2016年1月28日木曜日

Dodge and Burn : The Dead Weather



「Sea of Cowards」(過去レビュー)から5年ぶりにリリースされた(と言っても昨年9月リリース)、The Dead Weather の 3rd アルバムが妖艶かつ不穏な空気をたたえて凄すぎる。ロックンロールの正統的後継者である Jack White のサイドプロジェクトと捉えられているバンドですが、問答無用のロックンロール・グルーヴを大炸裂させ、サイドプロジェクトなんて片手間な感覚は全くなし。女性ボーカリストの Alison Mosshart を迎えているからこそバンドは呪術的に妖しい光を放っており、長期間に渡り継続的にレコーディングされた本作はこれまでで一番成熟した出来に。

時にはレゲエタッチになる Jack White が叩くドラム、Queens of the Stone Age の Dean Fertita が切り刻むブルージーなギター、The Raconteurs にも参加している Jack Lawrence のダウントゥアースなベース。彼らが紡ぎ出すバンドケミストリーにより、爆発的閃光を放つガレージロックが成立。方法論はオールドスクールなのに、放射される熱量はとてつもなく、佇まいはあくまでもクール。21世紀になってもまだロックンロールは死んでいなかった。Zeppelin が切り拓いたハードでメタリックな南部志向ロックンロールを、新たな形で呈示する彼らこそロックの未来なのだ。

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