2015年10月10日土曜日

いのうえ


川崎市には「尻手」という駅がある。満員電車に痴漢がたくさん乗っていそうな駅だが、そこから横浜市鶴見区内に入ると、大通りからは決して見つけることのできない地味な場所に行列ができている。この店こそ、2014年のオープン以来破竹の快進撃を続けている「いのうえ」だ。いまや横浜の食べログランキングではトップクラス。ラーメン店とは思えない看板だが、どうやら夜は居酒屋としても経営しているとのこと。ちなみに川崎市には「下野毛」という地名もあるので、尻手に加えてそちらも押さえておきたいところだ(何をだ)。




まずは星玉。入り特製ラーメン(850円)が着丼。この他に「油そば風替え玉」(200円)の食券を買っておいた。具材に使われているのは味玉だが、この店では「星玉。」というらしい。店のTwitterアカウントが「豚星。」ツイートをしばしばRTしていることから分かる通り、両店には親交があるようだ。この味玉は「豚星。」譲りのレシピらしい。この星玉。は白身がぷりんっとしており、黄身が芳醇に味付けされているナイスな一品。大ぶりなチャーシューはロールされたバラ肉が2枚。いい塩梅に炙られており、香ばしくてとろりと柔らかくてこちらも申し分なし。極太メンマはこりっとしながらも柔らかくて特徴ある美味しさだ。他には刻み玉ねぎと海苔が添えられている。




灰色スープがこの店のすべてを物語っている。濃厚に立ちこめる煮干しの香りながら、煮干し特有のえぐさはなく、鶏がら/豚骨といった動物系や昆布のだしも効いている味わい深いもの。鶏白湯みたいなポタージュ系のようにクリーミーで、凝縮された旨味とコクが感じられる。低加水の固め茹で上げストレート麺が濃厚スープと絶妙にハーモニーを奏で、清涼感のある刻み玉ねぎが全体を引き締める。スープがやや少なめなのが玉にキズだ。




麺量が少なくなったところで、先ほどの「油そば風替え玉」をお願いした。この替え玉は常に提供されているわけじゃないので要注意。フレーク状のほぐし豚に刻み玉ねぎ、卵の黄身、魚粉が散りばめられて、底にはタレが沈んでいる。こいつをマゼマゼすればまさしく油そばそのもので、この替え玉だけでも完結している旨さ。単体での味わいを堪能してから、残り分をスープへぶち込んでジャンク度合いがアップした一杯を汁完する。うめーっす!高得点なのも頷ける銘店ここにあり。


住所:神奈川県横浜市鶴見区矢向1-7-26

いのうえラーメン / 尻手駅
夜総合点★★★☆☆ 3.7
昼総合点★★★☆☆ 3.7

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