終盤へとグルーヴと狂騒をキープし続ける。やがて朝日を迎えるように、バレアリックな響きのトラックで感動的な最後を締めくくる。最先端モードをリードしつつも、エッセンシャルな輝きを放ち続ける様はまさしく匠の技と言えるでしょう。

Tracklist

1-01 – Jazzanova Feat. Paul Randolph I Human (The Mike Huckaby Jazz Republic Downtempo Mix)
1-02 – François K Featuring Terry Burrus Mystical Lady
1-03 – Anton Kubikov Chords
1-04 – Daniel Avery Drone Logic (Factory Floor Remix)
1-05 – Jeremy Greenspan And Laurie Spiegel Drums&Drums&Drums
1-06 – Detroit Swindle Creep
1-07 – Tuff City Kids Begger
1-08 – Maetrik Walk Alone (Maceo Plex Revenge Mix)
1-09 – Marcus Worgull And Peter Padeike* Salam
1-10 – Nautiluss Zero Gravity
1-11 – Scuba Untitled
1-12 – Locked Groove Dream Within A Dream
1-13 – Echologist Buzz Factory
1-14 – A Made Up Sound Sweetback
1-15 – Blawan 6 To 6 Lick
1-16 – Objekt Porcupine

2-01 – Luca Bacchetti Atlantic
2-02 – Acid Mondays Feat. JD73, Shovell The Drum Warrior And Wolfgang Haffner El Recorrido
2-03 – Michel De Hey Vs Rauwkost Bluetrain
2-04 – Andre Crom And Martin Dawson Feat. Roland Clark Back To The Future (Flashmob Remix)
2-05 – Benny Rodrigues Nostalgia
2-06 – Technasia Bastille Days
2-07 – François K Dark Magic
2-08 – Delano Smith Inspiration (Reconstruction By Makam)
2-09 – Random Audio The Model
2-10 – Stephen Brown Fuego
2-11 – Gary Beck Askaig
2-12 – Adam Beyer And Alan Fitzpatrick Human Reason (Len Faki Remix)
2-13 – Alden Tyrell Tntus
2-14 – Trevino Forged
2-15 – Chronophone Eiffel In Love

2014年3月27日木曜日

赤ひげラーメン


関東各地にある二郎及び二郎インスパイア系を攻略し続けていますが、そろそろ家の近くで未訪問の店がなくなりつつある。そこで今回は横浜南部の新杉田にある、二郎インスパイア系の雄として知られる「赤ひげラーメン」を訪問。車で1時間かかる遠路をものともせず、開店直後に到着すれば待ちなしという僥倖に恵まれました。


ラーメン小(150g、650円)、ラーメン(300g、680円)ラーメン大(450g、780円)から迷わず普通のラーメンを選ぶ。他メニューにはまぜそばがあったが、ここはやはり基本に忠実なラーメン普通盛りを頼むのだ。無料トッピングは野菜多めとニンニクで。


やや少なめながらジンワリと味の染みこんだブタは柔らかく、口に含んだ瞬間にほろりと崩壊してしまう儚さがある。ヤサイはクタ手前ほどの茹で加減でキャベツ比率高めなのが嬉しいところ。食べ進むにつれてクタ加減が進行していき、丁度いい柔らかさになっていくのが素晴らしい。そして特筆すべきはそのスープ。甘辛味と旨味を完備して絶妙なバランスの上に成り立つ味わい深いスープ。二郎系のそれを完全再現しており、もしかして二郎を凌駕している?とさえ思える味わいだ。全体的にアブラ控え目なのでライト感覚を楽しむことが出来る。


麺の太さは二郎系としては標準的な太さで、少々やわめに感じられたがそれでも十分食べ応えあり。オーションをたっぷり使った麺を順調に胃袋へ収めていく。旨い、本当に旨くて気がついたらスープを完飲していた。豪徳寺の「りらくしん」(過去の記事)と同様、スープ最後の一滴まで楽しむことが出来るその旨さ。僕は二郎原理主義者ではないので、直系であろうとインスパイア系であろうとウエルカムな男だが、直系・インスパイア系の中でも上位クラスに位置する素晴らしい味だった。片道1時間もかかってしまうが、本気でまた行きたくなってきた。

