2015年12月28日月曜日

Cefe de 鬼

スター・ウォーズ/フォースの覚醒」よりも楽しみにしていた映画「DENKI GROOVE THE MOVIE? 」を観るために新宿まで行ってきました。横浜でも良かったんですが、新宿バルト9に期間限定で「Cafe de 鬼」がオープンというので新宿へ。11:30の回に間に合わせようとしたんだが寝坊、やむなく16:30の回へ前売り券を持って並んだところ「満員です」だと。高を括りすぎていたか!しばし呆然とし、Cafe de 鬼を徘徊するはめに。


「ついに電気グルーヴに死刑判決が下った!」の名場面の前でくつろぐお客さんたち。



常設カフェの貼り紙を替えただけじゃん、という野暮なツッコミはしないでおく。



マグカップやら限定グッズも売り切れていた模様。



二人が使ったユニフォームも。加齢臭がそこはかとなく漂ってくるのがいい。



「Cafe de 鬼(顔と科学)」のPVを垂れ流しているだけだが、これに喜んでいる人はキモオタか変な女だけ。横浜でリベンジしてやる!

2015年12月27日日曜日

La Di Da Di : Battles



「Gloss Drop」(過去レビュー)から約4年ぶりの Battles 新作は、ジャケットで表現されている通りカラフルでポップで有機的な音になっています。前作がタイヨンダイ・ブラクストン脱退の影を引きずっていたのに対して、本作では完全インストかつユーモアと開放感に満ちている

スリーピースバンドとは思えないほどの整合性と鍛錬の習熟性は相変わらずですが、テクノロジーの僅かな引用が人間性の回復をもたらしているのも確か。鉄壁のバンドアンサンブルが複雑かつダイナミックに炸裂しています。マスロック?エクスペリメンタル?ポストロック?聴き進むにつれ、ジャンルに当てはめようとする自分の姿に気がつき、脳内には幾何学模様が浮かんでくる。この音楽こそどこにも属さない、Battles でしか鳴らし得ないものなのだ。

2015年12月24日木曜日

DENKI GROOVE THE MOVIE? - THE MUSIC SELECTION -



Fallin' Down」の付属DVDで唐突に発表されたトレーラーから10ヶ月、ようやく電気グルーヴのドキュメンタリー映画が公開されます。「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」(もう観たもんねー!)よりも待っていたのでマジ楽しみです。ご当地特典付き前売券もがっつりゲット。僕は住まいが神奈川なので「Dragon」のパッケージ。大好きなアルバムなので、これはかなり嬉しかった。観に行くのは「Cafe de 鬼」がオープンする新宿バルト9だけどね!

本ドキュメンタリーの監督はこれ以上ない人選であろう大根仁 氏。電気グルーヴ25年の映像記録をひたすら見続け、本作品を仕上げた大根監督の苦労は察するに余りある。おそらくこの世で一番、電気グルーヴ地獄を目撃した人に違いないだろう。で、本CDは映画に合わせてリリースされた、大根監督が選曲した音楽集。単なるベスト盤かと高を括ってましたが、これはもうオリジナルアルバムじゃないか!というぐらいに全面アップデートされています。

まずは、「25」に収録されていた「25 Raw Beats」は単なる予告編だったのか!という仕掛けに頭が下がる。更にはフジロック・ライヴ音源や野球ディスコ音源、アルバム未収録のバージョン違いがてんこ盛り。多数のリミックスバージョンが存在する「虹」においては(昔、レアものをチビチビ集めてた)初CD化となる「Live@Mayday Mix」が!「新幹線」はお初の Movie Edit が!「N.O.」は新録音源が!何よりも低音がマッシヴになって現在のモードに最適化され、初期の音源は全く古さを感じさせない出来に。作品全体がアシッドの香りに包まれており、音楽集じゃなくておっさん二人が全面関与した新作じゃん。軽く感動しました。

