2015年12月3日木曜日

Hitnrun Phase One : Prince



ようやく本作を聴くことができました。Tidal のみでのリリースかと心配していましたが、今こうしてCDを手にすることが出来て一安心。でもこうやって見ると安っぽいジャケットだなぁ。「Art Official Age」(過去レビュー)を「Baltimore」(過去レビュー)化したのは一目瞭然だけど、もうちょっと工夫してもいいんじゃないのー!

で、内容的には超傑作とまではいかないまでも、ファンカーの純粋なDNAを引き継いだストロングファンクアルバム。「For You」〜「1999」〜「Purple Rain」の出だしをサンプリングしたイントロでテンションが上りますが、Judith Hill をフィーチャーしたキュートでポップなR&Bチューンでスタート。この Judith Hill 嬢は故マイケル・ジャクソンとプリンスの両人から認められたシンガーで、母親が日本人であることから日本語も話せることでも有名。プリンスサイドの暴走(レーベルに許可無く無料配信!)により延期されていたデビューアルバムがようやくリリースされた模様。

以降は超重量級スーパーファンクの連打でリスナーの腰を砕けさせ、「This Could B Us」、「Fallinlove2nite」、「Hardrocklover」といった既発曲を間に差し込み数珠つなぎ。「Fallinlove2nite」はシングルでは Zooey Deschanel をフィーチャーしていましたが、アルバムではカミーユ声を使って女性化。ディスコティークな風情がキュートです。Lianne La HavasやRita Ora、Curly Fryzといった新進女性シンガーもフィーチャーしてプロデューサーぶりを遺憾なく発揮。

全体的にコンパクトにまとめられ、収録時間は40分に満たない。こちらとしては消化不良気味というか、イントロで期待を煽られたので肩透かし。曲間無しのシームレス仕様にしているのは往年を彷彿とさせますが、80年代作品のようなストーリー性がないのは残念。殿下にしてみりゃ「取りあえず出しておくか」的スタンスなんでしょう。タイトルもツアー名に冠されている「Hit and Run」だし、しかもPhase Oneなんだから似たようなアルバムを今後も出すつもりだろうし。それよりも Tidal 限定配信されている NPGMC 作品を物理リリースしてくれよなー! 

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