赤ひげラーメンラーメン / 新杉田駅杉田駅屏風浦駅) 夜総合点★★★☆☆ 3.9 昼総合点★★★☆☆ 3.9

2014年3月24日月曜日

Pacific : 鈴木茂 山下達郎 細野晴臣

大瀧詠一氏が逝ってから過去のナイアガラ作品を聴き漁っているだけじゃなく、70年代の山下達郎や細野晴臣作品まで聴き漁ってます。その中で見つけた珍しい作品が、このアルバムに入っている「コズミック・サーフィン」。このアルバムは鈴木茂/山下達郎/細野晴臣の3人が作った、70年代の香りが漂うフージョン志向のリゾートアルバム。その中でも一際異彩を放っているのが細野晴臣名義の「コズミック・サーフィン」です。

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「コズミック・サーフィン」は言うまでもなくYMOの初期名曲で、ファーストアルバムの「Yellow Magic Orchestra」に収録されており、「パブリック・プレッシャー」でもライヴ演奏されている。YMOチルドレンの電気グルーヴがアルバム「UFO」やシングル「MUD EBIS」でもカバーを披露しています。それらのオリジナルとなるのが、このアルバムに収録されているトラックなのです。

70年代の細野晴臣と言えば、細野晴臣&イエロー・マジック・バンド名義で「はらいそ」を作っていることから、この頃からYMOの構想はあったと思われる。ただし「はらいそ」はトロピカル最終作と言われることから、YMOに見られるようなシンセサイザーの使い方はしていない。一番の転換点となったのが、横尾忠則とのインド旅行であり、帰国後に作った細野晴臣史上で最凶のサイケデリックアルバムと言える「コチンの月」だろう。旅行から戻って松武秀樹氏と邂逅し、それまでのチャンキーミュージックから電子音楽へと180度転換してしまう。坂本龍一をして「細野さんは何を作ろうとしているのか分からない」と言わしめるほどシンセを使い倒して作ったのが「コチンの月」であり、同時期に作られたのが「コズミック・サーフィン」なのだ。

このオリジナル版「コズミック・サーフィン」はYMO版とは異なって完成度は低い。しかしジョルジオ・モロダー並みのシーケンサーを使っており、明らかにYMOの原型といえるばかりか、電気グルーヴのカバー(「MUD EBIS」に収録されている Live at Automatic theatre L.A. の方ね)にも大きな影響を与えているのは確か。この頃の作品を聴き直すと、こういったコンテクストを再発見することが出来て非常に興味深い。「コチンの月」については非常に劇薬なアルバムなので、折を見て書きたいと思います。

2014年3月21日金曜日

一二三家


横浜 都筑区にいつの間にか新しい家系が出来ていたので、早速足を運びました。都筑区には「近藤家 」「しらいし 」「うえむらや 」といった家系の名店が乱立しているので、ここに殴り込みをかけるとはお店の本気度が伺えるというものだ。単純に横浜家系といっても、源流から本流・支流・亜流へと枝分かれしたことを考えると、その奥深さは常人には窺い知れないほど深い。そんな中でもかなりの高評価を得ているのが横浜 黄金町にある「千家」なのだが、この「一二三家」は千家直系ということだ。


「千家」はネギラーメンで有名ということだから、ここでもネギラーメンを中盛、麺硬め、ほうれん草増し(50円)で注文。ごま油で和えられた白ネギがたっぷりと載せられているが、実は数多くの家系ラーメンを食べていながらネギラーメンを食べるのは初めて。辛みと苦味のある大人の味であるネギを食いながら、スープを啜って「…旨い」と唸る。ダシは当然ながら豚骨中心だがくさみは全くなく、店の特徴である白ごまが振り掛けられているのでまろみと甘みすらある。家系の中でもかなりマイルドでライトな部類に入るが、辛みと苦味のあるネギがスープと次元を高めあっている。


