2015年3月29日日曜日

Berlin (Day 4 pt.1)


この日は半日フリータイムということもあって、そそくさとホテルを出て市内観光に向かう。ベルリンの目抜き通りウンター・デン・リンデンを東に向かうと立派な建物が見えた。これこそドイツの知を結集したベルリン最古の大学「フンボルト大学」である(受け売り)。



通りの向かい側にあるのは1816年に建てられた中央追悼施設 ノイエ・ヴァッヘである。ドイツ新古典主義建築の代表作のひとつとして知られる(受け売り)。



更に東へ進んで川を超えると、ひときわ豪華なベルリン大聖堂がじゃーん。これまた「ドイツです」と言わんばかりに重厚で圧倒的。ベルリン市内観光の目玉の一つ。



教会を正面に見て左にあるのは、19世紀に建てられた旧博物館。この辺りは歴史的建造物がそれなりにある。



ベルリン大聖堂の裏手に回ってシュプレー川沿いを歩く。地元民たちが変なサングラスをして太陽を観察しているのに気づく。そうそう、この日は皆既日食が欧州全土を横断するということで、太陽光発電が普及しているドイツでは大きな影響があるというニュースを見たんだった。天を仰ぐと確かに太陽が欠けているのが見えた。



で、23年前に beatjunkie が川の欄干に立ち、大聖堂を眺めるの図。



最寄りのハッケッシャー・マルクト(Hackescher Markt)駅に到着。市内の主だった区間の電車/地下鉄/バス/トラムに乗り放題という一日乗車券を6.3ユーロで購入する。ここから東へ向かい、ちょいと野暮用(頭の中にはこれしかない)を済ませてから、西方面の動物園駅へと折り返す。野暮用の詳しい中身は次回に書きます。



動物園駅に到着。かつてのターミナル駅として機能した駅として、更には U2 の「Zoo Station」として歌われた駅として有名(以前の記事)。駅の周りは商業地区になっている。



駅の近くにある「カイザー・ヴィルヘルム記念教会」も観光名所として有名。ベルリン大空襲によって破壊された姿のままになっている。



動物園駅から地下鉄に乗って「ジーゲスゾイレ(戦勝記念塔)」に到着。ヴィム・ヴェンダース監督の「ベルリン・天使の詩」であまりにも有名だ。



戦勝記念塔からバスに乗って国会議事堂へとやってきた。前に来たときは頂上にあるドームはなかったぞ。ここから徒歩でわずかなところにあるブランデンブルク門経由でホテルに帰り、頭の中にあるアレを実現するべく準備をすることになる。

2015年3月26日木曜日

Berlin (Day 3)

この日、セッション後に主催者側がバスで2時間ほどの市内観光に連れてってくれた(ありがたやありがたや)。主な名所はバスから眺める程度だったんだが、ベルリン観光に外せない2箇所ではバスを下車。その2箇所とは東西分断の象徴とも言える「ベルリンの壁」と「ブランデンブルク門」です。



巨大都市を真っ二つに分断したイデオロギーの壁は、今となってはその一部を残すのみ。壁には様々なグラフィティが描かれているが、その中でも有名なのがソ連のブレジネフ書記長と、東ドイツのホーネッカー書記長がキスをするの図。これってネタだとずっと思ってたんだけど、まじちゅ~している写真をデフォルメしているらしい。二人はゲイ仲ではなかったようだが、こういうグラフィティを描いちゃうあたりがモダンアートとゲイと許容の街 ベルリンらしい。


夕暮れ時にちょうどブランデンブルク門へ到着。東西冷戦時代がどのような時代だったのか、一緒に行った20代後半の後輩に説明したが、教科書では知っているもののピンとこないらしい。その傍ら、ガイドしてくれた50代現地女性が「この辺は本当に何もなかったのよ。今は再開発で何もかも変ったわ。」としみじみ話していたのが印象的だった。


23年前の beatjunkie が同じ場所に佇む、の図。確かに当時は何もなかった。四半世紀という時の流れはこれほどまでに都市を変えてしまうのか、というぐらいに整然と建物が並び小奇麗になっていた。 この頃に比べ、年齢がダブルスコアになっている自分に気がついて、何だかほろ苦い思いが込み上げてきちゃったり。