2015年12月21日月曜日

ラーメン二郎 松戸駅前店

生まれ育ちは柏、高校は取手方面、それから葛飾区金町に移り住んだ俺は筋金入りの常磐線野郎。当時はイヤで仕方なかったが、今では優しい眼差しで常磐線を見つめることができる。そして今回、久しぶりに東葛飾地区の松戸へ凱旋した。理由はただ一つ、ラーメン二郎 松戸駅前店を訪問するためだ。20年前とほとんど変わらない(いや、更に地盤沈下している)街で唯一変わったのは、この店ができたことだけ。


開店直後に列へ接続したが、既にごらんの通りの長蛇の列となっていた。ちなみにここの店主は三代目であり、先代は今年になって新潟店をオープンさせた。初代店主は赤羽店(過去の記事)に君臨しており、ドMジロリアンに対してマナー遵守するよう厳しく目を光らせている。



ヤサイが標準でも多めと聞いていたので、ニンニクアブラにヤサイちょい増しを頼んだ。キャベツ比率高めでクタ加減も申し分ない。当日のTwitter情報によれば「昨日、早朝に起きた常磐道の事故により、お肉屋さんからいつも取っている腕肉が手に入りませんでした なので、いつもとは異なるものになりますので、よろしくお願い致しますm(_ _)m」ということだったが、ウデ肉バラ肉ともに申し分ないレベル。いつもと違う質でこれなのだから、通常モードの豚は神域に到達しているに違いない。乳化スープは豚の旨味が凝縮されており、トロミとマロミがあって「神のみぞ汁」とはこのことだ。



麺は店内で製麺しており、基本に忠実にワシワシ、ムチムチ、デロデロ、グニグニとした食感だ。麺量が途方もないので、途中何度も敗北の予感がしたが残すわけにはいかない。こんなに愛情とスピリットのある一杯に対して失礼だ。三代目が作る二郎魂(Jソウル)が込められた一杯を喰らう俺たちジロリアンは兄弟なんだ、三代目J Soul Brothers なんだ!(これが言いたかっただけ)、とひとりごちて完食した。麺、スープ、ヤサイ、ブタの全てにおいてバランスが整えられた一杯は、間違いなく本流の中でもハイレベルな出来具合だった。常磐線沿線を離れて暮らす今、松戸店はいつまでも心のふるさとを盛り上げてくれるはずだ、と安心した。


ラーメン二郎 松戸駅前店ラーメン / 松戸駅
夜総合点★★★☆☆ 3.8
昼総合点★★★☆☆ 3.8

2015年12月18日金曜日

Orphaned deejay Selek 2006 - 08 : AFX



去年以来の Richard D.James の活動は非常にさかんで、遂に AFX 名義の作品までリリース。AFX といえば「Analogue Bubblebath」や「Chosen Lords」といった作品で知られるように、やや攻撃的かつ機能的な作風ともいえる。今回はタイトルからして2006~08期の未発表音源集と思われるが、通常の作品と捉えても何ら遜色のない仕上がり。神経的で性急なBPM上に、ブリーピーなアシッドサウンドがぶりぶりぴーぴー鳴らされています。でも、本当に2006~08年に創られたのかな?音がいいぞ。何が嘘で何が本当なのか分からない狼少年な Richard D.James なので、こんなところまで勘ぐってしまう。どうでもいいことなんだけどね。

2015年12月15日火曜日

ラーメン二郎 赤羽店


初心者にはハードルが高い二郎だが、百戦錬磨のジロリアンでさえハードルの高さを感じてしまう店舗がある。ラーメン二郎 赤羽店だ。見ての通り、店舗前にはチェーンが張られ、地面には矢印が書かれている。整然と並べ、という意思表示であり、「店内撮影禁止」や「携帯電話の使用は極力ご遠慮願います」、「横入りはご遠慮願います」といった貼り紙が几帳面に、清潔な店内に掲載されている。この時点で軍隊の新兵教育を受けている気分になる。緊張感はレッドゾーンに達している。



