2014年5月30日金曜日

さわやか 富士鷹岡店


ロケットニュース により全国区へその名を轟かせる存在となった「さわやか」に行ってきました。そもそも「さわやか」とは静岡県のみに存在するご当地ハンバーグレストランで、その美味ゆえに静岡最強とも言われています。今回足を運んだのは、東名富士ICからR139を北上したところにある富士鷹岡店です。


昼時に到着したせいか、受付前には席を待つ客で混雑していました。待ちリストに名前を書きつつ、どれぐらい待つのか尋ねたところ「約20分待ち」とのこと。さすが地元の人々に愛される名店、これぐらいの待ち時間は想定内です。ちなみにお店の中は焼けた肉の匂いが充満しており、「さわやか」とはこの肉々しい香りに因んでいるに違いないと思った次第(本当の由来は違うらしい)。


お店の看板メニューである「げんこつハンバーグ(250g)」にライスとサラダのBセットを注文します。お腹が減っていない連れがアイスコーヒーを単品で注文したところ、「それだったらライス、サラダにアイスコーヒーが付いたDセットの方がお得ですよ」とのこと。そうなると連れは何も頼まないことになるけどいいのか?と聞き返したら、構いませんとのこと。温厚で知られる静岡県民だが、やはりその優しさに心打たれてしまう。


やがてセットについているサラダが到着。窓際から差し込む昼時の陽光により、サラダが色鮮やかに映えている。


メインとなるげんこつハンバーグが到着。丸っこいハンバーグが熱く熱せられた鉄板の上でじゅうじゅう言っており、店員さんがその場で二つに切り分ける。そしてナイフとフォークを巧みにさばき、灼熱の鉄板に押し当てて肉を焼き上げる。


中から迸る肉汁が鉄板に流れ落ち、さらにじゅうじゅうと音を立てて、空腹感はクライマックスに達した。


ソースはデミグラスとオニオンの2種類から選べたので、人気No.1のオニオンソースを頼んでおいた。店員さんが切り分けたハンバーグへおもむろにソースをぶっかけると、肉の匂いとソースの匂いが混然一体となって鼻孔をくすぐる。


外側は香ばしく焼かれており、肉の弾力性が感じられるが、内側は赤みが残っており非常に柔らかい。噛みしめれば噛みしめるほど、中から肉汁が洪水の如くあふれ出てきて、文字通り「さわやか」なBREEZEが心の中を通り抜ける。まさしく静岡のソウルフード的存在であり、この究極かつ極上のハンバーグを堪能すれば、富士山は山梨のものではなくて静岡のものと言い切りたくなるのであった。

ホームページ:http://www.genkotsu-hb.com/
さわやか 富士鷹岡店ハンバーグ / 入山瀬駅
夜総合点★★★☆☆ 3.5
昼総合点★★★☆☆ 3.5

2014年5月27日火曜日

Remixed : The Asphodells

http://www.amazon.co.jp/gp/product/B00E7SGVWW/ref=as_li_qf_sp_asin_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=B00E7SGVWW&linkCode=as2&tag=yokohamabeatj-22


Andrew Weatherall が Timothy J. Fairplay と結成した新ユニット The Asphodells。「Ruled By Passion, Destroyed By Lust」(過去レビュー)で男気溢れるデビューを果たしましたが、そのリミックス盤もリリースされています。人選されたリミキサー陣は以下トラックリストにある通りですが、実に先進的かつ老獪なチョイスがされています。しかし残念ながらオリジナル盤を超えた質になっているものではない。ガレージで、ディスコで、アシッドで、ストーナーな雰囲気を保っているのはオリジナルへの経緯の表れかと思いますが、枠を思い切りブチ壊すようなコズミックなやつが出てきても良かったと思います。

Tracklist

1 Another Lonely City (Group Rhoda Remix)
2 Late Flowering Lust (Phil Kieran Remix)
3 Beglammered (Justin Robertson's Deadstock 33s Remix)
4 Skwatch (Black Merlin's Reel To Reel Remix)
5 Never There (Hardway Bros Remix)
6 We Are The Axis (Daniel Avery Remix)
7 Another Lonely City (Daniele Baldelli And DJ Rocca Remix)
8 Beglammered (Richard Sen Remix)
9 We Are The Axis (Scott Fraser Remix)
10 One Minute's Silence (Ivan Smagghe Remix)