空が黄昏色に染まっている中、左右対称に聳える門は実に美しい。


角度を変えて右から。


左から。かっこいい。

2015年3月23日月曜日

Berlin (Day 1-2)

出張でベルリンに行ってきました(大した仕事してないんだが)。ベルリンを訪問するのは1992年以来、実に23年ぶり。当時はベルリンの壁が崩壊した直後だったんですが、あれから四半世紀を経たベルリンは果たしてどうなっているのか?(というか、ベルリン出張が決まってから、頭の中にはアレしかない)。フィンランド航空に乗って、ヘルシンキ経由でえっちらほっちら行ってきました。


 


初日は「Hotel NH Berlin Mitte」に滞在。かつての東ベルリン側に位置するんですが、そもそも東側ってこんなに栄えていたか?いやいや、あれから四半世紀も経ったからこそ大規模な再開発が行われ、やたらと整備されて小綺麗な街並みになっているのです。チェックインしたのが夜7時だったこともあり、その日はへとへとになってご就寝。上のパノラマ図はホテルの部屋から朝の通りを眺める、の図です。無味乾燥な都会の風景だけど、建物の高さはほぼ均一に整えられているのが興味深い。




ホテルの入り口には何故か熊の彫刻が2対。ここだけでなく、市内の至る所で両手を上げた熊がいたんだが、こいつらはユナイテッドバディーベアというそうです。ベルリン市内で開催されたアートプロジェクトで、市内に300体もの熊が設置されたんだとか。ちなみにホテルの入り口にいた奴らは両手を上げていないので、なんちゃってユナイテッドバディーベアだと思われる。


 


初めの宿を出てから、二日目のホテルへ向かう。期間中、ずっと同じホテルじゃないので慌ただしいの何の。途中にあるパン屋が賑わっていたので、4.9ユーロの朝食セットを食す。欧州全体が物価高かつ円安という状況の中、この朝食セットは比較的リーズナブルな方。やはり欧州はパンが美味しいね。ちなみに前夜は本場ソーセージとビールを喰らったんだけど、日本のオクトーバーフェストに行けば同等のものは食えるし、しかも現地より安いんだよね。


 


二日目以降から2泊する Hilton Berlin に到着。ベルリンで一番美しい広場と言われるジャンダルメンマルクト広場の隣にあります。さすが五つ星ホテルだけあって、全てにおいてクオリティが高い。部屋の内装はドイツ的機能美を感じさせるミニマルな調度でした。んまあ、出張だからこそ泊まれるわけで、プライベート旅行だったらこんな一流ホテルには泊まれないよ。




で、こいつがジャンダルメンマルクト広場。向かって左側(写真の手前側)がドイツドーム。真ん中にあるコンツェルトハウス(劇場)を挟んでフランスドームがシンメトリーに建っている。18世紀に建てられた由緒正しき建造物なんですが、第二次大戦で壊滅的損傷を受けたそうです。




で、こいつが真ん中に聳え立つコンツェルトハウス。「ドイツです」と言わんばかりの荘厳な造り。




写真右手に見えるのがフランスドーム。そんじょそこらにこういった歴史的建造物があるわけではなく、市内にぽつぽつと散見される程度。それでも最近の建物も同じような建築美を持っているので、全体的に統一感があるのはさすがドイツ。青空と陽光に恵まれて、ひなたぼっこする人も多い。来る前は「凍死するほど寒い」と脅かされたんだけど、幸いにも日本と変わらないほど暖かかった。




昼間の仕事を終えてから、ホテルのバーでMaisel's Weisse(マイセルズ ヴァイス)を嗜む。いわゆるヴァイツェン(白ビール)で、口に含んだ瞬間にフルーティな香りが広がり、後からほんのりホップの苦みが追いかけてくるお味でした。