厳かな雰囲気を醸し出すハートマン軍曹のような店主と、規律こそ全てと言わんばかりの参謀のような女性店員が、黙々とオペレーションを展開する。着席した瞬間に無料トッピングを聞かれるのでニンニクヤサイアブラ、麺の固さも指定できるので麺カタメをお願いした。その後は誰も一言も話さない。「話しかけられたとき以外は口を開くな。口で●●たれる前と後に“サー”と言え 分かったか、●●●ども!」と怒鳴られてしまうのがオチだからだ。やがて「まるでそびえ立つ●●だ!」と叫びたくなる一杯が着丼。大ぶり腕肉のブタは繊維に沿って切れるほどほろほろ柔らかく、神域に近づいているクオリティを誇示。ヤサイはキャベツ比率高めでクタ加減が絶妙、量もなかなか多いぞ。

※元ネタが下品なので一部伏せ字にしてあります。



麺はワシワシ感があってぐねぐねしており、麺量も相当多い。スープには脂が十分に溶け込んでおり乳化度合いもばっちり。エフゼットが立っており、甘さと塩分が絶妙なバランスを誇っている。とっても美味しいです、サーイエッサー!食べ終わったら口の中や周りがイガイガするほど化学調味料たっぷりで、おデブになった私は思わず微笑みをたたえてしまう。そう、微笑みデブとは私のことだ。

ラーメン二郎 赤羽店ラーメン / 赤羽駅赤羽岩淵駅
夜総合点★★★☆☆ 3.8
昼総合点★★★☆☆ 3.8

2015年12月12日土曜日

25 : Adele



「21」(過去レビュー)以来、約5年ぶりとなる新作がリリース。「全世界が待っていた」と言い切りたいぐらいの売れ行きで、発売3週間で500万枚というスーパーメガヒットぶりを発揮しています。定額制ストリーミング配信を拒否しているので、胸のすく思いというか、素直に「ざまあみろ」と言いたくなる(誰に!)。

どうやら21世紀最大のヒット作となる模様で、インシンクが樹立した2000年の記録を塗り替えたらしい。しかもビルボード1位になった時、2位はジャスティン・ビーバーだったとか。これから分かるとおり、米国チャートは相変わらずアイドルが幅を利かせている体たらく。そんな死に体マーケットの中で、この作品が売れまくっている事実は実に興味深い。

リリースにあたっては特別なマーケティング展開は見当たらず。ブランクが空いたのでリスナーが飢餓感を煽られた、というのもしっくりこない。前作以降は出産と育児、創作活動に専念していたはずで、戦略的にブランクを空けた訳でもないだろう。単純にリスナーは良質の音楽を待ち望んでいた、としか言いようがない。著名なミュージシャン達から強力な支持を集めている彼女でもあるので、リアルな支持層ががっつりと後押ししている結果なんだろう。

この作品で歌い上げられているのは、謝罪、贖罪、後悔、哀愁の念と言ったもので、過去の作品から大きな一歩を踏み出している。ボーカリストの力量はいうまでもなく、情感と深みとソウルのある表現力は更に増している。様々な超一流プロデューサー(Ariel Rechtshaid から Mark Ronson や Danger Mouse まで!)を起用することにより、作品全体は前作のブルース色から脱却してバラエティ豊かな彩りに。芳醇なポップネスというのは正にこのこと。こういう作品が大ヒットを飛ばすと、音楽市場もまだ望みがあると思えます。

2015年12月9日水曜日

6才のボクが、大人になるまで。



何気なくレンタルで観たこの映画、観た後にじんわりと心に沁みてくる。

撮影期間12年間(!)に渡って同じ俳優たちが家族を演じており、6才の少年は18才の青年へと成長していく。「人生のあるタイミングで成長は老いへと変わる」という台詞にある通り、子どもが大人になっていくと同時に、大人たちは老いていくというスーパーリアリティ。毎年夏休みに集中撮影したそうですが、よくもまあ誰も離脱しないで撮影しきったもんだ。

