2014年7月1日火曜日

豚神様


インドでは牛が神聖な動物として崇められているのは有名な話だが、横浜の鶴見では豚が神様とされているという話を耳にした。横浜の金沢区では神豚(過去の記事 )という神のような豚が降臨するのが有名だが、鶴見ではその名も「豚神様」という聖地があるということだ。居ても立ってもいられず、鶴見駅西口から徒歩僅かの場所にある店へと巡礼した。看板は黄色ではなくてオレンジ色、しかも「豚系ラーメン」と書かれているのに違和感を覚えた。


主力メニューとなる「豚様ラーメン」(750円)を麺固めで注文することにした。これには普通の(とは言っても大きめの)チャーシュー1枚に、大きい豚スペアリブ 1個が添えられている。なおかつ、野菜は茹でたものではなく炒められたものが盛られているようだ。この他にも野菜がたっぷり盛られたスタミナ豚様ラーメン(700円)や、ハイエンドメニューとなるその名も豚神様ラーメン(なんと1,200円)まで用意されている。


中国系の店主がてきぱきと丁寧に仕事を進め、やがて豚様ラーメンが神々しく御降臨。二郎系の豚とは異なっており、大判チャーシューは薄くて表面は固め。ぼそっとしているのだが、旨味が染みこんでおりなかなかイケる。巨大な骨付きスペアリブは簡単に骨から剥がれ落ち、粉々にほぐせるほど柔らかく煮込まれている。豚の神様に感謝の念を捧げつつ平らげて、次は炒め野菜に取り掛かる。黒胡椒がぴりりと効いたシャッキリもやし・ニラ炒めは旨味が行き渡っており、ボリューム感もなかなかいい。


スープも二郎系のそれとは異なっており、背脂が十分に溶け込んだとろみある豚骨醤油寄りだ。見た目ほど塩分濃厚ではなく、割とライトな味わいなので喉越しが良い。麺は中太で弾力性とコシがあり、固めに茹でてもらう方が丁度いい。表面がつるりとしているがスープの馴染み加減が絶妙だ。総じてバランス感覚に富んでおり、しかも神的な豚のホロホロ加減にぐっとくる。これは二郎系なのか?横浜家系なのか?いや、看板に偽りなく「豚系」なのだ。黄色い看板ではないのはそういうことなのだ。店主の丁寧な仕事っぷりや礼儀正しさを考えれば、この味に心から納得できるというものだ。

豚神様ラーメン / 鶴見駅京急鶴見駅国道駅
夜総合点★★★☆☆ 3.6
昼総合点★★★☆☆ 3.6

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