2015年9月1日火曜日

This Could B Us : Prince


This Could B Us : Prince

Apple Music を始めとする定額制音楽ストリーミングサービスが熱いんですが、アーティストへの配分が少ないことが取り沙汰されています。しかも複数のサービスが乱立している中、ユーザとしてもどこを選べばいいのか分からない。取りあえずは様子見というところでしょう。

そんな中で、 殿下の新アルバム「HITNRUN」が Jay Z の主宰する Tidal 限定でリリースされることになりました。そもそも Tidal は日本でサービスインしていないので、僕らは聴くことができない!配信もしくは物理リリースを待つしかなさそうです。

そこへ先行シングル「This Could B Us」がいきなり配信リリースされました。例によって例の如く予測不可能な動きをする殿下ですが、この曲は「Art Official Age」(過去レビュー)に収録されていた曲をリミックスしたもの。ネットでちょこちょこ情報を拾ってみると、the Minneapolis Star-Tribune が「パープルレイン時代におけるアポロニアとの写真(ジャケットに使われているイタいやつ)に触発された曲」と報じていました。ん?過去のイタい写真にインスパイアされるって何だか変だぞ…。他のサイトを調べてみると、面白いことが分かってきました。

「this could be us」というインターネット meme に関する記事がありました。meme って?メメって?ミームと発音するらしんですが、インターネットミームとは、ものすごーく簡単に言うとネット上の小ネタのこと。

では「this could be us」とは?twitter へハッシュタグ「#thiscouldbeus」を付けて、カップルの過去のイタい写真を投稿するのが米国でかなり前から流行っていた模様。「(マジな顔して)これは僕たちに違いないよね。でも君は遊びなんだね。」とシニカルにつぶやくらしいんですが、英語圏じゃない人にはうけづらいよね。

殿下はこのミーム(或いはこのミームに乗じて流れてきた自分のイタい写真)に触発された、というのが正しい理解のようです。The Washington Post のネットカルチャー記事に詳しいことが書かれているので、興味のある方は読んでみて下さい(どうでもいいことなんだが)。

さて本題。

新曲ジャケットに自分のイタい写真を使うという大人っぷりですが、曲自体はアイロニカルでも何でもなく、極めてシリアスな出来になっています。オリジナルが愛らしいメロウ&スロウファンクであるのに対して、今回のバージョンはダークな雰囲気を湛えたエレクトロ&ストロングファンク。メロディは同じものの、同じ曲とは思えないほど質感が異なっています。これはリミックスというよりも、リメイク(もしくはリロード)と言った方がいいかも。殿下の悶絶ギターソロも聴ける、重量級ファンクチューンです。

0 件のコメント:

コメントを投稿