2014年5月24日土曜日

らーめん バリ男

虎ノ門で仕事を終えて新橋方面に向かっていると、そこかしこからぷ~んとした匂いが漂ってくる。オヤジの街ゆえの加齢臭なのか?と思いきや、それは紛れも無い豚骨臭。そう、この界隈はラーメン二郎 新橋店(過去の記事)やラーメン 新橋店(過去の記事)、ラーメン 虎の門店(過去の記事)、アタゴロウ(過去の記事)といった二郎及びインスパイア系がひしめくエリアだったのだ。オヤジ共の胃袋を満たすために、これだけの二郎系が集結したのか?いや、二郎系が全国制覇の足がかりをつかむべく、まずは虎ノ門・西新橋エリアを狙っているに違いない。


その証左として「バリ男」なる新参者まで登場しているではないか。しかも「バリ男」は虎ノ門だけでなく、既に日本橋、小川町、吉祥寺にまで勢力を伸ばしている。漂う豚骨臭に男の食欲が刺激され、飛んで火に入る夏の虫のように入店した。


食券機で通常のらーめん(750円)を注文。カウンターには「にんにくを入れる。スプーン1杯…イケメン/スプーン2杯…超イケメン/スプーン3杯…バリ男 やっちゃって下さい!」と書かれている。つまりニンニクはセルフということなんだが、無料トッピングのルールがよく分からない。自己申告すべきなのか?尋ねられたら答えるべきなのか?戸惑っていたらいつの間にか着丼していた。後で知ったことだが、無料トッピングはにんにくと脂、そして気合(笑)の3点のみで、野菜は受け付けていないようだ。


小ぶりの丼へギッチギチに詰め込まれている麺とスープ。背脂ちゃっちゃ系と言っていいほど背脂が浮きまくり、受け皿にまでとろみあるスープが滴り落ちている。これをいきなり天地返しするのは、どんぶり崩壊の危険性がある。取りあえず全体のかさを減らすべく野菜をやっつけるが、結構シャキシャキ感があるのが好感度大だ。それなりの厚みを持ったチャーシューは3枚入っているが、サイズはそれほど大きくはない。箸で簡単に寸断できるほど、ホロホロと柔らかく煮こまれているのが中々良い。


堅めに茹で上げられた極太平打ち麺をリフトアップ。適度に弾力性があり、適度に剛性があり、適度にしなやかで、バランス感覚の申し分ない麺。クリーミーかつマイルドな背脂スープが麺にまとわりつき、スープ・麺・具材の三位一体を楽しむことが出来る。なかなかのボリューム感を楽しんだ後は、スープ表面に浮かんだ背脂を掬い上げて甘みを堪能。スープは二郎本家のそれとは異なっており、甘辛さ控え目で塩分が立っているように思えた。掃海艇の如く背脂を全て回収した後、スープを飲み干そうとするがちょっとつらい塩辛さ。それでもやはり、全体的にバランスが取れているのがサラリーマン層に支持される理由なのだろう。

住所:東京都港区西新橋1-21-1 らーめん バリ男ラーメン / 虎ノ門駅内幸町駅新橋駅) 夜総合点★★★☆☆ 3.6 昼総合点★★★☆☆ 3.6

2014年5月21日水曜日

The Music Killer EP : Sherwood & Pinch

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ジャマイカからの移民が英国ブリストルに流れつき、本国のレゲエ/ダブを持ち込んだのがUKダブの発祥、というのが定説。それを更に発展させたのがボスキャラである Mark Stewart および Adrian Sherwood であるのは言うまでもない。70年代後半のパンクシーンから累々と続くUKダブは、90年代のトリップホップ、00年代のダブステップを経て、全世界に向けてのベース・ミュージックとして大きな潮流となっている。このEPはレジェンドである ON-U Sound 総帥 Adrian Sherwood と、ダブステップレーベルである Tectonic 主宰者である Pinch がタッグを組んだ超強力ドープネス作品。深遠な重量級ベースラインに、ダブステップマナーなハンマービートが楔のように打ち込まれ、老獪なダブ処理が冷たく施される。伝統と未来が融合し、世代を繋いだ作品として聴かれるべき。

2014年5月18日日曜日

手打ち讃岐うどん 綾

ビールとワインばっかり飲んでいるブロガーさんの記事にインスパイアされて、どうしても本場レベルの讃岐うどんを食べてみたくなりました。


四国に行ったことがないので本場の讃岐うどんなんて知る由もないし、四国の人に言わせると首都圏には本場レベルの店など殆ど無いらしい。取りあえず近所でハイレベルなうどん屋を探したら、東名川崎IC近くのこの店がヒット。神奈川県でもベスト10圏内に入るレベルなので行ってみた。北部市場の方にある「洛中おうどん げた屋」は今回スルー。