具材には家系標準の海苔、ほうれん草、チャーシューが使われているが、豚ロースが使われているチャーシューはしっかりした食べ応えだ。更に特徴的なのが麺の太さ。通常の家系だと太めで緩やかにウェーブした麺だが、ここのは標準よりもやや細めの中太麺で、なかなかよく縮れている。適度な固さでもちもちしており、キレのあるクリーミーマイルドな豚骨醤油スープとの相性も抜群だ。総じて言えばハイクオリティな部類に入り、また足を運びたくなるお店だった。

一二三家ラーメン / 鴨居駅
夜総合点★★★☆☆ 3.7
昼総合点★★★☆☆ 3.7

2014年3月18日火曜日

Morning Phase : Beck

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6年ぶりという Beck の新譜をひたすら聴き続けている。これはもう「聴き続けている」というよりも、この作品に対する我が魂の欲求が抑えられない、という方が正確だろう。それぐらいに素晴らしく響き渡る音楽としか言いようがない。

去年連続リリースされたシングル群とは作風が異なり、過去の名作「Mutations」(過去レビュー)や「Sea Change」(過去レビュー)を踏襲したアシッドフォーク路線。しかも「Sea Change」制作時のミュージシャンを再集結させており、「Sea Change」の続編的な位置づけになるらしい。ちなみにこの作風になる時、ジャケットもセルフポートレートになるという法則も変わらず。

まず厳かなインストナンバーから始まり、タイトルやジャケットに表わされるような朝の到来を感じさせる。脊髄損傷による身体の深刻なダメージに数年悩まされ、ようやく回復した男の静かなる喜びが伝わってくるようだ。揺らいでいる幽玄な音響処理に包まれて、歌心のあるカントリーやフォークのようなトラディショナル音楽がリスナーを優しく包み込む。幾層にも積み上げられたコーラスワークは60年代の西海岸フォークを彷彿とさせ、多くのアメリカ人が持ち合わせているであろう郷愁を誘う。全編に渡ってサイケデリックかつレイドバックな感覚が行き渡っており、最終曲の最終部分では完全復活を宣言するかのような感動的フィナーレ。沁みる、沁み入りすぎる。今年の最高傑作の一つと数えてもいい。

僕らの毎日はいつも希望の朝で始まるわけでもなく、残酷な予感で始まる朝だってある。それでも朝は確実にやってくるもので、その到来は間違いなく光に包まれているのだ。

2014年3月15日土曜日

瞠 恵比寿店


東京ラーメンの聖地とも言える恵比寿。ここ数年は勢いが感じられなかったんですが、ようやく最近になって復権の兆しが見えてきました。その一翼を担うのが「瞠(みはる)」というお店。本店は池袋にあるそうで、濃厚な魚介豚骨系を食べさせてくれるお店だとか。しかもプロデュースを手掛けるはラーメンコンサルタントとして有名な渡辺樹庵氏です。メニューは大きく分かれて「らーめん」「つけめん」「あぶらそば」の3つで、「黒ドライカレー」まで置いてある。人気No.1メニューは「あぶらそば」らしいんですが、基本に忠実な「らーめん」を注文しました。


青ネギ、海苔、甘めに味付けされた滋味深い味わいの極太メンマ、スープに浸せば柔らかく変化するジューシーなチャーシューが具材に使われている。スープは見るからに濃厚そうな色合いで、口に含んだ瞬間に芳醇な煮干しが香り立ちこめる。豚骨魚介といいながら、豚骨はあくまでもスープの基本的骨格を成すだけで、全体的には濃厚な魚介系だ。ざらりとした風合いは様々な節系を使っているのだろう。それにしてもウルメイワシを始めとする煮干しの濃厚さと言ったら!しかも動物系ダシのお陰で味に丸みがあるのもなかなかいい。


麺は中太ストレートで、加水率が高めだ。表面はつるっとしており、コシや喉越しも素晴らしい。とても食べやすくて、あっという間にするすると麺を平らげた。スープを啜れば、無化調なのに旨味が感じられて思わず完飲。濃厚なのに濃すぎずサラリとしており、食べた後も口の中に変な味が残らない。「つけめん」「あぶらそば」「黒ドライカレー」を試してみたくなったよ!

