2015年8月23日日曜日

信者

前に訪問した二郎インスパイア系「ゆうじん」(過去の記事)が惜しくも閉店してしまい、居抜き物件を活用した新店がオープンしていました。



「ゆうじん」とほぼ同じ佇まいを持つ新店の名は「信者」。ゆうじんと変わらないビビッドな外観、「信者」と書かれたTシャツ…「ラーメン」と書かれた赤ちょうちんが無かったら誰もラーメン店とは誰も思わず、独特の煙を放つお店か、何らかの電波を発している施設に勘違いされるはず。特にここは大井町のディープサイドであり、表通りに面していない路地裏にあることから集客には苦労している模様。店主のブログからも相当苦戦している様子が伺えます。何はともあれ食してみないことには応援もできないので、この暑いさなかに訪問してきました。店主に尋ねたところ、前の「ゆうじん」とは関係がないとのこと。




メニューはラーメン、油そば、つけ麺の3種類で各700円。基本形のラーメンを注文して着丼を待っていたところ「ニンニクと玉ねぎはどうしますか?」と変化球的な質問をされた。事前情報によるとヤサイマシはないということなので、ニンニク玉ねぎの両方をお願いした。さすれば黒々としたスープの大海に浮かんでいるのは、太目に切られた豚3枚(と、ほぐし肉)、刻みニンニクに刻み玉ねぎ、しゃっきり茹で上げられたヤサイの山。表面に張られた油膜のせいでブラックスープはあっつあつになっていますが、見た目ほど濃厚ではなく甘味すら感じさせるすっきりライト醤油味。背脂がほんのり浮かんでいるものの、二郎系の豚骨醤油味とは一線を画しています。このスープの旨味は豚骨ダシというよりは野菜の甘みのようで、刻み玉ねぎがいい塩梅に調和しています。ブタはかなり丹念に煮込まれているので、やわやわでホロホロで、特にほぐし部分のほぐれ加減は最高です。ここのブタ、かなり美味しいぞ!




麺をひっぱりだしたところ、極太で黄色いぐりんぐりん縮れ麺が顔を出した。ここも浅草開化楼のものらしく、表面はツルリとしていながらガチガチに噛み応えがあります。噛みしめれば噛みしめるほど小麦の香りが感じられ、味わい深いスープとのハーモニーも絶好調。果たしてこれは二郎系なのか? ヤサイマシがない、スープが独特である等、二郎系とは趣を異にするものの、ニンニクを尋ねられたので当記事では二郎系とカテゴライズしておきます。二郎系とは一定の距離を置いており、独自の道を歩んでいるスープはごくごくイケてしまう。

暑かったので背脂を回収したところで止めておいたけど、寒い冬の夜に一杯やったら相当暖まるはず。一回行ったらもういいや、と思わせるのが二郎系だけど、「ゆうじん」と同様にリピートしたくなってしまう魔力を持っているのがこのお店。場所的には秘境と呼べるところなんだけど、ラーメン的にはパワースポットと言える場所なんでしょう。


住所:東京都品川区大井1-41-1

信者ラーメン / 大井町駅下神明駅西大井駅
夜総合点★★★☆☆ 3.8
昼総合点★★★☆☆ 3.8

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