お店はカウンター式でセルフではないが、天ぷらはセルフで一つ100円。高松にあったS級クラスの名店「あたりや」で修行を積んだという店主がうどんを打つ姿に、否が応でも胸が高鳴る。事前調査によれば男性は(小)なら二つ平らげられるというので、しょうゆうどん(冷・小)とひやあつうどん(小)を注文した。それぞれ350円だ。あと、ちくわの天ぷらね。


しょうゆうどんにだし醤油、柚子を数滴、生姜、揚げ玉を入れて食す。きりりと締まった力強い歯ごたえ。つるりと滑らかで、がしっと食感が確かで、もっちりとコシがある。これが本場の味なのか…と唸りながらあっという間に平らげる。


続いてひやあつうどん。あっさりしたいりこだしの温かい汁に、漂うように浮かんでいる冷たい麺。汁の温もりにより表面が柔らかくなっているが、麺が持っているコシは変わらない。胡麻と一味をふりかけて、エッジの立った太い麺をするりと完食。これが本場レベルの味なのか…なるほど首都圏でお目にかかることなど殆ど無いだろう。これがスタンダードなのだと胸(腹)に刻んだ。

純手打ち讃岐うどん 綾うどん / たまプラーザ駅鷺沼駅宮前平駅) 夜総合点★★★☆☆ 3.8 昼総合点★★★☆☆ 3.8

2014年5月15日木曜日

Matangi : M.I.A.

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昨年11月にリリースされた(またして6ヶ月経ってからのポスト!) M.I.A.の 4th アルバムが凄すぎて、この1ヶ月はほぼこれしか聴いていない。それほど中毒性が高くて、聴けば聴くほどアドレナリンがドープに放出される劇薬的アルバムなのだ。ちなみにタイトルに冠されている「Matangi」はヒンドゥー教における音楽の女神を指し、彼女の本名でもある Mathangi "Maya" Arulpragasam にも因んでいる。

オルタナ・ヒップホップなのは相変わらずなんだけど、めくるめくバングラ・ビートとラガやジャングルといった90年代レイヴを巧みに持ち込んだことにより、かつてない攻撃性を兼ね備えていることに。前述したヒンドゥー教の女神とは戦闘の女神としか思えないほど、戦いの狼煙のようなプリミティヴビートが祝祭感たっぷりに、ドープネス感丸出しで珍妙に打ち鳴らされています。スーパーボウルのハーフタイムショウに出演したことで商業的姿勢が批判された彼女ですが、この作品では彼女の出自と矛盾しない、パンクかつ挑発的なアティチュードが徹頭徹尾貫かれています。



2014年5月12日月曜日

極楽鳥


去年の夏、ラーメン激戦区の綱島にニューフェイスが登場しました。しかも老舗の名店「らーめん桃源」(過去の記事 )から500mほど離れたところに店を構えるチャレンジャー。店の名前は何と「極楽鳥」。桃源郷から極楽鳥へ、明らかにライバル意識とリスペクトの念が感じられるネーミング。桃源が塩ラーメンなのに対して、極楽鳥は鶏白湯を使った「塩こってり」。ここまで意識しているからには、その腕とやらを確かめないわけにはいかない。


メインは「こってり塩らーめん」「こってり正油らーめん」「あっさり中華そば」「あっさり塩中華そば」の4つで、おすすめ一番人気なのが「こってり塩らーめん」だ。迷うことなくこちらをオーダーする。なお店内にはテーブルとカウンターがあり、テーブルが空いている場合は複数客が優先されてしまう。


鮮やかな黄色に彩られたスープに、複数のチャーシューと春菊が添えられた麺が着丼。チャーシューには薄切りの豚と鶏が使われており、どちらもしっとりと柔らかい。見るからにクリーミーなスープを一口啜ってみれば…豆乳や牛乳でも使っているんじゃないか?というぐらいのマイルドさ。鶏のダシやコク、旨味もさることながら、塩味なのにあたかもクリームスープを飲んでいる錯覚に陥りそう。目を閉じて味わえば、まさしく桃源郷に極楽鳥が飛んでいるかのよう(大袈裟)。


麺をリフトアップすると、鶏白湯に不釣り合いな極太縮れ麺が顔を出す。表面がつるつるして、モチモチしこしこの食感だ。何か既視感を覚えて店内を見回すと、「大黒家製麺所」(関連記事 )の文字が書かれた箱が見えた。やはりそうか、そうなのか…。二郎寄りのぶっとい麺はこれはこれでありだが、スープとの相性に疑問を持つ人もいるかもしれない。極太麺はスープを絡め取る機能を持っているかもしれないが、この繊細クリーミースープには細麺が似合うように思う。とにもかくにも、極めてハイレベルな鶏白湯を食わせてくれる店の登場、心から歓迎したい。