夜総合点★★★☆☆ 3.8
昼総合点★★★☆☆ 3.8

2014年3月13日木曜日

Foreverly : Billie Joe + Norah

http://amzn.to/1vYsZkc


パンクを永遠の次元に押し上げた立役者 Green Day の Billie Joe Armstrong。シルキーでハスキーな美声を持つ稀代の歌姫 Norah Jones。この二人がコラボレーションしたアルバムが去年の11月にリリースされました。題材となったのは50年代に活躍したカントリーソングのレジェンドとも言える The Everly Brothers のアルバム「Songs Our Daddy Taught Us」で、奇をてらった演奏ではなくオリジナルに忠実なカバーを披露しています。

米国の中でも中西部ミシシッピ川沿い~深南部はルーツミュージックの心臓部であり、米国伝統音楽は今でも根強い人気を誇っている。米国ニューオーリンズはジャズ発祥の地であり、メンフィスのビール・ストリート(Beale Street)やセントルイスはブルースの故郷として知られ、ナッシュビルはカントリーミュージックの中心地であり、シカゴはブルースの街としてあまりにも有名だ。時代が移り変わろうとも、これら伝統音楽および発祥の地は米国人にとっての心の拠り所であり、深い愛情が捧げられているのだ(ちなみに僕は学生の時、上述の全ての街を訪問したことがある、と軽く自慢)。

かくてこの二人もC&Wに限りない愛情を注いでおり、シンプルな楽器を使いながら慈しみ深い歌声を披露している。ここで表現されているのは古き良きアメリカであり、UKのロックミュージシャンがこぞって目指したダウン・トゥ・アースな雰囲気だ。目を閉じて聴くと、アメリカ南部調度の部屋でゆったりと踊っているような錯覚さえ覚える。癒し効果が絶大なアルバムを久々に聴いた。

2014年3月11日火曜日

とんぱた亭


横浜市神奈川区にある、横浜市営地下鉄の「片倉町」駅。地元民以外の人にしてみりゃスーパーローカルな駅なんですが、ここに横浜家系の隠れた名店がある。その名も「とんぱた亭」といい、「亭」なのに王道 家系を食わせるお店だ。さるラーメン通に言わせると、近くの六角家が凋落の一途を辿ってしまった今、このお店は外せないらしい。僕が到着した週末昼時は地元民の人たちで混雑していました。


ラーメンを中盛、麺固めでオーダー。家系の王道的な具材である、海苔、青菜、豚ロースのチャーシューが使われている。ほうれん草の代わりに使われている青梗菜が新鮮で好感度大だ。表面に油膜がばっちり張られているせいで、スープ熱もばっちりとキープされている。この熱でチャーシューを柔らかくすれば、丁度いい食べ応えになる。海苔もクリーミーなスープに溶かせばいい塩梅。


モチモチした中太縮れ麺と、家系のど真ん中を行く豚骨醤油スープとの相性は抜群。スープはくどすぎず、豚骨から丹念にダシを取っているのが分かるほど洗練されている。クリーミーでマイルドで切れさえ感じさせ、濃厚というよりもライト寄りなのが特徴だ。麺、具、スープが三位一体となって成立している、高水準な家系を久々に堪能した。

ホームページ:http://www.tonpatatei.com/
夜総合点★★★☆☆ 3.6
昼総合点★★★☆☆ 3.6

2014年3月9日日曜日

Gimme : Beck

http://www.amazon.co.jp/gp/product/B00F7ZZE86/ref=as_li_qf_sp_asin_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=B00F7ZZE86&linkCode=as2&tag=yokohamabeatj-22"


