2015年5月1日金曜日

Modern Nature : The Charlatans



マンチェスター・ムーヴメントから四半世紀が経とうとしているのに、いまだ現役の第一線にいる稀有なバンド The Charlatans。前作「Who We Touch」(過去レビュー)から4年以上という比較的ロングスパンを置いて新作がリリースされました。


何故それだけのブランクがあったのか?「Who We Touch」の記事で書いたドラマーのJon Brookesが、脳腫瘍から回復することなく逝ってしまったから。これまでにも主要メンバーの Rob Collins を失うなど、数々の苦難に見舞われた彼ら。それらの悲劇を想像するだけでも辛くなってくる。4人になったバンドが下をうつむきながら浜辺を歩き、太陽が優しく輝いているジャケットは実に印象的。


ドラマーには後任を据えておらず、スティーヴン・モリス(New Order)、ガブリエル・ガーンジー(Factory Floor)、ピーター・ソールズベリー(The Verve)がサポートとして参加。錚々たる面子ですが、同業ミュージシャンからも支持されているバンドだと改めて思い知らされます。何もよりも悲愴的にならず、あくまでもしなやかに進み続けるバンドの姿が美しい。骨太でソウルフルな黒いグルーヴを維持し、スィートでメロウで歌心のある曲はいつにもまして力強い。重圧や苦難を優雅さに転換させるバンドは徐々にレジェンドへとなってきています。 


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