夜総合点★★★☆☆ 3.8
昼総合点★★★☆☆ 3.8

2014年5月10日土曜日

Pretzelbodylogic : Prince & 3rdeyegirl

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今年1月にティーザー公開され、2月に新曲としてリリースされた「PRETZELBODYLOGIC」はプリンスと 3rdeyegirl の共同名義となっており、今年リリースされる「PLECTRUMELECTRUM」の方向性を占う最適材料となっています。重心の低いファンキーなロックンロールチューンは新たな夜明けの到来となるのか?これまで単発でシングルを連発している殿下ですが、それぞれの楽曲に統一感は無し。これらをまるっとアルバムにまとめてしまうのは作風的に無理がありそうなので、アルバムには全く新しいトラック群が収録される予感がします。括目して待て!

2014年5月8日木曜日

アナと雪の女王

人知れずミュージカル映画が好きなクチです。facebookでそのことを告白すると、意外に思う友人(特に女子)が多かった。僕のリアルな素のキャラクター(xxxな感じとyyyな感じとか)のお陰で、そう思われるのかもしれません。そんな中で、これだけは劇場で観てみたいという映画が登場しました。言わずと知れた「アナと雪の女王」です。

http://amzn.to/1vWkI1l 

ディズニーアニメーション史上No.1というぶっちぎりミュージカルムービーにして、連休の映画館を軒並み大混雑させたスーパーヒットムービー。何にもまして話題となったのが吹替版です。主人公のアナを神田沙也加、もう一人の主人公であるエルサを松たか子が担当していますが、神田沙也加の演技力と松たか子の歌唱力が話題となりました。

吹替版でも字幕版でもどちらでも楽しめる、ということで僕はまず吹替版を鑑賞。モーションキャプチャーを使っているとしか思えない、キャラクターの滑らかな動きがとにかく素晴らしい(実際には使っていないらしい)。物語といい、音楽といい、これまでのディズニーミュージカル最高峰のクオリティに達していると思う。個人的に一番衝撃を受けたのが、ピエロ役の雪だるま オラフを担当する声優。何の前知識もなく、エンドロールで声の主を知った。

 _人人人人人人人_
 > ピエール瀧 <
  ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄

劇場のちびっこ達の笑いのツボをコチョコチョくすぐり、存在感たっぷりのバイプレイヤーっぷりを発揮。本人の声と気づかせない役者っぷりに脱帽です。去年のあまちゃんにおける梅頭や映画「凶悪」で世間に認知された個性を、この映画でも遺憾なく発揮しています。これはマジで吹替版を先に見て良かった。

2014年5月6日火曜日

カレーハウス リオ ジョイナス店


1960年創業の老舗カレーショップがその歴史に今日幕を下ろした。横浜駅の中枢部ともいえる相鉄ジョイナスに店を構えており、お客さんの入りもいつも良好だ。それなのに何故閉店なのだ?何はともあれ、そのオールドスクールな佇まいのお店に足を運び、これまでの感謝の念を抱きながらカレーを食べることにした。様々なトッピングを施したカレーメニュー以外に、ナポリタンやピラフまであるのが郷愁を誘う。


食券を出すと「中辛でいいですか?」といつも尋ねられる。中辛以外に「甘口」「大辛」「激辛」を選ぶことが出来るんだが、僕はいつも適度な中辛をお願いしている。スパイスはご覧のとおり17種類のものを使っており、ダシは鶏がらメインでココナツミルクを加えているとのこと。この他に玉ねぎ、人参、りんごやマンゴチャツネから甘みを抽出しているそうだ。


この日頼んだのは人気No.1メニューであるカツカレー。豚ロース肉を使ったカツは薄いが、衣がパリっとサクサクしており食べ応えがある。ルーはややどろっとしているが、これは小麦粉によるものだろう。小麦粉使用量は控え目と書かれていたが、さらっとしているわけではない。また前述のダシのお陰で、口に含んだ瞬間に甘さが感じらる。やがてスパイスがじわじわ後から追いかけてくる仕掛けだ。オーソドックスな昔ながらの和式カレーが、ややスパイシーにしてコク深く仕上げられている。ごく普通のカレーなのに、何度でも足を運びたくなる旨さだ。そう、普通なんだけどまた食べたくなる。そんな味だからこそ50年以上も支持されたのだろう。さくっと手軽に食べられるエキナカという立地だからこそ、せわしないお客さんに愛されたのだろう。今までどうもありがとう。