昨年リリースされた一連のシングルの中で、9月にリリースされた3作目。木琴の音のようにファニーなエレクトロで、相変わらず Beck の懐の深さを感じさせてくれます。Beck というアーティストはミニマリズムというものを熟知しているのか、この曲を延々とリピートすると無限ループ的に終わりがないことに気付く。アナログ盤は2枚組になっており、2枚目には30分もの Extended Version が裏表に渡って(つまり二つのパートに分かれて)収録されているそうな。これまた気になる。

先日、Beck が持病の腰痛に悩まされていたと書きましたが、どうやら脊髄損傷に悩まされていたとのこと。それって相当深刻な状態だったってことだよね…。戻ってきてくれて本当にありがとうと言いたい。

2014年3月7日金曜日

がッとん


新しい人気ラーメン店が登場すると、取りあえず足を運ぶことにしています。今回訪問したのは横浜北部の激戦区になりつつある学生街 日吉。駅から程近いところにある「九州釜焚きとんこつラーメン がッとん」というところです。そもそも「九州ラーメン」という括りが大雑把すぎるのに首をかしげてしまう。「関東ラーメン」と言ったっていろんなラーメンがあるわけでしょう?九州ラーメンだって「博多長浜ラーメン」「大分ラーメン」「熊本ラーメン」といった様々なとんこつラーメンが存在するのに。加えて「釜焚きとんこつ」というのは九州でメジャーなものなのか?調べてみたが、一応ちらほらあることにはある。でも検索結果の大半がこのお店だった。取りあえず週末の13:30過ぎに入店しましたが、学生さんたちで混雑していました。


標準メニューである「釜焚きとんこつらーめん」をバリカタで注文した。無料で替玉1つか半ライスを頼むことが出来るので、替玉にしておいた。最近こういったシステムを目にするんだが、これも首をかしげてしまうよ。要は替玉1つか半ライス込みの値段ということだから、無料オプションをなくして丼単価を下げてくれればいいのにと思う。


青ネギ多めの標準的スタイル豚骨ラーメンが着丼した。本場の長浜ラーメンに比べて、スープの色が濃い目。啜ってみればなるほど、とろみがあって味も濃い目で、大分ラーメンに味が近い。「釜焚きとんこつ」の特徴を理解することもなく、ニンニクをクラッシュして投入。麺も標準スタイルの極細ストレートで、ここは特筆するところがなかった。


無料の替玉を今度はハリガネで注文。あっという間にズルズルと平らげ、3つ目の替玉までオーダー。腹を満たすことはできたが、心まで満たすことはできなかった。食べログ高評価だったことから期待しすぎたんだと思う。あと、店員さんの気合入った掛け声がうるさかったこともある。悪くはないんだけど、得点ほど良いとも思えない。様々な思いを馳せてしまうお店だった。

がッとんラーメン / 日吉駅
夜総合点★★☆☆☆ 2.8
昼総合点★★☆☆☆ 2.8

2014年3月5日水曜日

I Won't Be Long : Beck

http://www.amazon.co.jp/gp/product/B00DRHPXVE/ref=as_li_qf_sp_asin_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=B00DRHPXVE&linkCode=as2&tag=yokohamabeatj-22


「Defriended」(過去レビュー)の後、2013年7月に間髪入れずリリースされたトラック。「Defriended」と同様にスペイシーな路線を歩んでおり、ナードな佇まいを持つ Beck の歌声が優しく叙情的なメロディを唄い上げます。80年代を彷彿とさせるように刻まれるシンプルなドラム、爪弾かれるギターが胸に沁み入る。曲の後半から徐々に深みを増していき、縦横無尽なギターが光を湛えます。美しい曲とはこういう曲を指すのだ。ちなみにアナログでカップリングされた長尺バージョンでは、Sonic Youth の Kim Gordon がヴォーカル/スポークンワードで参加しています(こちらで試聴可)。

