2015年12月28日月曜日

Cefe de 鬼

スター・ウォーズ/フォースの覚醒」よりも楽しみにしていた映画「DENKI GROOVE THE MOVIE? 」を観るために新宿まで行ってきました。横浜でも良かったんですが、新宿バルト9に期間限定で「Cafe de 鬼」がオープンというので新宿へ。11:30の回に間に合わせようとしたんだが寝坊、やむなく16:30の回へ前売り券を持って並んだところ「満員です」だと。高を括りすぎていたか!しばし呆然とし、Cafe de 鬼を徘徊するはめに。


「ついに電気グルーヴに死刑判決が下った!」の名場面の前でくつろぐお客さんたち。



常設カフェの貼り紙を替えただけじゃん、という野暮なツッコミはしないでおく。



マグカップやら限定グッズも売り切れていた模様。



二人が使ったユニフォームも。加齢臭がそこはかとなく漂ってくるのがいい。



「Cafe de 鬼(顔と科学)」のPVを垂れ流しているだけだが、これに喜んでいる人はキモオタか変な女だけ。横浜でリベンジしてやる!

2015年12月27日日曜日

La Di Da Di : Battles



「Gloss Drop」(過去レビュー)から約4年ぶりの Battles 新作は、ジャケットで表現されている通りカラフルでポップで有機的な音になっています。前作がタイヨンダイ・ブラクストン脱退の影を引きずっていたのに対して、本作では完全インストかつユーモアと開放感に満ちている

スリーピースバンドとは思えないほどの整合性と鍛錬の習熟性は相変わらずですが、テクノロジーの僅かな引用が人間性の回復をもたらしているのも確か。鉄壁のバンドアンサンブルが複雑かつダイナミックに炸裂しています。マスロック?エクスペリメンタル?ポストロック?聴き進むにつれ、ジャンルに当てはめようとする自分の姿に気がつき、脳内には幾何学模様が浮かんでくる。この音楽こそどこにも属さない、Battles でしか鳴らし得ないものなのだ。

2015年12月24日木曜日

DENKI GROOVE THE MOVIE? - THE MUSIC SELECTION -



Fallin' Down」の付属DVDで唐突に発表されたトレーラーから10ヶ月、ようやく電気グルーヴのドキュメンタリー映画が公開されます。「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」(もう観たもんねー!)よりも待っていたのでマジ楽しみです。ご当地特典付き前売券もがっつりゲット。僕は住まいが神奈川なので「Dragon」のパッケージ。大好きなアルバムなので、これはかなり嬉しかった。観に行くのは「Cafe de 鬼」がオープンする新宿バルト9だけどね!

本ドキュメンタリーの監督はこれ以上ない人選であろう大根仁 氏。電気グルーヴ25年の映像記録をひたすら見続け、本作品を仕上げた大根監督の苦労は察するに余りある。おそらくこの世で一番、電気グルーヴ地獄を目撃した人に違いないだろう。で、本CDは映画に合わせてリリースされた、大根監督が選曲した音楽集。単なるベスト盤かと高を括ってましたが、これはもうオリジナルアルバムじゃないか!というぐらいに全面アップデートされています。

まずは、「25」に収録されていた「25 Raw Beats」は単なる予告編だったのか!という仕掛けに頭が下がる。更にはフジロック・ライヴ音源や野球ディスコ音源、アルバム未収録のバージョン違いがてんこ盛り。多数のリミックスバージョンが存在する「虹」においては(昔、レアものをチビチビ集めてた)初CD化となる「Live@Mayday Mix」が!「新幹線」はお初の Movie Edit が!「N.O.」は新録音源が!何よりも低音がマッシヴになって現在のモードに最適化され、初期の音源は全く古さを感じさせない出来に。作品全体がアシッドの香りに包まれており、音楽集じゃなくておっさん二人が全面関与した新作じゃん。軽く感動しました。

2015年12月21日月曜日

ラーメン二郎 松戸駅前店

生まれ育ちは柏、高校は取手方面、それから葛飾区金町に移り住んだ俺は筋金入りの常磐線野郎。当時はイヤで仕方なかったが、今では優しい眼差しで常磐線を見つめることができる。そして今回、久しぶりに東葛飾地区の松戸へ凱旋した。理由はただ一つ、ラーメン二郎 松戸駅前店を訪問するためだ。20年前とほとんど変わらない(いや、更に地盤沈下している)街で唯一変わったのは、この店ができたことだけ。