奇をてらったストーリーがある訳でもなく、或る家族の日常が抑制気味に描かれていく。それでも2時間45分という長尺を全く感じさせないドラマ。それは図らずも、人生のすべての瞬間はドラマチックであるということを証明しています。ものすごく当たり前のことなんだけど、祝福に溢れた瞬間、悲しみに満ちた瞬間、残酷な瞬間、癒やされている瞬間、その全ての瞬間の連続が人生なんだと。間違いなく、観るべき映画の一つ。ただし、あらすじやオチ、くどくどしい説明やセリフを求める人は観ない方がいい。


2015年12月5日土曜日

ラーメン二郎 大宮店

子供の頃「ごはん粒つけてどこ行くの? 大宮公園 ブタ公園」という囃子唄があった。もちろん地域によって歌詞の差はあるだろうが、大人になった今は間違いなくこう歌う。「JR乗ってどこ行くの? 大宮二郎 豚野郎」と。その声なき唄に導かれて大宮二郎を訪問した。


大宮駅東口を出てから、南方面に向かう路地を歩く。夜の店がずらり立ち並んだ、デンジャラスな香りがぷんぷん漂う通りだ。実際にどこかの店長らしき人が、怖いお兄さんに最敬礼していたり。風俗店へ出勤途中と思われる、マスク姿の若い女性が闊歩していたり。そんな通りを抜けたら一段とデンジャラスな香りがしてきた。そう、それはニンニクと豚骨の香りだ。行列に接続する前に食券を購入。しばし待って着席すれば、隣にはまさしく「豚野郎」と言いたくなるような巨漢が汗水垂らして食っていた。「ああ…」とか「暑い」とかブツブツ言って苦悶の表情を浮かべながら。脳内では「JR乗ってどこ行くの? 大宮二郎 豚野郎」という歌がリピートされていた。


ニンニクヤサイアブラを唱えたところ、まさしく「豚野郎」と言いたくなる巨大肉塊がぶち込まれた一杯が着丼。そもそも一杯に対する丼が小さすぎるので、目の錯覚により巨大に見えてしまうことを言い添えておきたい。分厚く切られたブタは脂身ジューシー、本体は肉々しくも柔らかい。ヤサイはキャベツ比率が高くてシャキ感があるものだ。



取りあえずヤサイとブタをやっつけたところで天地返しすると、デロっとオーション感覚抜群の平打ち麺がご降臨。それほどしょっぱくない甘めFZスープは透き通った上澄みオイル層に覆われており、ニンニクと豚骨が溶けたトロミ感覚も楽しむことができる。この時点で汗がデロデロ出始めて「暑い」と独りブツブツ呟いた。麺を食べ進むにつれ、クヌとしてムニとする小麦の食感に「ああ…」と溜息を漏らす。…あれ?隣の巨漢と同じ独りごと言ってるぞオレ!見知らぬ人を小馬鹿にしていた俺こそ豚野郎なのであった。

住所:埼玉県さいたま市大宮区下町1-25

ラーメン二郎 大宮店ラーメン / 大宮駅
夜総合点★★★☆☆ 3.8
昼総合点★★★☆☆ 3.8

2015年12月3日木曜日

Hitnrun Phase One : Prince



ようやく本作を聴くことができました。Tidal のみでのリリースかと心配していましたが、今こうしてCDを手にすることが出来て一安心。でもこうやって見ると安っぽいジャケットだなぁ。「Art Official Age」(過去レビュー)を「Baltimore」(過去レビュー)化したのは一目瞭然だけど、もうちょっと工夫してもいいんじゃないのー!