ホームページ:http://www.curry-rio.co.jp/
カレーハウス リオ ジョイナス店カレーライス / 横浜駅新高島駅平沼橋駅
夜総合点★★★☆☆ 3.1
昼総合点★★★☆☆ 3.1

2014年5月4日日曜日

lilac : Vampillia bombs 戸川純

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おそらく10年ぶりであろう、戸川純の新録曲がリリースされました。ソロリリースではなく、海外での評価が非常に高いオルタネイティヴバンド Vampillia が数々のゲストボーカリストを迎えた企画盤「the divine move」に参加しています。Vampillia っていうバンドは詳しくないんだけど、国内外で錚々たるアーティストやバンドとコラボレーションを行っています。ここでいちいち説明するのもあれなので、詳しくは Wikipedia でもご覧ください(と逃げる)。

で、肝心の曲「lilac」が非常に美しい。懐かしい気持ちになってくるような、童謡のようにシンプルで切ないメロディ。それに寄り添うように美しく奏でられる弦楽器。当然なんだけど、とりわけ素晴らしいのが戸川純の普遍的で無垢な歌声。掴みどころのない歌い手は、この曲に最も適しているだろう舌足らずの歌声を披露しています。メランコリック炸裂で、延々にリピートしたい衝動に駆られる。とりわけ別バージョンの perfect ending ver.は必聴。優しいピアノと弦楽の音色に凶暴なインダストリアルノイズがまとわりつき、渦を巻くように終盤へ雪崩れ込んでいく様は圧巻。

2014年5月2日金曜日

公 (kimi)


東海道五十三次の品川宿として知られる北品川~新馬場界隈。日本橋を出発した旅人はこの辺りで江戸前蕎麦などを啜り、英気を大いに養ったのであろう。現代の旅人は蕎麦ではなく、新馬場駅から程近い二郎インスパイア系を啜って英気を養うのが定説となっている…かどうかは不明。何はともあれ「大?小?にんにく入れますか?」だとか「肉汁らーめん」と書かれた看板に引き寄せられて訪問した。


「小 120g」「中 240g」「大 360g」となっていたので「ラーメン(中)豚入り」の食券を買った。着席と同時に無料トッピングを尋ねられたので、野菜増しににんにく少しでお願いした。


このお店がユニークなのは、上級者向けとして焼きらーめんなるメニューが用意されていることだ。麺とスープを鉄板で焼いた油そばライクなメニューらしく、「スタンダード」「ハイカロリー」「ハイパーカロリー」の三段階に分かれている。詳しくは写真を見て頂きたいが、2日分のカロリーを誇る「ハイパーカロリー」など迎え撃つ能力など僕にはない。おそらく3,000 Kcalはあるのだろう。


己の迎撃能力の低さに不甲斐なさを感じていたところに「ラーメン(中)豚入り」が着丼した。それを見た瞬間に不甲斐なさなど消し飛んだ。これを食べようとしている俺ってまだまだいけるよ!若いモンにゃまだまだ負けられないよ!と内からふつふつと自信が湧いてきた。


豚入りなのでブタは4枚。よく煮込まれており、柔らかくて繊維質ばっちり。キャベツ比率やや高めの野菜は全体的にしゃっきりとしており、茹で加減も申し分ない。スープのカエシは二郎マナーに則った甘辛さで、これを野菜にちょぼちょぼと振りかけて、全体のボリュームを少なくしていく。この時点で物足りなく感じたのがスープの奥深さだ。まるでインスタントスープを飲んでいるかのように平べったく、コクと旨味が感じられない甘めライトスープだった。


程良く減ったところで天地返しを行えば、うどんを細目にしたような自家製の中太麺が顔を出した。店内に製麺ブースを構えていることからこだわりが感じられる。ポキポキ感やゴワゴワ感、ワシワシ感はなかったが、表面がつるんとした適度にヤワメの食感は嫌いではない。ただし繰り返しになるが、スープに奥行きが感じられなかったのは致命的な弱点だ。トータルバランスはいいのだが、二郎バブル崩壊寸前のこのご時世をこれで生き抜いていけるのか?スープを改善すればもっと良くなるはずなので、今後を期待して見守りたい。

ラーメン / 新馬場駅北品川駅天王洲アイル駅
夜総合点★★★☆☆ 3.1
昼総合点★★★☆☆ 3.1