開店直後に列へ接続したが、既にごらんの通りの長蛇の列となっていた。ちなみにここの店主は三代目であり、先代は今年になって新潟店をオープンさせた。初代店主は赤羽店(過去の記事)に君臨しており、ドMジロリアンに対してマナー遵守するよう厳しく目を光らせている。



ヤサイが標準でも多めと聞いていたので、ニンニクアブラにヤサイちょい増しを頼んだ。キャベツ比率高めでクタ加減も申し分ない。当日のTwitter情報によれば「昨日、早朝に起きた常磐道の事故により、お肉屋さんからいつも取っている腕肉が手に入りませんでした なので、いつもとは異なるものになりますので、よろしくお願い致しますm(_ _)m」ということだったが、ウデ肉バラ肉ともに申し分ないレベル。いつもと違う質でこれなのだから、通常モードの豚は神域に到達しているに違いない。乳化スープは豚の旨味が凝縮されており、トロミとマロミがあって「神のみぞ汁」とはこのことだ。



麺は店内で製麺しており、基本に忠実にワシワシ、ムチムチ、デロデロ、グニグニとした食感だ。麺量が途方もないので、途中何度も敗北の予感がしたが残すわけにはいかない。こんなに愛情とスピリットのある一杯に対して失礼だ。三代目が作る二郎魂(Jソウル)が込められた一杯を喰らう俺たちジロリアンは兄弟なんだ、三代目J Soul Brothers なんだ!(これが言いたかっただけ)、とひとりごちて完食した。麺、スープ、ヤサイ、ブタの全てにおいてバランスが整えられた一杯は、間違いなく本流の中でもハイレベルな出来具合だった。常磐線沿線を離れて暮らす今、松戸店はいつまでも心のふるさとを盛り上げてくれるはずだ、と安心した。


ラーメン二郎 松戸駅前店ラーメン / 松戸駅
夜総合点★★★☆☆ 3.8
昼総合点★★★☆☆ 3.8

2015年12月18日金曜日

Orphaned deejay Selek 2006 - 08 : AFX



去年以来の Richard D.James の活動は非常にさかんで、遂に AFX 名義の作品までリリース。AFX といえば「Analogue Bubblebath」や「Chosen Lords」といった作品で知られるように、やや攻撃的かつ機能的な作風ともいえる。今回はタイトルからして2006~08期の未発表音源集と思われるが、通常の作品と捉えても何ら遜色のない仕上がり。神経的で性急なBPM上に、ブリーピーなアシッドサウンドがぶりぶりぴーぴー鳴らされています。でも、本当に2006~08年に創られたのかな?音がいいぞ。何が嘘で何が本当なのか分からない狼少年な Richard D.James なので、こんなところまで勘ぐってしまう。どうでもいいことなんだけどね。

2015年12月15日火曜日

ラーメン二郎 赤羽店


初心者にはハードルが高い二郎だが、百戦錬磨のジロリアンでさえハードルの高さを感じてしまう店舗がある。ラーメン二郎 赤羽店だ。見ての通り、店舗前にはチェーンが張られ、地面には矢印が書かれている。整然と並べ、という意思表示であり、「店内撮影禁止」や「携帯電話の使用は極力ご遠慮願います」、「横入りはご遠慮願います」といった貼り紙が几帳面に、清潔な店内に掲載されている。この時点で軍隊の新兵教育を受けている気分になる。緊張感はレッドゾーンに達している。



厳かな雰囲気を醸し出すハートマン軍曹のような店主と、規律こそ全てと言わんばかりの参謀のような女性店員が、黙々とオペレーションを展開する。着席した瞬間に無料トッピングを聞かれるのでニンニクヤサイアブラ、麺の固さも指定できるので麺カタメをお願いした。その後は誰も一言も話さない。「話しかけられたとき以外は口を開くな。口で●●たれる前と後に“サー”と言え 分かったか、●●●ども!」と怒鳴られてしまうのがオチだからだ。やがて「まるでそびえ立つ●●だ!」と叫びたくなる一杯が着丼。大ぶり腕肉のブタは繊維に沿って切れるほどほろほろ柔らかく、神域に近づいているクオリティを誇示。ヤサイはキャベツ比率高めでクタ加減が絶妙、量もなかなか多いぞ。

