2016年12月17日土曜日

Cheetah EP : Aphex Twin



Syro」以降に活動活発化している Richard D. James が突如としてリリースした最新作。80年代風の爽やかなジャケットを手がけるはデザイナーズ・リパブリック。

元々は Soundcloud 上での Richard の匿名アカウントが一部公開していた作品で、タイトルは英国のシンセサイザーメーカーである「Cheetah Marketing」に因んでいる模様。このメーカーが製造したアナログでヴィンテージなモジュール「MS800」を駆使しているそうなんですが、当方シンセサイザーに詳しいわけでもないので他作品との音色の違いはあまり分からず。そもそも虚言癖のある Richard のことなので、その情報が本当なのかすら不明。

確かなのは、復活以降の作品にも言えることなんだけど、音色がクリアかつ音圧が適切だということ。これは物凄く重要なことで、音の選び方が丁寧かつ無駄がないことがよく分かる。研ぎ澄まされているからこそ、作り手の意志・意図がダイレクトに伝わってくる。僕自身ここ最近はテクノ(特にIDM)へ真摯に向き合っているわけじゃないので、最新動向すら分からない状態なんだけど、一昔前に比べてシーンが一巡して落ち着いているように思う。本作はそんな停滞感のある IDM 市場に改めて喝を入れている。クリアに音が響き渡るからこそ中毒性が高く、脳内の隅々をクリアにする作用満点。ジャケットのように清涼感とユーモアが溢れ、下にある PV のように無邪気でありながら毒も持つ。本作によって IDM シーンがかつてのように活性化していくといいですね。

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