2015年4月7日火曜日

Computer Controlled Acoustic Instruments Pt 2 EP : Aphex Twin



13年ぶりにリリースされた「Syro」(過去レビュー)は相当の驚きを持って受け入れられたんですが、内容的に衝撃的であったかと言えばそれ程でもない。その「Syro」からわずか4ヶ月のインターバルでリリースされた本作こそ、凄まじい衝撃度を持った問題作といえる。謎めいたタイトルは何を意味するのか、世間は固唾を呑んで見守っていたのだが…なんとタイトル通りの内容だったので多くの人が度肝を抜かれたと思う。つまり「コンピュータ制御されたアコースティック楽器」で演奏されていたのだ(Pt 2の意味は不明)。

音がわずかに電子処理されているものの、使われているのはピアノと打楽器といったアコースティック楽器のみなので電子音は皆無。しかも人間の手から紡がれるグルーヴは全く存在せず、無機質な響きしかない。つまりこれはコンピュータ制御されたロボットが演奏しているのだ。しかも Pepper のようなロボットではなく、アコースティック楽器演奏に特化した特注ロボットなのだ。これにはベルギーの現代音楽家 Godfried-Willem Raes という方が主催する Logos Foundation が一枚噛んでいるとのこと。このページを見れば分かる通り、クレイジーとしか言いようのない前衛ロボットたちがずらり。

このような超前衛的な手法を導入してもなお、Aphex Twin は彼の持ち味を決して忘れていない。ユーザフレンドリーで聴き易い音楽でありながら、聴き手の不安とユーモア心をくすぐり続けている音楽こそ彼の音楽なのだ。

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