で、内容的には超傑作とまではいかないまでも、ファンカーの純粋なDNAを引き継いだストロングファンクアルバム。「For You」〜「1999」〜「Purple Rain」の出だしをサンプリングしたイントロでテンションが上りますが、Judith Hill をフィーチャーしたキュートでポップなR&Bチューンでスタート。この Judith Hill 嬢は故マイケル・ジャクソンとプリンスの両人から認められたシンガーで、母親が日本人であることから日本語も話せることでも有名。プリンスサイドの暴走(レーベルに許可無く無料配信!)により延期されていたデビューアルバムがようやくリリースされた模様。

以降は超重量級スーパーファンクの連打でリスナーの腰を砕けさせ、「This Could B Us」、「Fallinlove2nite」、「Hardrocklover」といった既発曲を間に差し込み数珠つなぎ。「Fallinlove2nite」はシングルでは Zooey Deschanel をフィーチャーしていましたが、アルバムではカミーユ声を使って女性化。ディスコティークな風情がキュートです。Lianne La HavasやRita Ora、Curly Fryzといった新進女性シンガーもフィーチャーしてプロデューサーぶりを遺憾なく発揮。

全体的にコンパクトにまとめられ、収録時間は40分に満たない。こちらとしては消化不良気味というか、イントロで期待を煽られたので肩透かし。曲間無しのシームレス仕様にしているのは往年を彷彿とさせますが、80年代作品のようなストーリー性がないのは残念。殿下にしてみりゃ「取りあえず出しておくか」的スタンスなんでしょう。タイトルもツアー名に冠されている「Hit and Run」だし、しかもPhase Oneなんだから似たようなアルバムを今後も出すつもりだろうし。それよりも Tidal 限定配信されている NPGMC 作品を物理リリースしてくれよなー! 

2015年11月30日月曜日

まひる



新幹線が高架上を走り、更にその上を上野東京ラインが走る神田駅。想像もつかない重量負荷がかかっている一帯だが、その高架の一角でひっそりと、陰日向に咲くタンポポのように構造物を支えるのが「らーめん まひる」だ。惜しくも11/20に閉店してしまったが、客を寄せ付けない陰気なオーラ(もしくは伝説ともいえる店主の無愛想さ)が原因なのだろうか。今一度振り返ってみたい。




ランチ激戦区の昼時にもかかわらず、列に並ぶことなくすんなり着席。当然いらっしゃいませの言葉も無い中、らーめん(700円)を食券で購入しました。無料トッピングを聞かれるはずもなく、食券を渡す時点で自己申告。二郎系には珍しくチーズ無料なので、ニンニクアブラヤサイチーズをお願いした。さすればご覧のような一杯が無言で着丼。キャベツ比率が極めて低い(というか入っていない)ヤサイに降り積もった背脂と粉チーズの雪。生玉子を追加で頼んでカルボナーラ風にすべきだったな。ニンニクは生ではなくフライドガーリックなのが残念。1センチ程の厚さに切られたブタは柔らかくも、それほど印象に残るものではなかった。




クタもやしをアブラとチーズで堪能した後、天地返しをすればご覧のようなぐりんぐりん麺が登場した。浅草開化楼製の麺はガチムチとしており、ハズレのない麺クオリティをうほっと堪能。剛麺とはこのことで、途方もない弾力性と剛性、太さを誇っており「なるほど、神田駅の重量級高架を支えていたのはこの麺か…」と思わず納得。ボリュームは控え目でノックアウト感は低い。塩気控え目で甘いスープはジャンクさが溢れており、G系の極北を見る思いがする。食べ終わってカウンター上に丼を置いても「ありがとうございました」の一言も無い。ある意味、潔くて男気のあるラーメン屋だったな。