※元ネタが下品なので一部伏せ字にしてあります。



麺はワシワシ感があってぐねぐねしており、麺量も相当多い。スープには脂が十分に溶け込んでおり乳化度合いもばっちり。エフゼットが立っており、甘さと塩分が絶妙なバランスを誇っている。とっても美味しいです、サーイエッサー!食べ終わったら口の中や周りがイガイガするほど化学調味料たっぷりで、おデブになった私は思わず微笑みをたたえてしまう。そう、微笑みデブとは私のことだ。

ラーメン二郎 赤羽店ラーメン / 赤羽駅赤羽岩淵駅
夜総合点★★★☆☆ 3.8
昼総合点★★★☆☆ 3.8

2015年12月12日土曜日

25 : Adele



「21」(過去レビュー)以来、約5年ぶりとなる新作がリリース。「全世界が待っていた」と言い切りたいぐらいの売れ行きで、発売3週間で500万枚というスーパーメガヒットぶりを発揮しています。定額制ストリーミング配信を拒否しているので、胸のすく思いというか、素直に「ざまあみろ」と言いたくなる(誰に!)。

どうやら21世紀最大のヒット作となる模様で、インシンクが樹立した2000年の記録を塗り替えたらしい。しかもビルボード1位になった時、2位はジャスティン・ビーバーだったとか。これから分かるとおり、米国チャートは相変わらずアイドルが幅を利かせている体たらく。そんな死に体マーケットの中で、この作品が売れまくっている事実は実に興味深い。

リリースにあたっては特別なマーケティング展開は見当たらず。ブランクが空いたのでリスナーが飢餓感を煽られた、というのもしっくりこない。前作以降は出産と育児、創作活動に専念していたはずで、戦略的にブランクを空けた訳でもないだろう。単純にリスナーは良質の音楽を待ち望んでいた、としか言いようがない。著名なミュージシャン達から強力な支持を集めている彼女でもあるので、リアルな支持層ががっつりと後押ししている結果なんだろう。

この作品で歌い上げられているのは、謝罪、贖罪、後悔、哀愁の念と言ったもので、過去の作品から大きな一歩を踏み出している。ボーカリストの力量はいうまでもなく、情感と深みとソウルのある表現力は更に増している。様々な超一流プロデューサー(Ariel Rechtshaid から Mark Ronson や Danger Mouse まで!)を起用することにより、作品全体は前作のブルース色から脱却してバラエティ豊かな彩りに。芳醇なポップネスというのは正にこのこと。こういう作品が大ヒットを飛ばすと、音楽市場もまだ望みがあると思えます。

2015年12月9日水曜日

6才のボクが、大人になるまで。



何気なくレンタルで観たこの映画、観た後にじんわりと心に沁みてくる。

撮影期間12年間(!)に渡って同じ俳優たちが家族を演じており、6才の少年は18才の青年へと成長していく。「人生のあるタイミングで成長は老いへと変わる」という台詞にある通り、子どもが大人になっていくと同時に、大人たちは老いていくというスーパーリアリティ。毎年夏休みに集中撮影したそうですが、よくもまあ誰も離脱しないで撮影しきったもんだ。

奇をてらったストーリーがある訳でもなく、或る家族の日常が抑制気味に描かれていく。それでも2時間45分という長尺を全く感じさせないドラマ。それは図らずも、人生のすべての瞬間はドラマチックであるということを証明しています。ものすごく当たり前のことなんだけど、祝福に溢れた瞬間、悲しみに満ちた瞬間、残酷な瞬間、癒やされている瞬間、その全ての瞬間の連続が人生なんだと。間違いなく、観るべき映画の一つ。ただし、あらすじやオチ、くどくどしい説明やセリフを求める人は観ない方がいい。


2015年12月5日土曜日

ラーメン二郎 大宮店

子供の頃「ごはん粒つけてどこ行くの? 大宮公園 ブタ公園」という囃子唄があった。もちろん地域によって歌詞の差はあるだろうが、大人になった今は間違いなくこう歌う。「JR乗ってどこ行くの? 大宮二郎 豚野郎」と。その声なき唄に導かれて大宮二郎を訪問した。