2015年3月16日月曜日

Fallin' Down : 電気グルーヴ



先月リリースされた電気グルーヴの新曲。ナゴムレコードの盟友であるケラリーノ・サンドロヴィッチが監督を務めるドラマ「怪奇恋愛作戦」のエンディングテーマになっているそうですが。何度聴いてもすとんと腹に落ちてこないのは、80'sテイスト満載エレクトロがいつも通りだからかなぁ。良くも悪くもなくて、新鮮味が全くない。カップリングされたジャッキンな「Baby's on Fire (((さらうんど))) Remix」や、音数をそぎ落とすことでトラックを再構築した「Baby's on Fire(Hoshina Anniversary Remix) 」の方がまだ聴き応えがある。

更には初回限定盤特典の塗糞祭DVDや、今夏上映されるであろう映画の予告編の方がはるかにグッとくる(しかも監督は大根仁!)。更には更にはレーベルが用意したtwitter企画が、卓球の「何コレ?寒過ぎ!絶対に参加しないで」の一声で中止になった件や、見ているだけで目が回ってくるPVの方がはるかにグッとくる。そういった諸々を含めたら、取りあえずまあいっか、となる。

2015年3月12日木曜日

Music Industry 3.Fitness Industry 1. : Mogwai


Music Industry 3.Fitness Industry 1. : Mogwai


デカダンスな男とたまに言われることがあるんですが(笑)、ここ2週間ほど退廃的なんてものじゃないほど心身が不調でした。そのお陰で、これまで滞ることも殆どなかったブログも投稿マヒ。寄る年波に勝てなくなったのか、寒さのせいなのか、ストレスのせいなのか何だかよく分かりません。取りあえず体調も回復したので久々に投稿です。

そんな絶不調の中でも、繰り返し繰り返し聴いていたのが Mogwai の最新 EP。この手の音楽ばかり聴いているから不調になるんだよ、なんて言われそうですが。それはさておき、この EP は無数リピートに耐えうるほど素晴らしい出来。新曲3曲+リミックス3曲で成り立っていますが、とんでもなく開かれたさわやかシューゲイズトラックで幕を開ける。この超絶ポジティヴィティで心臓を鷲掴みされて、徐々にエレクトロニクス導入な陰鬱インストポストロックへなだれ込む。甘美なこと極まりない。

後半になるとリミックストラックだけあって、打ち込み重視の轟音ソリッドミュージックへと変貌。ホラーな波動が渦巻くと思いきや、黄泉の世界から聴こえてくるような幽玄音楽へと続き、静謐なピアノと轟音ギターのせめぎ合いが続く Mogwai ここに極まれり的トラックで締める。バリエーション豊かなトラック群で、心の救済を求めるにはもってこいの作品です。

2015年3月2日月曜日

Gone Girl : Trent Reznor and Atticus Ross


Gone Girl : Trent Reznor and Atticus Ross


去年公開されたデヴィッド・フィンチャー監督のサイコ・サスペンス映画「ゴーン・ガール」。これまで「ソーシャル・ネットワーク」や「ドラゴン・タトゥーの女」のサントラを手掛けてきた Trent Reznor and Atticus Ross が音楽担当に起用されています。元々ダークな作風で知られるデヴィッド・フィンチャー監督と、救済の余地なしな音楽を創らせたら地獄で一番というトレント・レズナー。タッグを組んだら底なしの音楽になるに決まってる。案の定、通勤電車で聴いてたら気分が悪くなり、会社に行きたくないモードになってしまいました。


映画自体はまだ観ていないんですが、このサントラを聴いた時点でどのような作風かは分かるというもの。ここ最近のトレント様の作風を思う存分発揮しており、ダークアンビエント極まりない居心地の悪い音像を作っています。深遠なインダストリアル風景と耽美なピアノの調べを駆使し、聴き手の潜在的苦痛と不安感を煽りまくる。決して朝の通勤電車や情緒不安定な時、独り寂しい夜に聴いてはいけない。いやーな感じになること請け合いだから。そういう意味で言うと、監督の「マッサージ・パーラーで聴くような、すごくひどい音楽を考えてみて」という発注にものの見事に応えている。リラックスできそうなのに全く癒やされなくて、確かに不安感が高まってくる作品だ。