住所:東京都千代田区鍛冶町2-12-13

まひるラーメン / 神田駅岩本町駅淡路町駅
夜総合点★★★☆☆ 3.5
昼総合点★★★☆☆ 3.5

2015年11月27日金曜日

Solo : Songs and Collaborations 1982 - 2015 : Tracey Thorn



Tracey Thorn がキャリア初のベストアルバムをリリースしました。単純に彼女のソロ作品をコンパイルしたものではなく、彼女のボーカルをフィーチャーした他者作品(スタイル・カウンシルの「The Paris Match」やマッシヴ・アタックの「Protection」といった名曲!)から、アルバム未収録曲であるリミックストラックやカバー曲まで。終盤を飾るAdam Fの近未来ボサノヴァは沁み入りすぎる。

凛としたネオアコ中心の前半から、クラブカルチャーを色濃く反映した後半まで、楽曲は実に色とりどりな輝きを放っています。その中でも変わらないのが、憂いのある静謐なボーカル。激情に流されず、日常の悲喜こもごもを静かに歌い上げる彼女の声はいつまでも支持したい。全く飾り気のないアレレな写真をジャケットに選ぶ潔さにも敬服(笑)。


2015年11月24日火曜日

SHIN


横浜 東神奈川〜白楽界隈のラーメン激戦区っぷりは異常とすら言えるもので、その中でも反町におけるしのぎの削り具合は注目に値する。ラーメン星印(過去の記事)から徒歩一分もしないところに人気ラーメン店が軒を連ねているからだ。その名も「SHIN」。


店内に入ると人情は女性オーナーが元気よく切り盛りしている。メニューの主軸は「らーめん」に「つけめん」、それと限定メニューの台湾まぜそば等。正直いってどれにすべきか迷うところだが、お店看板メニューの揚チキンめんを頼むことにした。


着丼までの間、お店のウンチクに目を通す。ダシには鶏がらや豚骨といった動物系、節や昆布といった魚介系、長ネギや生姜といった香味野菜系が使われているが、そのそれぞれに上質なものを使っている。カエシにもこだわりが感じられる。


手持ち無沙汰にビールを注文したところ、チャーシューがミニおつまみとして出てきたのが心憎い配慮。そういえば周りをみると常連さんが多いな。店主の人柄のなせる技か。


やがて、わらじサイズの揚チキンが搭載された麺が着丼した!衣はカリとして香ばしくスパイシー、肉そのものは柔らかくてジューシー、これだけでも胃袋が満たされそうだ。他に搭載された具材は筍を煮たもの(メンマじゃないらしい)、黄身がトロリと味付けされた玉子、刻みネギにナルト等。


スープは醤油ベースのシンプルなものながら、それほど淡麗でもない。ダシがしっかりとした骨格を形成しており旨味も十分だ。麺はフランスパン粉に使われる小麦を使っているとのことで、クヌプリとした食感とパッツリした茹で加減を楽しむことができる。食べるにつれ揚チキンの衣がスープに溶け込み、スパイシーさと塩加減と脂分が変化していくのも楽しい。心が温まるお店だね。

SHINラーメン / 反町駅神奈川駅東神奈川駅
夜総合点★★★☆☆ 3.7
昼総合点★★★☆☆ 3.7

2015年11月21日土曜日

攻殻機動隊 新劇場版 O.S.T. : Cornelius


攻殻機動隊 新劇場版 O.S.T. : Cornelius

オリジナルアルバムを久しく出さず企画ものを乱発している Cornelius ですが、どの企画ものも Cornelius サウンド一色に仕上げてしまうあたりはこの人の凄いところだと思います。攻殻機動隊ARISEのサントラ(過去レビュー)に引き続き、「攻殻機動隊 新劇場版」のサントラもこの人のオリジナルアルバムと言い切っていい仕上がり具合。草薙素子の声を演じている坂本真綾がボーカルとして参加しており、清涼感のあるウィスパーヴォイスを披露しています。しかも坂本慎太郎を歌詞を手掛けるという異色のコラボレーション!それにしても、小山田圭吾ってカヒミ・カリィの頃からウィスパーヴォイスが大好きだよね。

