2014年6月27日金曜日

Reflektor : Arcade Fire

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モントリオールを拠点とする北米インディーズバンドから、時代の期待を一手に担うバンドへと成長した Arcade Fire の昨年度作品が素晴らしい。アナログレコードのA面/B面を意識した作りのような CD 2枚組の大ボリュームもさることながら、これまでのロック/ダンスミュージック史に対する大いなる敬愛が感じられるからだ。

70年代NYディスコを人力で重心低く表現することで、EDMの終焉を遠回しに示唆(この辺りは Daft Punk が推し進めた方法論と交差している)。ドラムとベースをねっとりと粘りつくように演奏することにより、グルーヴをたっぷりと醸し出す。一方ではスティールパンを打ち鳴らし、音響をダビーにすることで、中南米の祝祭感覚をも演出。それと同時に60~70年代から累々と続いているロック史(ビートルズ、モータウン、トーキングヘッズ等々)を俯瞰しつつ、80年代におけるニューウェーヴへも惜しみなく賛美。特にビルボードチャートを賑わせたヒット曲の引用やオマージュが素晴らしく、終盤における「Afterlife」は New Order の超名曲「Temptation」の生まれ変わりとしか思えない。

そこかしこに仕掛けが施されているので、ロック支持者ならばにんまりしてしまう。時代とジャンルを超越したロックと音響を鳴らしつつ、現代におけるエモーションと彼ら独自の音を両立させた本作は、ここ数年のロック作品の中でも名作に位置付けられるものだ。

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