2014年3月3日月曜日

啜磨専科



2月のある週末。首都高神奈川線を使って本牧方面のラーメン屋に向かっていたんですが、出口を思いっきり間違えて上大岡方面に行く羽目に。横浜在住といえども、北部在住の僕は南部の土地勘を持ち合わせていない。目指していたお店の閉店時間が近づいてきたが、転んでもタダでは起きたくなかったので急遽行先変更。食べログで横浜南部の上位にランキングする、名店誉れ高い啜磨専科(すすりませんか)を探し当てた。とは言っても路地を入ったところにあるので、一見さんには分かりにくい。


食券機の前で考えあぐねていたところ、ちょうどお店の人が出てきたのでお奨めを尋ねたら「ザ・しおつけ麺が人気あります」とのこと。並240gで880円のものを注文した。他のラインナップとしては正油細つけ麺F(FはふつうのF)、正油細つけ麺H(Hは浜虎風のH)、らぅめん等。こちらのオーナーは横浜駅界隈の名店「麺場 浜虎」(過去の記事 )の創設メンバーだったということで、浜虎風のつけ麺を出しているそうな。しばらくしてザ・しおつけ麺が着丼した。具材に使われているのはコリコリした食べ応えの極太メンマ、三つ葉、ほうれん草、海苔、あっさりした鶏チャーシュー。


スープの中には炙られた角切りチャーシューが入っており、こいつが柔らかくて香ばしい。スープの表面には油膜が張られているので、あつあつな熱が封じ込められている。


日本蕎麦と見間違えるぐらいの褐色ストレート平打ち麺には、上質な全粒粉がふんだんに使われているとのこと。表面はつるっとしており、適度なコシがある。スープは塩つけ麺というほどあっさりしておらず、鶏がら中心と思われる動物系ダシが効いている。カエシにも相当上質なものを使っているに違いない。この濃厚味でさらりとしたスープが、喉越しの良い麺を最大限にサポートしており、幾らでもスルスルといけてしまう。


最後にスープ割を頼むと、柚子とあられが投入されて全く別味に変貌したスープが再登場した。あられは「美濃屋あられ製造本舗 」というお店のものを使っているそうで、品質の良さを感じる。柚子のお陰でキリッとさっぱりしており、最後の汁一滴まで堪能することが出来た。ラーメンはここまでクオリティを高めること出来るのか、と改めて溜息ついた。

住所:神奈川県横浜市港南区上大岡西2-14-15
啜磨専科ラーメン / 港南中央駅上大岡駅
夜総合点★★★☆☆ 3.7
昼総合点★★★☆☆ 3.7

2014年3月1日土曜日

Ready to Die : Iggy & The Stooges


Ready to Die : Iggy & The Stooges

パンクのレジェンドであるイギー・ポップが Iggy & The Stooges 名義で昨年リリースした6年ぶりのアルバム。ギタリストの Ron Asheton が2009年に亡くなったのを受けて、かつての在籍メンバーだった James Williamson を迎えて制作されました。

驚いたのがジャケットとタイトルで、御年66歳になる上半身裸のイギー様が身体に爆弾を巻いている。10~20代の若者がこの格好をして「死ぬ覚悟」なんて言ったら狂気や戦慄を覚えてしまうもんだが、おじいちゃん世代のロッカーがこんなこと言ったら洒落にもならない。いつまでも長生きしてね、と言いたくなるが、イギー様は死ぬまで本気ということなんだろう。

思えば去年11月にポール・マッカートニーが来日し、ローリング・ストーンズも来日真っ只中。もうすぐボブ・ディランも来日する。ロックの先駆者にしてレジェンドクラスが大挙押し寄せてる状況だが、ロックがここまで高齢化しているのは史上初めてだろう。今後もアーティスト高齢化が続くに違いなく、リスナーだって間違いなく40歳以上のおっさんが中心だ。ライヴチケットだって若者がそう簡単に手を出せる金額ではない。もはやロックは若者の音楽ではなく、高齢者の音楽なのだ。

歳を取ってますます低音の魅惑が増した、パンク熱を放射し続けるイギーを聴いて複雑な気分になった。