他に楽曲参加しているのは Cornelius 自身も参加している高橋幸宏&METAFIVE(YMOチルドレンをがっつり集めているのが凄い)や、ショーン・レノン(本当のビートルズチルドレン)など。たぶん意識的だろうけど「Execution No.9」や「Involution No.9」という曲のタイトルにもにやりとしてしまう。

YMOのライヴなどでギタリストとして参加していることでも知られていますが、この作品でもクレイジーで前衛的な腕前を発揮。立体的な音響空間を構築したり、唯一無二のエレクトロニカを作り上げたりするだけでなく、ギタリストとしてもやるもんだなあ、と改めて感心。原作が持っている肉体とテクノロジーの融合性を独自に表現しています。


2015年11月18日水曜日

麺や食堂 246号店



厚木方面の温泉に行く前、近辺でラーメン屋を探していたら検索ヒット。神奈川県内でランキング上位の常連となっている老舗「麺や食堂」が支店をオープンさせていました。昼時ということもあって行列が出来ており、店内に入れば老若男女のお客さんが多数。半世紀前から営業しているということなので、地元で永らく愛されている名店ということなんでしょう。




一番人気の味玉そばを注文。澄み切った琥珀スープに使われているダシは煮干しや鰹節といった魚介系がメインで、啜った瞬間に魚介風味が口と鼻の中を通り抜ける。やがてしっかりした骨格の鶏がらダシ、選び抜かれた醤油を使っているカエシ、全体に香ばしさを添える香油によって、スープ全体は極上の上品さへ。極細ストレート麺が直線に横たわっている姿も美しく、このお店ならではのこだわった盛り付け方。具材はとろんとろんの黄身を誇る味玉、こりこり柔らかい極太メンマ、しっとり上品で柔らかい鶏と豚のチャーシュー、そして海苔。どれも品質の高さを感じさせます。




整然と真っ直ぐに添えられた麺をリフトアップすると、トルネード状に渦を巻いて投入されていることに気付く。丁寧な仕事っぷりに感動を覚えつつ、麺を啜って淡麗スープに最適化されたぱっつりな茹で具合にも感動。つるっとした表面でアルデンテな食感があり、香ばしい小麦の風味が吹き抜ける。中華そばの極北、神奈川淡麗系の極みとも言える上品な中華そばとはこのことだ。するする食べたが物足りなさを感じた。




そこで替玉100円。鶏チャーシューが添えられているが、こりこりした食感が残っていたのが気になった。これってこういうものなのかな?それとも茹で具合が足りなかったのかな?たぶん後者だと思うが、このあたりはオープンしたてのオペレーション不慣れによるものだと推察した。麺は替玉プラスすれば総ボリュームが丁度いい。シンプルで奥深く染み入るだけでなく、随所に素材と製法へのこだわりが感じられた。食べログ高得点も納得できる一杯で満足です。

ホームページ:http://www.santacala.com/menya_menu.html

麺や食堂 246号店ラーメン / 愛甲石田駅本厚木駅
夜総合点★★★☆☆ 3.7
昼総合点★★★☆☆ 3.7

2015年11月15日日曜日

The Beatles 1


The Beatles 1

僕が意識的に音楽を聴き始めたのは1980年12月頃、小学6年の時だ。ちょうどその頃、ジョン・レノンが暗殺され、大人たちは大騒ぎしていた。子供だった僕は、ことの重大さを大して理解していなかった。

あれから35年経ったが、リアルタイム世代の声に耳を傾けると共通意見があった。「二人の大天才と二人の天才」という声だ。ジョン・レノンの死後、ジョン派となった僕はその声にほぼ同意していた。先日リリースされたこのベスト盤を聴くまで。

この作品は2000年にリマスタリングされたベスト盤を更に磨き上げ、美しくリストアされた5.1ch映像集を特典に付けたものだ。これまでリマスター盤をろくに聴いたことがなかったんだけど、ここでよく分かったことがある。「ビートルズの4人は二人の大天才と一人の天才、一人の超天才だった」ということだ。いうまでもく、超天才とはリンゴ・スターのことだ。ジョンでもポールでもない、申し訳ないがジョージでは全くない。何度でもいうがリンゴ・スターだ。

