2016年5月29日日曜日

All For One : The Stone Roses



22年ぶりという、ローゼズのまさかの新曲がリリースされました。5年前に再結成を果たしたまま新作なしの状態でしたが、今こうして彼らの新曲を聴くといろんな想いがぐっとくる。

10年前に「ここ数年囁かれている再結成でかっこ悪く登場されるのもちょっと嫌だしなぁ。再結成したバンドが前にも増して強靭になった例は聞いたこともないし、これはこのままでいいのか」(過去の記事)と書いたけど、彼らは自分たちのレジェンドとしての立ち位置を十分理解した上で、この新曲をリリースしたんだろう。この新曲は過去の彼らを踏襲した上で、ものの見事に上書きした素晴らしいものとなっている。

イアン・ブラウンのヨレながらも美しい歌声を包んでいるあの空気感と言ったら!きらきらと光り輝くような音の響きこそ、ローゼズには欠かせないものなんだ。この時点で、過去に最大の敬意を払っているのが一発で分かる。「Second Coming」(過去の記事)で前のめっていたジョン・スクワイアの超絶グルーヴィギターは控え目に、かつブルージィでサイケデリックにかき鳴らされおり、新たな時代の到来を感じさせる。レニのドラムは初めて聴くような跳ね方をしており、マニの鉄壁ベースがバンドの土台を完全体に仕上げている。デビューアルバム(過去の記事)にも使われたレモンをジャケットモチーフにしているのも心憎い。

「かっこ悪く登場されるのもちょっと嫌だしなぁ」という10年前の懸念は見事に払拭されたよ。アルバムも心の底から期待している。

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