大宮駅東口を出てから、南方面に向かう路地を歩く。夜の店がずらり立ち並んだ、デンジャラスな香りがぷんぷん漂う通りだ。実際にどこかの店長らしき人が、怖いお兄さんに最敬礼していたり。風俗店へ出勤途中と思われる、マスク姿の若い女性が闊歩していたり。そんな通りを抜けたら一段とデンジャラスな香りがしてきた。そう、それはニンニクと豚骨の香りだ。行列に接続する前に食券を購入。しばし待って着席すれば、隣にはまさしく「豚野郎」と言いたくなるような巨漢が汗水垂らして食っていた。「ああ…」とか「暑い」とかブツブツ言って苦悶の表情を浮かべながら。脳内では「JR乗ってどこ行くの? 大宮二郎 豚野郎」という歌がリピートされていた。


ニンニクヤサイアブラを唱えたところ、まさしく「豚野郎」と言いたくなる巨大肉塊がぶち込まれた一杯が着丼。そもそも一杯に対する丼が小さすぎるので、目の錯覚により巨大に見えてしまうことを言い添えておきたい。分厚く切られたブタは脂身ジューシー、本体は肉々しくも柔らかい。ヤサイはキャベツ比率が高くてシャキ感があるものだ。



取りあえずヤサイとブタをやっつけたところで天地返しすると、デロっとオーション感覚抜群の平打ち麺がご降臨。それほどしょっぱくない甘めFZスープは透き通った上澄みオイル層に覆われており、ニンニクと豚骨が溶けたトロミ感覚も楽しむことができる。この時点で汗がデロデロ出始めて「暑い」と独りブツブツ呟いた。麺を食べ進むにつれ、クヌとしてムニとする小麦の食感に「ああ…」と溜息を漏らす。…あれ?隣の巨漢と同じ独りごと言ってるぞオレ!見知らぬ人を小馬鹿にしていた俺こそ豚野郎なのであった。

住所:埼玉県さいたま市大宮区下町1-25

ラーメン二郎 大宮店ラーメン / 大宮駅
夜総合点★★★☆☆ 3.8
昼総合点★★★☆☆ 3.8

2015年12月3日木曜日

Hitnrun Phase One : Prince



ようやく本作を聴くことができました。Tidal のみでのリリースかと心配していましたが、今こうしてCDを手にすることが出来て一安心。でもこうやって見ると安っぽいジャケットだなぁ。「Art Official Age」(過去レビュー)を「Baltimore」(過去レビュー)化したのは一目瞭然だけど、もうちょっと工夫してもいいんじゃないのー!

で、内容的には超傑作とまではいかないまでも、ファンカーの純粋なDNAを引き継いだストロングファンクアルバム。「For You」〜「1999」〜「Purple Rain」の出だしをサンプリングしたイントロでテンションが上りますが、Judith Hill をフィーチャーしたキュートでポップなR&Bチューンでスタート。この Judith Hill 嬢は故マイケル・ジャクソンとプリンスの両人から認められたシンガーで、母親が日本人であることから日本語も話せることでも有名。プリンスサイドの暴走(レーベルに許可無く無料配信!)により延期されていたデビューアルバムがようやくリリースされた模様。

以降は超重量級スーパーファンクの連打でリスナーの腰を砕けさせ、「This Could B Us」、「Fallinlove2nite」、「Hardrocklover」といった既発曲を間に差し込み数珠つなぎ。「Fallinlove2nite」はシングルでは Zooey Deschanel をフィーチャーしていましたが、アルバムではカミーユ声を使って女性化。ディスコティークな風情がキュートです。Lianne La HavasやRita Ora、Curly Fryzといった新進女性シンガーもフィーチャーしてプロデューサーぶりを遺憾なく発揮。

全体的にコンパクトにまとめられ、収録時間は40分に満たない。こちらとしては消化不良気味というか、イントロで期待を煽られたので肩透かし。曲間無しのシームレス仕様にしているのは往年を彷彿とさせますが、80年代作品のようなストーリー性がないのは残念。殿下にしてみりゃ「取りあえず出しておくか」的スタンスなんでしょう。タイトルもツアー名に冠されている「Hit and Run」だし、しかもPhase Oneなんだから似たようなアルバムを今後も出すつもりだろうし。それよりも Tidal 限定配信されている NPGMC 作品を物理リリースしてくれよなー!