音にかかっていた靄が全て取り除かれ、リアルな音から聴こえてきたのは途方もないドラムの音だった。ドラムが技巧的とかそういうレベルじゃなく、このタイム感は誰にも真似ができない。デビュー当初からドラムテクニックが完成しており、「涙の乗車券」や「デイ・トリッパー」ではドラムを聴くことの快楽やスリルを教えてくれる。高橋幸宏がすさまじく影響されているのを改めて実感。二人の大天才の影で過小評価されてきた、超天才のドラムにぜひ耳を傾けてほしいと思う。


2015年11月13日金曜日

台湾(Day 7-8) - 台北(Taipei) -


帰国前日。MRTに40分ほど乗って、終点の淡水へ足を運びます。風光明媚な河口の街として知られてますが、ここも完全に観光ズレしちゃってます。晴れた夕方だったら景色も綺麗だったんだろうけど、全く天気に恵まれず。



MRTで市内方面に戻って新北投温泉へ。ここは欧米系観光客が比較的多い。我々日本人にしてみりゃ温泉なんて珍しくないんだけど、やはりぐつぐつとお湯が煮えているは神秘的なんだろう。



駅から坂を登った突き当たりにある「地熱谷」。



湯けむりがもうもうと立ち上っています。



温泉マークを見ると何故かほっとする。



40元で入れる公衆露天風呂。水着必須ということでわざわざ持ってきたんだけど、ちょうど清掃時間にぶち当たってしまった。待とうかと思ったが行列がすごいので諦めました。



その代わり、地元民しか訪れないという足湯へ。公園の一角にあり、タダで入れます。観光客がたくさんいる露天風呂よりも、ローカル色豊かなこちらの方が断然オススメ。



ホテルおすすめの台湾料理店「梅子」へ。名店として知られているそうで、かなりハイクオリティな台湾料理を楽しめました。



揚げた殻付きエビやら。



牡蠣の炒め物やら。



酢豚やら。台湾料理はあっさりした味付けなので、いくら食べても胃にもたれない。やはり美食の都だね。台湾ほど兄弟の絆を感じさせる国は他にない。大好きだよ、台湾。ありがとう、台湾。また来るよ。

2015年11月11日水曜日

台湾(Day 6) - from 高雄(Kaohsiung) to 台北(Taipei) -


この日は高雄→台北へ新幹線で移動。朝の新左営駅を出発します。東海岸が7時間以上もかかったのに対し、西海岸は最短90分で移動できる。



イカす!



マジで!



イカす!



座席配置も日本と同じ2列3列だ。乗り心地も日本と変わらない。あっという間に台北へ〜。



台北のホテルにチェックイン後は老街の九份へ。MRT「忠孝復興」駅からバスで約90分のショートトリップ。「千と千尋の神隠し」の舞台と言われていたが、ジブリ側は公式に完全否定。



海沿い山間部ということもあり、年間の9割は霧で煙っているらしい。ここも例の如く大陸系観光客に占拠されている。



マナーの悪い観光客に辟易したり、路地裏で犬の糞を踏んだり、雨に濡れた階段で滑ったり、頭上から火が点いたタバコが落ちてきたり……いいことが全くない。こちらのサイトでは観光ランキング1位だったが理解不能。ノスタルジー溢れるのは否定しないが、台北市内から90分だったら台南に行くのをお薦めするよ!



市内に戻ってから、ホテルお薦めの中華料理店「聚馥園餐廳」に足を運びます。ガイド本やネットでは知ることのできない地元の名店らしい。



空芯菜やら。



お店のお勧めエビチリやら。



アワビやら。



ふわふわにとろける豚の角煮やら。どの料理も正統派北京料理で、横浜中華街の1/2〜1/3ぐらいの値段で堪能できる。