2017年6月12日月曜日

Before the Flood (Music from the Motion Picture) : Trent Reznor and Atticus Ross, Gustavo Santaolalla & Mogwai



熱心な環境保護活動家として知られる俺たちのデカことレオナルド・ディカプリオ。そんな彼が気候変動の影響を追うドキュメンタリー映画が「地球が壊れる前に」です。製作総指揮は巨匠マーティン・スコセッシで、ナショナルジオグラフィックから配給されました。それにしてもこの邦題は何とかならないのかな。原題が「Before the Flood」だから気持ちは分かるんだけど、ボブ・ディランのライヴアルバム(『偉大なる復活』 - Before the Flood)にもかけているんじゃないの?

ここで言及したいのがサントラを手掛ける面々。「ドラゴン・タトゥーの女」や「ゴーン・ガール」、「ソーシャル・ネットワーク」といった数々のサントラを手掛けた説明不要の二人 Trent Reznor and Atticus Ross。そしてMogwai(!)とアカデミー作曲賞を受賞しているミュージシャン Gustavo Santaolalla という実に豪華な組み合わせ。静謐で耽美的で物悲しく、ポストロックとエレクトロニカの世界を完全内包している。僕の大好きな監督・俳優・ミュージシャンが揃っているので、この映画は見ないとダメだなぁ。



2017年6月8日木曜日

TROPICAL LOVE : 電気グルーヴ


TROPICAL LOVE : 電気グルーヴ

2017/3リリース以降、ひたすら聴いている4年ぶりの本作ですが、未だに違和感を覚えている。というか腹に落ちてこない。本人たちが「最高傑作」と評しているのに対して、個人的に最高傑作だと思っている「VOXXX」を越えていないと思っているからかな。確かに聴き始めの頃は「J-POP以来の衝撃だ!」と思ったんだけど、聴き続けるにつれて衝撃が薄れていくのを感じたというか。

VOXXX」や「J-POP」に見られる連続性や、塊としてのアルバムのアタック感はあるんですよ。でも何だろう、毒気がない、狂気がない、お金がない。その代わりに、先行シングルとしてリリースされていた「Fallin' Down (Album Mix)」から綿々と連なっていく流れの多幸感は素晴らしい。ああ、これって卓球のピエール瀧に対する愛情がピークに達しているから、「最高傑作」と言ってるのかな。

「人間大統領」を支えるKenKenのファンキーベースや、それ以降の曲でも顕著なマッシヴなキックは、明らかにEDMに異を唱えており、カウンターとしての機能を十分に果たしていると思う。特にタイトル曲なんかそう思う。でもやはり、クリーンになりすぎてる感は否めないヨネー。ああっ、限定盤に付属していた「お母さん、僕たち映画になったよ。」のライヴ映像はやはり最高ですよ。



2017年6月4日日曜日

麺 五六

人生山あり谷あり。当ブログを始めて11年以上経つが、4ヶ月以上もインターバルを置いてしまったのは初めてだ。「更新しないのか?」という問い合わせは一切なかったが(笑)、人生の谷間を彷徨っていたとだけ言っておこう。谷にいたからには、再び山を目指さなければならない。いや、頂上を超えるのですよ、Over The Topですよ、仏恥義理V(オーバートップ)ですよ!新たな二郎系の山を探して、川崎の小田栄に行ってきました。



2016年に開業したばかりのJR新駅「小田栄」から徒歩圏内にある、先日オープンしたばかりの新店。ネット上でにわかに盛り上がっていたので、思わずこのお店をドアノック。店構えからして、中華料理屋さんだった店舗を居抜きでオープンしたのでしょう。口元に控えめな笑みをたたえる店主が一人で切り盛りしていました。




小ラーメン(730円)の食券を購入し、渡した時点で無料トッピングのヤサイアブラを伝える。ニンニクは卓上に置かれているので頼む必要はなし。やがてご覧のような一杯が着丼。屈斜路湖を想起させるカルデラ湖のようになみなみ注がれたスープ、こんもり積まれたヤサイの山、急峻な絶壁を支える屈強なブタ、頂上に降り積む固形状のコラーゲンたっぷりなアブラ。征服欲をかき立てるに相応しい一杯ではないか。




まずはスープを一口啜り…ウメェェ!とアルプスの谷間で飼いならされたヤギのような雄叫びを上げる(心の中で)。クリーミーに乳化した豚骨由来のスープは優しさに溢れており、刺々しさを微塵も感じさせない。モヤシ中心のヤサイはシャキ加減が立っており、卓上のラーメンたれをちょいと降りかけながらしゃくしゃく食い進む。二切れぶち込まれたブタは1cmほどに厚く切られており、脂身部分はとろり柔らかく、肉本体部分は適度な固さが残されており、丁寧な仕事ぶりが感じられる(本来は更に柔らかいらしい)。コラーゲンなアブラをつまみつつ全体ボリュームを減らしたところで天地返し。するとグルーヴ感覚のあるガチリとした中太縮れ麺が噴出した。適度な固さとむぎむぎしい香りを感じながら、スープとのハーモニーを堪能。気づけばスープをごくごく飲んでいる自分に気がついたので、汁完は控えてごちそうさま。新店なのにこの完成度の高さ!一つの山を征服して、再び終わりなき旅へと向かうのであった。

麺 五六ラーメン / 川崎新町)
昼総合点-